犬の食道アカラシア

犬の食道アカラシア~愛犬が噴き出すように吐いてしまったら~

 食道アカラシアは、口と胃を結ぶ食道の中で、食べ物が渋滞を起こしてしまった状態のことです。食道と胃の境界線に近い部分や、摂取した食べ物を胃まで運び込もうとする食道の「蠕動運動」(ぜんどううんどう)の障害を「アカラシア」といい、その結果として食道の内径が異常に大きくなってしまった状態を「巨大食道症」(Megaoesophagus)や「食道拡張症」と呼ばれることもあります。

 通常、食べ物が食道に入ると、表面を覆っている粘膜内のセンサーがその刺激を受け取り、迷走神経という神経を通して脳幹の嚥下中枢(えんげちゅうすう)に「食べ物が入ってきたぞ」という情報を送ります。そして情報を受け取った脳幹は逆に、「食べ物を胃に送り込め」という指令を迷走神経を通じて食道の横紋筋や平滑筋に出します。その結果として生じるのが食道の蠕動運動なのです。食道アカラシアは、「食道~神経~脳幹~筋肉」という上記流れのどこかに障害が生じ、正常な蠕動運動ができなくなって発症します。
 われわれ人間は、喉から胃までが垂直になっているので、重力によって自然と喉から胃へと食物は降りていく事ができます。しかし、犬はわれわれ人間とは違って、四本足ですので、口から胃までをつなぐ食道は地面に対して並行になっているので、蠕動運動によって胃に食べ物を送り込めないと食べ物が食道の途中で滞ってしまいます。

 また、先天的な異常が原因の場合は、母犬のお乳を飲んでいるときから発症します。

 ここでは、犬の食道アカラシアの主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非参考にして下さい。


  • 犬の食道アカラシアの主な症状
  • 犬の食道アカラシアの主な原因
  • 犬の食道アカラシアのかかりやすい犬種
  • 犬の食道アカラシアの主な治療法

犬の食道アカラシアの主な症状

主な症状
☆吐出性嘔吐(飛ばすように吐く)
☆吸引性肺炎(食べ物が誤って気管から肺に入る)
肺炎に伴う呼吸困難・発熱・咳

食道アカラシア(巨大食道症・食道拡張症)の症状は、噴き出すように吐いてしまうのが大きな特徴です。
そして、食べても吐いてしまうため、栄養が取れず衰弱し、みるみるうちに痩せていってしまいます。

また、犬が吐いてしまう際に吐瀉物が気官から肺に入ってしまう事により、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう場合もあります。

食道アカラシア(巨大食道症・食道拡張症)で犬が亡くなるケースでは、この肺炎によるものが死因となる事が非常に多いです。

犬の食道アカラシアの主な原因

  • 食道の病気
    食道炎、食道の腫瘍、食道周辺の血管の病変など、食道そのものの病気
    が通過道を狭めることがあります。

  • 基礎疾患の合併症
    他の基礎疾患があり、その合併症として食道が巨大化することがあります。具体的には、筋肉の脱力が起こる重症筋無力症多発性筋炎アジソン病破傷風などです。

  • 先天的な要因
    犬の食道周辺の筋肉や神経に何らかの先天的な異常がみられるケースがあります。この先天的異常の詳しい原因はまだはっきりとわかっていません。

犬の食道アカラシアの主な原因

 食道アカラシアにかかりやすい主な犬種は、こちらの通りです。

犬の食道アカラシアの主な治療法

  • 別の疾病によって食道アカラシアが引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。具体的には食道内の腫瘍を切除したり、血管の異常を外科的に修復するなどです。
  • 一般的に食道アカラシアは完治が難しい疾病(80%の犬が発症から1年半で死亡)ですので、疾患の原因を取り除くよりも、症状の軽減を目的とした治療が施されます。具体的には、食事中、頭が上を向くようにする、食後30分程度は頭が下がらないように気をつける、一度にたくさん食べさせないようにするなどです。
  • 食道の一部を切り取って短くしたり、食道を切開するという手術が施されることもあります。しかし一般的に、あまり大きな効果は期待できません

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