犬の胃捻転~愛犬のお腹がふくれたり、ゲップが気になったら~
犬の胃捻転(いねんてん)とは、膨れ上がった胃がねじれてしまった状態のことです。
特に大型犬に比較的多く見られますが、小型犬でも起こります。
空気を飲み込んだり胃の中でガスが異常発酵することによって病的に膨らんだ状態(胃拡張, いかくちょう)を前段階とすることもあり、その場合は「胃拡張胃捻転症候群」(GDV)と呼ばれることもあります。
最も多いのは、胃の出口とつながっている十二指腸が、おなか側を右から左に通過して右回りにねじれるパターンです。
腸がまるでロープのように胃を締め付ける結果、胃の中における食べ物の滞留、血流の悪化と炎症、周辺臓器の圧迫といったさまざまな障害を引き起こします。
ここでは、犬の胃捻転の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の胃捻転の主な症状
- 犬の胃捻転の主な原因
- 犬の胃捻転の主な治療法
- 犬の胃捻転の予防
犬の胃捻転の主な症状
胃捻転の主な症状は、はじめは普通でも。そのうちに立てなくなってきます。
最終的には、容態が急変し、最悪の場合は死に至ります。
主な症状 |
☆腹部がふくれる |
☆腹痛(触ると痛がる) |
☆嘔吐 |
☆頻繁なゲップ |
☆水を大量に飲む |
☆食欲不振 |
☆大量のよだれ |
☆えづく(吐こうとするが何もでない) |
犬の胃捻転の主な原因
犬の胃捻転の原因の詳細は、明らかになっていないのが現状です。
ただ、下記に挙げたものが発症リスクのあるものとされています。
- 食べすぎ
胃拡張は、胃袋が病的に拡大した状態です。
原因としては食べすぎ、胃の中でのガスの発酵などが挙げられます。
胃が膨らんだ状態にあると、腸と絡み合ったときなかなかほどけず、症状が重篤化する傾向にあります。 - かかりやすい犬種
中~大型犬ではグレートデン、コリー、ボルゾイ、セントバーナード、ロットワイラー、ラブラドールレトリバー、アラスカンマラミュートなどが好発品種です。
小型犬ではミニチュアダックスフント、ペキニーズ、コッカースパニエルなどが挙げられます。性差や年齢は関係ありません。 - 食後すぐの運動
胃や腸はおなかの中でがっちりと固定されているわけではありません。
大量に食べたり飲んだりした後、すぐに運動すると、おなかの中で重くなった胃があっちこっちに動き回り、腸と絡まってしまうことがあります。 - ドッグフードの成分
穀類や大豆、動物性たんぱく質などは、胃の拡張リスクは確認されなかったのですが、油分を多く含むドライフードでは、リスクが高まるという報告がされました。
犬の胃捻転の主な治療法
- 胃拡張の解消
胃にチューブを入れたり胃に太い針を刺して胃の中のガスを抜きます。 - 外科手術
重症の場合は、全身麻酔をかけて開腹し、ねじれた胃を元の位置に戻します。
ただ単に戻しただけでは、約8割の確率で再発しますので、胃の一方を固定することもあります。
また症例によっては、胃を部分的に切除して容積を減らすという手術も有効です。 - 食習慣の見直し
早食い・ドカ食いをあらためます。
一度の食事量を減らしたり、一気食いできないような食器を用いるなどの方法があります。
胃拡張を予防し、腸と絡まる確率を下げることが目的です。
犬の胃捻転の予防
- 高脂肪の食品は避けましょう。
- 食後すぐの運動は控えましょう。
- 一度に大量の食事を与えず、2~3回に分けましょう。
- 早食い防止の食器を使用しましょう。
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