犬の角膜裂傷~視力の低下や眼球の痛み、異物感を感じるような仕草~
犬の角膜裂傷とは、黒目の表面を覆う角膜(かくまく, cornea)と呼ばれる透明な膜が破れて傷ついた状態を言います。
傷が完全に角膜を突き破ってしまったタイプを「穿孔型」(せんこうがた)、傷が角膜の途中で止まっているタイプを「非穿孔型」と呼ぶこともあります。
傷が大きい場合は手術によって眼球を取り出さなければならない場合もありますので、異変を感じたらすぐに動物病院を行きましょう。
ここでは、犬の角膜裂傷の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非参考になさって下さい。
- 犬の角膜裂傷の主な症状
- 犬の角膜裂傷の主な原因
- 犬の角膜裂傷の主な治療法
犬の角膜裂傷の主な症状
視力の低下や眼球の痛み、異物感を感じるなどの角膜炎のような症状や仕草を見せたら、要注意です。
また、眼球の表面に異物が付着しているケースもありますので、いずれにしても気になる場合は、速やかに病院へ行きましょう。
主な症状 |
☆角膜炎と同じ症状(軽症) |
☆角膜のゆがみ(中等度) |
☆眼球表面に内容物が飛び出す(重症) |
犬の角膜裂傷の主な原因
原因は2つに分けられ、1つは、外から角膜への過度な圧力。もう1つは内側からの圧迫です。
- 外からの圧力
外から加わった何らかの力が角膜に傷をつけるパターンです。
具体的には、走っているときに植物の葉や枝先が目に入る、飛んできたカナブンがたまたま目に入る、猫とじゃれあって目をひっかかれるなどです。 - 内側からの圧迫
内からの圧力 頭部に強い衝撃を受けると、眼球内部の圧力によって角膜を内側から傷つけることがあります。
具体的には、交通事故や高所からの落下です。
ほとんどのケースでは、角膜の傷よりも、その他の部位の怪我の方がより深刻です。
頭部を中心とした部位に強い衝撃を受けてしまったことによって、角膜が損傷しまうことが多いです。
犬の角膜裂傷の主な治療法
- 対症療法
傷が軽度の場合は、それ以上症状が悪化しないような対症療法がおこなわれます。
具体的には、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、炎症の悪化を防ぐための抗炎症薬の投与、眼球破裂を予防するための運動制限、医療用コンタクトレンズの着用などです。
免疫力が正常であれば、角膜上皮の傷も角膜実質の傷も、上皮細胞によって自然に修復されます。
前者の場合は7日ほど、後者の場合は数週間かかるというのが目安です。
その間、犬が目をひっかいてしまわないようエリザベスカラーが着用されます。 - 角膜縫合
角膜に深い穴が空いているような場合は、角膜自体を縫合してしまうことがもあります。 - 眼球摘出
傷が大きく、眼球内部にある水晶体と呼ばれる部分が外に出ているような場合は、眼球そのものを取り出してしまうことがあります。
コメントを残す