~負けん気は強いが愛情深いワイヤーフォックステリア~
高い知性と好奇心が溢れ、気品に満ちた態度があなたを魅了する―それがワイヤーフォックステリアです。
彼らはその活発な性格と個性的な美しさで、犬好きの心を引きつけ、一度その魅力に触れたら忘れられない存在になるでしょう。
ここでは、ワイヤーフォックステリアの誕生した背景・歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方などを詳しくまとめています。
これから飼いたいと思っている方や既に家族として迎え入れている方、単純に犬が好き方など、是非、ご参考になさって下さい。
- ワイヤーフォックステリアの歴史
- ワイヤーフォックステリアの特徴
- ワイヤーフォックステリアの健康
- ワイヤーフォックステリアの食事
- ワイヤーフォックステリアの運動
- ワイヤーフォックステリアのしつけ
- ワイヤーフォックステリアの手入れ
- まとめ
ワイヤーフォックステリアの歴史
キツネ狩りに用いられた犬種
イギリスの豊かな田園地帯が、ワイヤーフォックステリアという特異な品種の誕生地です。
短くて硬い「ワイヤー」のような被毛は、狐狩りの際の保護とカモフラージュを提供しました。
また、その活発な性格と鋭い感覚は、彼らを効果的な狩人とし、同時に家族の一員としても楽しむことができました。
ワイヤーフォックステリアは、非常に古い犬種であり、その為もあってはっきりとした起源が分かっていません。
キツネなどの害獣を追うことを目的とするフォックス・テリアのうち、19世紀後半から他のテリアとかけ合わせ、品種改良が進められる中で、「スムース・フォックス・テリア」と「ワイアー・フォックス・テリア」が確立されました。
ちなみにフォックステリアとは、キツネ狩りに用いられる事から呼ばれるようになってものです。
18世紀頃の頃のワイヤーフォックステリアは、ウェルシュテリアがベースになっている事もあり、ブラックやブラウン、タンをベースにした毛色だったと言われています。
その為に、狩りの最中にキツネと間違って誤って撃たれてしまう事がしばしばあったようです。
そのような事もあり、ブルテリアをベースにしていたスムースフォックステリアが白い毛色であった為、ワイヤーフォックステリアはスムースフォックステリアと交配して、白い毛色になるように作出されたと言われています。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ワイヤーフォックステリアはその個性的なルックスと賢明な性格で、ショードッグとしても人気を博しました。
特にアメリカでは、ウェストミンスター・ケネル・クラブ・ドッグ・ショーで14回ものベスト・イン・ショーを勝ち取っています。
ワイヤーフォックステリアはその名が示す特性、歴史、そして独特な魅力を持つ犬種です。
今日では、彼らはその元々の仕事からは離れていますが、そのエネルギッシュで明るい性格は、世界中の家族の一員として愛され続けています。
ワイヤーフォックステリアが与える楽しみと喜びは、その歴史の深さと背景によって更に増加します。
この愛くるしいテリアと共に過ごす日々は、一瞬も退屈することはありません。

ワイヤーフォックステリアの特徴
すらりとしたバランスの良い体型
ワイヤーフォックステリアはその外観と性格の両方で一際目を引く存在です。
そんなワイヤーフォックステリアの特徴は以下の通りです。
-
被毛:
特徴的なワイヤーのような硬く直立した被毛は、彼らに規則的で整然とした外観を与え、過酷な気候と獲物追跡の際の保護を提供します。 -
顔立ち:
顔は知的で親しみやすく、その目は警戒感と好奇心に満ちています。
頭部は比較的平らで、耳は形が良く、前方を向いて垂れています。 -
体格:
筋肉質で細長い身体を持ち、体重は約6~9キロと小型犬の範囲ですが、その活気と勇敢さは大型犬に匹敵します。
体長と体高がほぼ同じくらいのスクエアな体型をしています。
がっちりとした体格から真っすぐに伸びる長い脚が魅力です。
以前は猟犬を中心に断尾をされることがありましたが、近年は動物愛護の観点の高まりにより、必要のない断尾は見送られるようになっています。 -
性格:
非常に活発で、知性と勇敢さが光ります。
好奇心が強く、探検好きで、新しい場所や物に対して敏感です。 -
家族への愛情:
非常に愛情深く、家族全員との深い絆を形成することができます。 -
遊び心:
高いエネルギーと遊び心は、子供たちの最高の遊び相手となります。 -
知性と独立性:
その知性と独立性は大人たちにとって刺激的な存在になります。
テリア気質がとても強く、負けん気が強く、プライドが高い性格です。
見知らぬ人が訪ねてきた際や他の犬と出会った時など、攻撃的な一面を見せる事もあるので、注意が必要です。
ワイヤーフォックステリアは、その明るさと愛らしさ、忠誠心で知られ、あらゆる年齢の人々に愛されています。
高いエネルギーと遊び心は、子供たちの最高の遊び相手となり、その知性と独立性は大人たちにとって刺激的な存在になります。
飼い主の心を瞬時に掴む、その全てが魅力的なワイヤーフォックステリアとの共有時間は、間違いなく忘れられない瞬間となるでしょう。
外見 |
・背中が短めで、背中の長さにしては足は長め |
性格 |
・好奇心旺盛で活発 |
体重 | 6~9kg |
体高 | 33~41cm |
ワイヤーフォックステリアの健康
皮膚が弱いので、定期的にシャンプーを
平均寿命は13歳前後で、一般的に健康な犬種とされていますが、いくつかの特定の健康問題に注意することが必要です。
-
遺伝的な疾患:
「膝蓋骨脱臼」や視力問題(「白内障」や「緑内障」)など、遺伝的に起こる可能性のある健康問題に注意が必要です。 -
皮膚問題:
「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患が一般的です。
これは季節性のアレルギー、特定の食物や環境要素に対するアレルギーが原因となることがあります。
定期的にシャンプーをし、ブラッシングもこまめに行いましょう。
日本の高温多湿の気候は皮膚疾患を起こしやすいので、エアコンで環境を整えられる室内での飼育が無難でしょう。 -
適切な運動量:
ワイヤーフォックステリアは活発な犬種なので、適切な運動量を確保することが必要です。
運動不足はストレスが溜まり、長期的な健康問題につながる可能性があります。 -
歯科衛生:
プラークや歯石が溜まると歯周病を引き起こす可能性があるため、定期的な歯ブラッシングと年に一度のプロフェッショナルな歯のクリーニングが必要です。
これらを注意しながら、愛犬との素晴らしい時を楽しむことができるでしょう。
そして、彼らの健康と幸せは、飼い主であるあなたにとって何よりの喜びになるはずです。
ワイヤーフォックステリアの食事
肥満に注意
ワイヤーフォックステリアはその活発な性格から、バランスの取れた栄養豊富な食事が必要です。
ワイヤーフォックステリアの食事上の注意点は以下の通りです。
-
バランスの取れた栄養:
タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルが適切なバランスで含まれた食事が必要です。 -
高品質なタンパク質:
筋肉質な身体を維持し、新しい体組織を形成するために、肉、魚、卵などの高品質な動物由来のタンパク質が必要です。 -
適切な脂肪量:
脂肪は皮膚や被毛の健康に必要ですが、食事の脂肪量が多すぎると肥満の原因となる可能性があるため、適切なバランスが重要です。 -
ビタミンとミネラル:
全体的な健康と免疫力を維持するために必要です。フルーツ、野菜、全粒穀物からこれらの栄養素を得ることができます。 -
適切な食事量:
エネルギーレベル、年齢、体重、健康状態に応じて食事の量を調整する必要があります。
過食や不適切な食事は肥満や他の健康問題を引き起こす可能性があるため、定期的な体重チェックと獣医師との相談が必要です。 -
食物アレルギー:
特定の食物に対してアレルギー反応を示すことがあるため、新しい食事に切り替える際は慎重に行い、何らかの反応があった場合はすぐに獣医師に相談してください。
これらのガイドラインを参考に、愛犬のワイヤーフォックステリアに最適な食事を提供し、健康で幸せな生活をサポートしましょう。
ワイヤーフォックステリアの運動
毎日、しっかりと運動をさせる必要があります
運動が大好きな犬種ですので、毎日十分な運動量が必要です。
毎日1時間程度の散歩を朝夕の2回ほど連れ出してあげましょう。
ドッグランで思いっきり走らせてあげたり、ボール遊びをしてあげると良いでしょう。
ただ、暑さには弱いので、夏暑いときの屋外での運動は避けてください。
夏などは気温の低めの早朝や夕方などに散歩に連れて行ってください。
また、関節が弱い傾向があるので、アスファルトなどの固い地面で走らせる事は出来るだけ避けてあげて下さい。
ワイヤーフォックステリアは、スタミナがある犬種です。
運動不足によるストレスから、問題行動に発展することがあります。
ワイヤーフォックステリアのしつけ
根気よく教えてあげましょう
テリアの特徴である頑固な一面があるので、根気よくしつけをする必要があります。
しつけがしやすい犬種の部類ではありませんが、頭は良いのでひとつひとつ根気よく教えてあげれば、必ずしつけできます。
飼い主は一貫した姿勢で、広い心を持ちつつ、しつけに臨みましょう。
厳しく怒るのではなく、ほめて伸ばすことを心がけましょう。
叩いたりしてしまうと、人の手を怖がってしまうようになってしまいますので、絶対に行わないで下さい。
大きな声で怒鳴ったり、体罰は何も良い事はなく、マイナスでしかありません。
また、ワイヤーフォックステリアにとって非常に大切な事ですが、幼犬の頃から、たくさんの人や犬と触れさせて、社会性を身に付けさせましょう。
喧嘩っ早い性格ですから、なるべく社交的な面を築いてあげましょう。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
ワイヤーフォックステリアの手入れ
短い被毛でお手入れは楽
被毛はあまり長くはならず、お手入れは楽です。
ダブルコートですが、上毛となるオーバーコートはワイヤーと呼ばれるだけに硬く、抜け毛はあまり多くありません。
ただ、絡みやすいので普段は週に2〜3回はブラッシングをしてあげましょう。
換毛期になると、下毛が抜けるので、毎日ブラッシングが必要になります。
その際は、スリッカーブラシを使うと良いでしょう。
また、垂れ耳ですので、「外耳炎」の予防のため、週1~2回程度は耳掃除を行ってください。
歯磨きは、出来る事なら毎日行ってあげて下さい。
犬の唾液はアルカリ性なので、虫歯にはなりませんが、歯周病にはなってしまいますので、ケアしてあげて下さい。
爪切りは頻繁に行う必要はありません。
せいぜい月に1回程度、切ってあげれば良いでしょう。
まとめ
✔ 決してしつけは簡単ではないが、飼いづらくはない
✔ 幼いころから色々な人や犬と接し、社会性を身に付けましょう
✔ 思いっきり一緒に遊んであげられる時間を確保しましょう
ワイヤーフォックステリアは、テリア種らしい性格から飼いづらいと思われがちではありますが、決して飼いづらい犬種というわけではありません。
まだ幼い子犬の頃から様々な人や犬たちを交流をさせ、社会性を身に付けさせる事によって、攻撃性を減らし、とても良い子にもなります。
確かにしつけは根気が必要ですが、頭の良い犬種ですので、必ずマスターをしてくれるでしょう。
また、体も丈夫なので、健康面でも危惧は比較的小さいと思います。
とても明るい性格では楽しいことが大好きな犬なので、家の中を華やかにしてくれるでしょう。
これは、ワイヤーフォックステリアに限った事ではありませんが、どんな犬種でも放って置かれると攻撃性が増してしまうものです。
運動も大好きな犬なので、思いっきり一緒に遊んであげられる時間を確保してあげて下さい。
逆にそれが出来ないのであれば、犬の幸せのためにも、飼う事をお勧めしません。
コメントを残す