ドッグ界の「ズゴック」 カーリーコーテッドレトリーバー
カーリーコーテッドレトリーバーとは名前のとおり、その魅力的なカーリー(巻き毛)のコート(毛皮)で知られる、活発で愛される犬種です。
彼らは素晴らしい家族の一員であり、運動能力が高く、知識欲が強いことで知られています。
その瞬間からあなたは、この美しい犬種の世界に引き込まれること間違いなし。
そのエネルギッシュな性格、信頼性、そして無限の愛情は、飼い主を魅了し、永遠に心をつかむことでしょう。
水猟犬として活躍していたカーリーコーテッドレトリーバーは、走る事も泳ぐ事も得意です。
水陸両用犬として、ドッグ界の「ズゴック」と言われています。中には「ズゴック」ではなく「ゴック」ではないかと言う声も有るとか無いとか‥‥
ここでは、カーリーコーテッドレトリーバーの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- カーリーコーテッドレトリーバーの歴史
- カーリーコーテッドレトリーバーの特徴
- カーリーコーテッドレトリーバーの健康
- カーリーコーテッドレトリーバーの食事
- カーリーコーテッドレトリーバーの運動
- カーリーコーテッドレトリーバーのしつけ
- カーリーコーテッドレトリーバーの手入れ
- カーリーコーテッドレトリーバーの価格
- まとめ
カーリーコーテッドレトリーバーの歴史
鳥猟犬や水猟犬として活躍していた犬種
水辺と一緒に働くことを愛するレトリーバーとしての遺産を持つカーリーコーテッドレトリーバーの歴史は、17~18世紀のイギリスに遡ることができます。
現存する最も古い記録は1803年というイギリスのレトリーバーの中でも「最も古いレトリーバー種」と言われている犬種です。
彼らの祖先は、その力強さと耐久性、そして巧みな水泳能力を活かして、猟師たちにとって非常に価値のあるパートナーでした。
「アイリッシュ・ウォーター・スパニエル」とは類似点が多く、さらに「ニューファンドランド」や「アイリッシュ・セッター」などをを掛け合わせて作られました。
19世紀になるとカーリーコーテッドレトリバーは、「ラブラドールレトリバー」と交配されて鳥猟犬として、また「プードル」と交配されてもともとあった巻き毛がさらにパワーアップされ、水猟犬としての能力も身につきました。
この犬種の特徴的なカーリーコートは、彼らが厳しい気象条件下でも作業を続けることを可能にしました。
また、その知性と学習能力は彼らを高度な訓練を必要とする仕事にも適していました。
当初は猟犬としての狩猟能力を高く評価されていましたが、やがて容姿の優雅な美しさと愛情深い性格から、次第に家庭犬としても人気が高まっていくことになります。
カーリーコーテッドレトリーバーはその美しい姿と卓越した能力から、イギリスの上流階級の間で人気のあるペットとなり、彼らの地位は確立されました。
1860年、イギリスのドッグショーで初めて出展され、1896年に設立された犬種クラブにより1913年にはスタンダードが成立しました。
また、この頃には、ニュージーランドやオーストラリア、アメリカにも輸出が始まりました。
しかし、20世紀の第一次・第二次大戦時には、その数は大幅に減少しました。
幸いなことに、愛好家たちの尽力により、カーリーコーテッドレトリーバーは絶滅から救われ、現在では世界中で愛される犬種となりました。
この犬種の歴史は、その困難な時期を乗り越えてきた彼らの強さと持久力を象徴しています。
時代を超えて愛され続けるカーリーコーテッドレトリーバーの歴史を知ることで、飼い主として、さらに深い絆と理解を育むことができます。
カーリーコーテッドレトリーバーの特徴
すらりとして気品のある落ち着いた性格
カーリーコーテッドレトリーバーの特徴を紹介します。
- 被毛:
特徴的なカーリー(巻き毛)な被毛があり、シングルコートですが、思いっきり密生しています。
ですので、寒むさにも比較的強いです。
色は純粋なブラックまたはリッチなレバーの単色のみが認められています。 - 顔:
知性と優しさを放つ顔立ちで、目は深く豊かな色合いの暖かな表情。
耳は小さく垂れています。 - 体格:
筋肉質でしっかりとした体格を持ち、胸は深く、脚は長くて力強い。
スラっとした体型ですが、筋肉質で逞しい体をしています。 - 尾:
尻尾はまっすぐです。
ミディアムレングスで、水中でも陸上でもバランスを保ちます。 - 性格:
知性が高く、エネルギッシュで訓練は得意です。
飼い主に対しては非常に忠実で人懐っこく、家族を深く愛する性格をしています。
カーリーコーテッドレトリーバーは、スラっとした体型ですが、筋肉質で逞しい体をしています。
耳は小さく垂れていて、尻尾はまっすぐです。
フレンドリーでもあるので、小さいお子さんのいる家庭や多頭飼いにも向いています。
また、賢い事で知られており、イギリスの犬種のスタンダードにおいて「知性を感じさせる」とわざわざ明記されるほどです。
外見 |
・体長のほうが体高よりやや長い |
性格 |
・落ち着いている |
体重 | 32~36kg |
体高 | 64~69cm |
カーリーコーテッドレトリーバーの健康
股関節形成不全や胃捻転には注意が必要
カーリーコーテッドレトリーバーの平均寿命は9~14年ほどで、一般的に健康な犬種とされています。
しかし、全ての犬種と同様に、彼らも特定の健康問題に影響を受ける可能性があります。
これらの潜在的な健康問題を理解することは、愛犬の生活を長く、健康的に保つために重要です。
カーリーコーテッドレトリーバーの健康上の問題についての主要なポイントは次のとおりです。
-
遺伝性眼疾患:
カーリーコーテッドレトリーバーは、角膜ジストロフィー、「白内障」、「眼瞼内反」および「外反」、「進行性網膜萎縮」などといった遺伝的な眼疾患に影響を受ける可能性があります。 -
股関節形成不全:
この犬種は、大型犬ですので成長時に股関節に異常を来す「股関節形成不全」に苦しむ可能性があります。
これは遺伝的な問題で、適切なブリーディングプラクティスによってリスクを軽減できます。
若いうちにしっかり運動をさせて骨格の成長を促し、筋肉をつけることは大切ですが、異常が感じられた場合は無理をさせずに早めに検査を受けましょう。 - 胃捻転:
胸の深い体型ですので、「胃捻転」が起きやすい傾向があります。
食事のドカ食いを防ぐためにも2回以上に分けて与え、食後は安静に過ごさせましょう。
胃捻転は胃が捻じれる事によって、胃の中でガスが溜まり、胃が拡張していきます。
結果、周囲の臓器を拡張した胃が圧迫してしまい、全身の血流を止めてしまいます。
ぐったりとしていたり、苦しそうにしていたら、一刻も早く病院に行きましょう。 -
心臓疾患:
大型犬種に一般的な問題で、カーリーコーテッドレトリーバーも例外ではありません。 -
肥満:
バランスの取れた食事と適度な運動は、肥満といった健康問題を予防する上で重要です。 -
定期的な健康診断と適切な栄養摂取:
愛犬の健康を維持するために、定期的な健康診断とバランスの良い食事が不可欠です。
これらのポイントを覚えておくことで、愛犬のカーリーコーテッドレトリーバーが健康で活力に満ちた生活を送ることができます。
カーリーコーテッドレトリーバーの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
カーリーコーテッドレトリーバーの食事について考える際、次のような要点が重要となります。
-
適切な量:
カーリーコーテッドレトリーバーは活動的な犬種であるため、十分なカロリーを摂取する必要があります。
しかし、食事の量が多すぎると肥満の原因になるので、適切な量を見極めることが重要です。 -
質の良い食材:
高品質のドッグフードはカーリーコーテッドレトリーバーの健康を維持する上で必要不可欠です。
必要な栄養素を確保しつつ、添加物や人工色素の少ないものを選ぶことをお勧めします。 -
年齢に応じた食事:
子犬、成犬、シニア犬で必要な栄養素やカロリー量は異なるため、愛犬の年齢に合わせた食事を提供することが重要です。 -
肥満予防:
カーリーコーテッドレトリーバーは肥満になりやすい傾向があります。
バランスの良い食事と適度な運動で体重を管理し、健康な体型を維持しましょう。 -
アレルギー:
一部のカーリーコーテッドレトリーバーは食物アレルギーを持つ可能性があります。
アレルギー反応を引き起こす可能性のある食材は避け、疑わしい症状が現れた場合はすぐに獣医師に相談してください。
以上の点を考慮に入れ、愛犬の食事管理に注意を払うことで、彼らの生活の質を高めることができます。
カーリーコーテッドレトリーバーの運動
散歩は1回1時間以上、1日2回
スタミナがある犬種なので、散歩は1回1時間以上、1日2回は行うのが理想です。
また、休日など時間がある時は、フライングディスクやドッグスポーツに挑戦したり、泳ぐことも大好きなので安全な場所で泳がせたりするのも良いでしょう。
もちろん、安全には十分に注意してあげてください。
運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
カーリーコーテッドレトリーバーのしつけ
しつけは難しくありません
賢い犬で理解力が高く、コミュニケーションが取りやすいため、しつけは難しくありません。
若いころは大変元気でバタバタすることがありますが、知的さゆえの繊細な面がありますので、力で抑え込んではいけません。
運動やトレーニングを通じて、信頼関係を育てましょう。
洞察力があり、十分な信頼関係ができれば、飼い主のよろこぶような判断ができるようになります。
人間の子どもとも相性が良く、家族と認めれば多少のいたずらにも我慢強く対応してくれます。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
カーリーコーテッドレトリーバーの手入れ
週に1~2度のブラッシング
独特の巻き毛はシングルコートで、他のレトリーバー種に比べればお手入れは簡単です。
週に1~2度のブラッシングで良いでしょう。
また、シャンプー後にドライヤーで乾かす際はカールを伸ばさないように注意しながらブラシをかけましょう。伸ばしてしまうと毛玉が出来やすくなってしまいます。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
カーリーコーテッドレトリーバーの価格
20~25万円が相場
カーリーコーテッドレトリーバーをペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20~25万円が相場になります。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 股関節形成不全や進行性網膜萎縮症に注意!
✔ 優等生な犬種⁉
カーリーコーテッドレトリーバーは、その名の通り、カールしたコートが特徴的なレトリーバー犬種です。
この犬種は、18世紀頃に英国で生まれ、当初は水辺での猟犬として使用されていました。
特徴的なカーリーコートは、防水性があり、寒冷な環境でも彼らを保護する役割を果たしています。
また、身体は筋肉質で強靭、頭脳明晰で訓練が得意なことから、ハンティングだけでなく様々なドッグスポーツにも活躍します。
主な病気としては、股関節形成不全や進行性網膜萎縮症がありますが、健康管理をきちんと行えば長寿種で、一般的には9〜14年の寿命です。
食事については、適量と質の両方に注意を払い、愛犬の体重と健康状態をチェックすることが重要です。
カーリーコーテッドレトリーバーは、その忠誠心と知性、そして友好性から、家族として飼うには非常に素晴らしい犬種と言えるでしょう。
ただし、運動量が多いため、アクティブな生活を送ることができる家庭での飼育が最適です。
カーリーコーテッドレトリーバーは、飼い主に対しては非常に忠実であるし、家族への愛情も深く、献身的です。
また、基本的にはフレンドリーであり、小さいお子さんや他の犬とも安心して接する事が出来ます。
その上、賢くしつけの飲み込みも早いとなれば、優等生と言えるでしょう。
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