犬の重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)

犬の重症筋無力症~足に力が入らず、うまく歩行ができなくなったら~

 神経から筋肉に対する伝達が十分にうまく伝わらず、筋肉の疲労や脱力がおこる状態のことです。
 脳からの指令は、運動神経を通じて神経の末端まで来ると、そこから「アセチルコリン」と呼ばれる物質が放出されます。このアセチルコリンを受け取るアセチルコリン受容体が筋肉側に存在し、受容体とアセチルコリンが結合すると、筋肉に刺激が伝達され、筋肉を収縮させます。しかし重症筋無力症においては、筋肉の側に付いているアセチルコリン・レセプターに異常があるため、脳からの指令をうまく受け取ることができません。その結果、「すぐに疲れてしまう」、「なかなか力が入らない」といった支障をきたしてしまいます。

 この病気は、人間でも発症する事のある難病でもあります。


  • 犬の重症筋無力症の主な症状
  • 犬の重症筋無力症の主な原因
  • 犬の重症筋無力症の主な治療法

犬の重症筋無力症の主な症状

主な症状
☆筋力の低下
☆食べるのが遅い
☆まぶたが落ちて眠そうな顔
☆ふらふら歩く
☆朝よりも夕方の方が症状が重い
食道アカラシアに伴う吐出

 重症筋無力症の主な症状は、足に力が入らず、うまく歩行ができなくなったり、足の筋肉が震え、だんだん中腰姿勢になり、座り込み歩く事をやめてしまうといった様子が見られます。
すこし時間を置くと、また歩けるようになることもあります。
 他には、声がかすれたりうまく飲み込めなくなったりするといった例もあります。

犬の重症筋無力症の主な原因

  • 先天性
    先天的に発症する犬種は、ジャックラッセルテリア、スプリンガースパニエル、スムースフォックステリアなどです。生後6~8週齢という非常に早い段階から症状を示し始めます。本来は体内に入ってきた異物を攻撃するはずの免疫システムが、なぜか自分の筋肉を攻撃することで発症する自己免疫疾患の一種とみなされます。また後天的に発症することが多い犬種は、ゴールデンレトリバージャーマンシェパードラブラドールレトリバーダックスフントスコティッシュテリア秋田犬などです。好発年齢は1~4歳と、9~13歳の2相型で、わずかにメスに多いとされます。

  • 後天性
    胸腺に腫瘍
    がある場合に発症しやすくなると言われています。
    後天性の重症筋無力症は、犬種に関わりなく発症し、胸腺腫、肝臓のがん、骨肉腫などの腫瘍に伴う疾患として発症することがよくあります。
    また、後天性重症筋無力症の発症しやすい年齢は、5歳以下または9歳くらいです。

 

犬の重症筋無力症の主な治療法

  • 多くの場合、適切な投薬によって症状が寛解します。具体的にはコリンエステラーゼ阻害剤、免疫抑制薬,コルチコステロイドなどです。
  • 高頻度で食道アカラシアを併発します。食べ物の誤嚥(ごえん)によって生じる肺炎を防ぐため、食器を高い位置に固定し、食後10分程度は頭が下がらないようにします。下を向けないような狭いゲージの中に犬を入れて飼い主が注意するなどの配慮も重要です。

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