犬の眼瞼外反症～下まぶた露出していて、涙が増えたり、目やにが多くなったら～

犬の眼瞼外反症（がんけんがいはんしょう）とは、眼瞼（まぶた）が外側にめくれ上がった状態を言い、多くは下まぶたに発症します。

まぶたの内側を壁紙のように覆っている結膜（眼瞼結膜）が常に露出した状態になるため、細菌感染を起こしやすくなります。
また涙の出口である涙点（るいてん）が眼球から離れているため、涙の排水システムがうまくいかず、常に涙ぐんだ目を呈するようになります。

これにより、本来であれば保護されている部分がむき出しとなり、眼球や結膜などが乾燥して、さまざまな症状が現れます。

ここでは、犬の眼瞼外反症（がんけんがいはんしょう）の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさってください。

犬の眼瞼外反症の主な症状

犬の眼瞼外反症の主な症状としては、下まぶたの部分が通常より大きく露出するため乾燥し、涙が増えたり、目やにが多くなります。

主な症状

☆角膜炎や結膜炎の症状

☆涙が増える（流涙症）

☆目やにが多くなる

☆前足で目をこすろうとする

犬の眼瞼外反症の原因は、下まぶたの構造的な問題によるものや、外傷による引きつりなどがあります。

かかりやすい犬種
生まれつき顔の皮膚がたるんでおり、しわができやすい犬種においては生後間もなくから眼瞼外反の症状を示すようになります。
具体的な犬種は下記の通りです。

セントバーナード
 ブルドッグ
 コッカースパニエル
 クランバースパニエル
 マスティフ
 ブラッドハウンドなどです。
痩せすぎ
極端に体重が減り、眼球を入れている眼窩（がんか）と呼ばれる部分の脂肪が目減りすると、眼球自体が後ろに下がったような状態になります。
その結果、下まぶたの皮膚が余ってしまい、外反を起こしてしまうことがあります。
目の周りのたるみ
余った皮膚が眼球周辺で外反を起こすことがあります。
たるみを誘発するものとしては、老化による顔面筋肉の弱化、甲状腺機能低下症（粘液水腫）に伴う「悲劇様顔貌」、顔の筋肉をつかさどる顔面神経のマヒなどです。
眼瞼内反症の手術による皮膚の切除
眼瞼内反症に対する手術として皮膚の切除を行った際、誤って皮膚を多く切り取った状態のまま縫い付けてしまうと、今度は逆に外反が起こってしまいます。

軽度の眼瞼外反症の場合は、目に炎症などの症状が出ていないようであれば、特に治療を行わないこともあります。
一時的な結膜炎などであれば、点眼などの内科的治療を行い、経過を観察します。

併発疾患の治療
角膜炎や結膜炎を併発していることが多いため、これらの疾患治療が行われます。
点眼薬や眼軟膏
涙が外に流れ出ることが多いためドライアイになりやすく、点眼薬や眼軟膏が必要となることもあります。
まぶたの整形手術
外反の度合いがひどく対症療法が効かない場合は、まぶたの整形手術が行われることもあります。
具体的には、外反を起こしている部分の皮膚を切り取って縫い付けるなどです。