犬のしつけの基本理論 完全ガイド

犬のしつけはほめて育てるが基本です。

しつけの順番

アイコンタクトボディコントロール抱っこトイレお座り待て留守番ハウス食事リードに慣らすリーダーウォークヒール


犬の初期学習と生涯学習

犬も人間同様に生まれてから死ぬまでの間に、たくさんの事を学びます。
大きく分けて初期学習と生涯学習の2つに分ける事が出来ます。

犬の初期学習(生後3~12週)

主に社会化期における犬語の学習、および人や猫など犬以外の動物への慣れを指します。

犬語の学習
「犬語」とはしっぽの振り方、相手を噛む加減、服従姿勢、支配的姿勢などの犬同士の間で通じるボディランゲージのようなものです。
通常は、犬同士で遊ばせることによって自然と学習します。
詳細は子犬の社会化期をご参照ください。

犬の生涯学習(13~14週齢以降)

「おすわり」や「トイレのしつけ」などの課題行動の習得、および問題行動の矯正を指します。
修了時期に関しては特になく、人間で言うところの生涯教育に相当します。


犬の学習パターン

犬の学習パターンは大きく分けて、【古典的条件付け】と【オペラント条件付け】の2つあります。

古典的条件付け

「古典的条件付け」とは、【パブロフの犬】に代表されるような異なる2種類の刺激を頭の中で結び付けて学習することです。
生理的反応を引き起こさないような刺激(中性刺激)を与えた後に、生理的反応を引き起こすような刺激(無条件刺激)を加え続けると、そのうち中性刺激だけで生理的反応が生じるようになるという現象を指します。

古典的条件付けの例

○ベルが鳴るその後にエサがもらえる⇒以後、ベルを聞いただけでよだれが出る。
○レモンをかじってすっぱさを経験する⇒以後、レモンを見ただけで唾液が出る

古典的条件付けの特徴は、必ずしもごほうびや罰を用いなくても成立するという点です。

オペラント条件付け

「オペラント条件付け」とは、行動とその結果の関連性を学習することです。
具体的には、ある行動をした結果、自分にとってよいことが生じると、以後、その行動に対して積極的になったり、逆に、ある行動をした結果、自分にとってよくないことが生じると、以後、その行動に対して消極的になったりする現象のことをさします。

オペラント条件付けの例

○知らない人がやって来た際、吠えたてた⇒大好きな飼い主に無視された⇒以後、来客時に吠えなくなった。
○座った瞬間に「オスワリ!」と言われた後、おやつをもらった⇒「オスワリ!」と言われると座るようになった。

その成立には快を与えるごほうび、および不快をあたえる罰が必要です。


犬にとってのごほうびと罰

犬へのごほうびについて

一般的に「えさ」や「おやつ」が犬にとって最も大きなごほうびになる傾向です。
なお、ごほうびは行動の最中や直後に与えなければ意味がありません。

また、「注目する・関心を寄せる」ということ自体が犬にとってのごほうびになるという点も重要です。
この知識がないと、知らぬ間に犬の問題行動を助長させてしまうことがあります。
たとえば、トイレ以外の場所でお漏らししたと時に、「もう!そこじゃないでしょ!」と大きな声で犬に駆け寄るなどは、実は逆効果になる恐れがあります、

犬への罰について

体罰は決して行わないでください
体罰はしつけの面でも悪影響があります。
例えば罰として、平手で叩いた場合、犬は叩かれた苦痛と「手のひら」を結びつけて覚えます。
これにより、誰かがこの犬の頭をなでようと手を出して時、犬の中では「手のひら」と苦痛が結びついていますので反射的に手に噛み付いてしまうかもしれません。
そして、何よりも可哀相です
ですから、罰は目を反らして、無関心を装う【無視】か、犬が不快に思う音を立てる【驚かせる】ことを主体とします。
ただ、【驚かせる】事はタイミングが難しく、犬がなれてしまう点などの欠点があり、次善策として覚えておきましょう。

罰を与えることの難点や有害反応

○タイミングは行動の直後 行動が発生して1秒以内に罰を与えなければなりません。
○罰には一貫性が必要 問題行動に対して罰を与えたり与えなかったりすると、それは逆効果を生む原因になります。家族全員が同じ行動を徹底する必要があります。
○刺激による過剰反応 アラーム音と電流が流れるショックカラーでしつけられた犬は、他のアラーム音を聞いても恐怖心を抱き、通常の生活の中でストレスが増大する可能性があります。
○人の存在と苦痛を結びつけてしまう 苦痛を感じた時、飼い主がいると、不快感と飼い主とをリンクしてしまうことがあります。それにより信頼関係が壊れてしまいます。

ごほうびと罰の与え方

☆犬をじらせておく
おやつ、おもちゃなどの犬が好きな刺激を、なるべく前の段階で禁欲させて欲求を高めておけば、ごほうびの威力を最大限になるはずです。
これを「遮断化」(しゃだんか)、もしくは「刺激剥奪」(しげきはくだつ)と呼びます。
ただし、あまりにも長時間に渡って禁欲を強いると、ごほうびに対する欲求が高まりすぎて、逆にしつけ効果が減少してしまうことが考えられます(ヤーキーズ・ドッドソンの法則)。
禁欲期間は最大でも24時間程度としたほうがよいでしょう。

☆一つの行動と快・不快を同居させないこと
一つの行動には快か不快のどちらか一方だけを結びつけるように注意します。
なぜなら、単純に犬が混乱するからです。
飼い主の気分で、あるときは「よくやった!」とほめたのに、あるときは無視をするなど罰を与える事です。
ほめるときと叱るときに一貫性を持たせることは、犬のストレスを軽減するという観点からも極めて重要です。

☆タイミングに気をつける
刺激の後に快や不快を与える事が鉄則です。
犬は直前2~3秒程度の行動しか覚えていられません。
行動をとった0.5~1.0秒くらい後に賞罰を与えるのが最も有効とされます。

犬に特定の行動を促す指示語(「オスワリ」など)を覚えさせる場合は、指示語は必ず行動の直前に発して覚えさせるようにします。
なぜなら、行動の後に指示語を発しても、半永久的に言葉を覚えてくれない可能性が高いです。

間欠強化(かんけつきょうか)の実施
「間欠強化」とは、ある行動に対してごほうびを与えたり与えなかったりする事により、学習した行動を継続させる事をいいます。
間欠強化によって学習した行動は、刺激に対して報酬が与えられなくなっても行動が消失しにくいという利点があります。
たとえば、しつけの段階で、ある行動の度にごほうびを与えていたが、徐々に回数を減らし、最終的には「よし!」という言葉だけにした場合でも、たまにごほうびのおやつを上げる事により、「いつかまたごほうびをもらえる」と思い、しつけた行動を実践し続けてくれます。

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