犬の感染性関節炎~足を引きづるように歩くなどがみられたら~
犬の感染性関節炎とは、関節液や関節組織の感染症で、関節の中に何らかの病原体が侵入することによって炎症が生じた状態のことです。
ウイルスや真菌の感染によって起こることもあります。
炎症の結果、関節の中に膿が溜まってしまった場合は「化膿性関節炎」とも呼ばれます。
関節炎が一ヶ所だけで発生している場合は、病原体が傷口から入ったと分かりますが、複数箇所で同時に発生している場合は、他の組織から血液に乗って病原体が関節内にたどり着いたと考えられます。
ここでは、 犬の感染性関節炎の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の感染性関節炎の主な症状
- 犬の感染性関節炎の主な原因
- 犬の感染性関節炎にかかりやすい犬種
- 犬の感染性関節炎の主な治療法
犬の感染性関節炎の主な症状
犬の感染性関節炎の主な症状は、関節に炎症があるため痛みがあり、足を引きづるように歩くなどがあげられます。
主な症状 |
☆足を引きずるように歩く |
☆元気がない |
☆関節付近に外傷の跡がある |
☆関節が腫れている |
☆関節を触ると痛がる |
☆運動を嫌がる |
犬の感染性関節炎の主な原因
- 外相からの感染
皮膚に傷が付くことによって病原菌が関節内に侵入するというパターンです。
具体的には、転倒、ケンカ、衝突、交通事故、手術痕などが考えられます。
また病原体として多いのは、ブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌、スピロヘータ、マイコプラズマ、ブラストミセス、クリプトコッカス、コシシジオイデスなどです。 - 他の組織からの侵入
病原体が他の組織から血液に乗って遠く離れた関節に侵入するというパターンです。 - 免疫力の低下
免疫力が低下している状態だと、通常であれば抑え込めるはずの病原体の繁殖を抑えることができず、関節炎につながることがあります。
犬の感染性関節炎にかかりやすい犬種
統計的には、4歳~7歳のジャーマンシェパード、ドーベルマン、ラブラドールレトリバーのオスに多いようです。
この傾向には屋外における活動性が関係しているのかもしれません。
犬の感染性関節炎の主な治療法
- 投薬治療
炎症を起こしている関節から関節液を採取して病原菌を特定し、それに対応した薬剤を投与します。
また、痛みが激しい場合は抗炎症薬や鎮痛剤が投与されることもあります。 - 関節内の洗浄
関節に水がたまって腫れ上がっているような場合は、注射針を刺して水を抜き、生理食塩水などで関節の中をきれいに洗います。
また炎症が慢性化し関節を包み込んでいる滑膜に増殖が見られる場合は、外科的に切除することもあります。 - 安静
炎症が収まるまで極力関節への負担を減らすようにします。
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