優雅で品のある雰囲気のフランスの国犬 スタンダードプードル
「フレンチ・プードル」とも呼ばれるフランスの国犬でもあるスタンダードプードル。
「トイ・プードル」が人気ですが、元々はこの「スタンダー・・プードル」から始まった品のある中型犬です。
スタンダードプードル、その名が示す通り、プードル種の中で最大の体格を誇る彼らは、ただ大きいだけではありません。
知性、優雅さ、そして驚くべき適応性を兼ね備えたこの犬種は、人々を魅了し続けてきました。
彼らの長い歴史、美しいカールの毛皮、そして感情豊かな瞳からは、ただならぬ魅力が感じられます。
スタンダードプードルがどのようにして私たちの心をつかみ、家族の一員となったのか。その秘密を紐解いていきましょう。
ここでは、スタンダードプードルの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- スタンダードプードルの歴史
- スタンダードプードルの特徴
- スタンダードプードルの健康
- スタンダードプードルの食事
- スタンダードプードルの運動
- スタンダードプードルのしつけ
- スタンダードプードルの手入れ
- スタンダードプードルの価格
- まとめ
スタンダードプードルの歴史
フランスの国犬ですが、不明な事が多い犬種
スタンダードプードルの歴史は、中世のヨーロッパまで遡ることができます。
プードルはフランスの国犬ですが、起源については不明な事が多く、古くからヨーロッパ各地にみられ、原産地の特定は困難となっており、ロシアまたは中央アジア北部という説も有力です。
一般的にはフランス起源と考えられているプードルですが、実はその起源はドイツとされています。
“Pudeln”というドイツ語で「水に飛び込む」という意味が、この犬種の名前の由来となっています。
彼らは元々水辺で働く犬として飼われ、そのために水泳が得意な体形と毛皮を持つよう進化しました。
16世紀までのプードルは、荷車を引き、水猟犬としてカモ猟に使役するなどして活躍していました。
胸回りや足先など体の一部を保護するための被毛を残してカットされる独特のトリミングは、水猟犬としてのニーズから生まれたとされています。
ドイツで猟犬として働いていた彼らは、フランスでも当初は猟犬として入り、カモ猟の犬という意味の造語で「カニシュ(caniche)」と呼ばれました。
このため、彼らの毛皮は部分的に刈り込まれ、動きを妨げないようになっていました。
その一方で、体の重要な部分は厚く残されて体温を保つようになっていました。
16世紀末期から17世紀初期になると、小さく作られた「トイプードル」が、フランス上流階級の間で愛玩犬として人気を博すようになりました。
プードルはこの時期までに、すべてのサイズバラエティが存在していたと考えられています。
18世紀に入ると、スタンダードプードルはフランスの貴族たちによって愛されるようになり、ショードッグとしての地位を確立しました。
その美しい毛皮と知性が高く、訓練がしやすいという特徴から、サーカスやパフォーマンスで活躍する犬としても人気を博しました。
今日では、スタンダードプードルはその知性と友好性から、家庭犬としてだけでなく、セラピードッグやガイドドッグとしても活躍しています。
また、その優れた遺伝的特性を活かして、様々なデザイナードッグの作出にも用いられています。
その美しさと頭脳、そして適応性の高さから、スタンダードプードルは多くの人々に愛され続けています。
外見 |
・プードルはすべてのサイズバラエティにおいて、体長と体高がほぼ同じのスクエアな体型 |
性格 |
・明るく温厚で、活発 |
体重 | 16~25kg |
体高 | 45~60cm |
スタンダードプードルの健康
「アジソン病」、「クッシング症候群」などに注意!
スタンダード・プードルの平均寿命は、12〜15歳ほどで、全体的に健康な犬種ですが、以下のような一部の遺伝的な健康問題に注意が必要です。
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股関節形成不全:
「股関節形成不全」は多くの大型犬種がかかりやすい病気で、股関節が正しく形成されない病気です。
これは運動障害や痛みを引き起こす可能性があります。 -
進行性網膜萎縮(PRA):
これは視力を失う遺伝的な眼疾患で、最終的には完全な盲目につながります。
診断は難しく、初期症状がないことが多いです。 -
肥大型心筋症:
これは心臓の筋肉が異常に厚くなる病気で、心臓の機能を損ね、最悪の場合、突然死につながる可能性があります。 -
副腎皮質ホルモン過剰症(クッシング症候群):
スタンダードプードルはこの病気にかかりやすい傾向にあります。
この病気は体内でコルチゾールというホルモンが過剰に分泌される状態で、多飲多尿、食欲増進、皮膚の問題などの症状が見られます。
食欲が無かったり、急激に痩せたり、最近元気がないと思われたら、獣医に受診するようにしましょう。
急性の場合は、命の危険もありますので、速やかに行動をしましょう。 -
皮膚病:
アレルギーや皮膚感染症など、皮膚の問題にも注意が必要です。
プードルの毛皮は密集しているため、定期的なグルーミングと乾燥が必要です。 - 膝蓋骨脱臼:
膝のお皿が本来の場所からずれてしまう「膝蓋骨脱臼」にも注意が必要です。
これらの問題を防ぐためには、定期的な健康診断と適切なケアが重要です。
また、飼い始める際は信頼できるブリーダーや保護施設から入手し、遺伝的な健康問題のスクリーニングを行っていることを確認することが重要です。
スタンダードプードルの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
スタンダードプードルの健康と活力を保つためには、適切な食事が必要不可欠です。
以下に、スタンダードプードルの食事に関する注意点をいくつか挙げてみましょう。
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適切なカロリー摂取:
大型犬で活動的なスタンダードプードルは、適切なカロリー摂取が必要です。
しかし、過剰なカロリー摂取は肥満につながり、健康問題を引き起こす可能性があります。
そのため、犬の年齢、体重、活動レベルに合わせて食事量を調整することが重要です。 -
良質なタンパク質:
スタンダードプードルの筋肉を保つためには、良質なタンパク質が必要です。
肉類や魚類などの良質なタンパク源を含む食事を選ぶと良いでしょう。 -
必要な栄養素:
適切な脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を含むバランスの良い食事を提供することが重要です。
また、スタンダードプードルは骨や関節の問題になりやすいので、関節の健康を支える栄養素(例えばグルコサミンやコンドロイチン)も重要です。 -
適切な食事のタイミング:
適切な食事のタイミングは、スタンダードプードルの消化器系の健康に役立ちます。
一日に2〜3回の食事に分けることが推奨されます。 -
食物アレルギーに注意:
プードルは食物アレルギーを発症することがあります。
犬が異常な症状を示した場合(例えば、皮膚のかゆみや消化器系の問題)、すぐに獣医師に相談してください。
これらの留意点を踏まえ、スタンダードプードルの食事には適切な配慮が必要です。
適切な食事は、犬の全体的な健康と幸せに大いに寄与します。
スタンダードプードルの運動
毎日1時間程度の散歩を
美しく気品ある容姿ですが、意外と体力がありますので、出来れば毎日1時間程度の散歩はしてあげたいところです。
また、非常に賢く好奇心も強いので、少し頭を使うゲーム的な運動や、水泳も得意なので、安全な環境で水遊びなどもさせてあげましょう。
フレンドリーな性格なので、ドッグランに連れて行っても、家族外の人やほかの犬種ともトラブルなく対応してくれます。
スタンダードプードルのしつけ
しつけもすぐに覚えてくれます
貸主に従順で、とても聡明ですので、しつけもすぐに覚えてくれます。
サーカスでも活躍できるほど、訓練性能に優れています。
大変賢いですが、遊び好きでもあるので、放置すると大変ないたずら者になる可能性がありますので、服従訓練などは必ず行いましょう。
頭が良いので、物覚えも早いので、逆に飼い主の正確な指示が必要とされます。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
スタンダードプードルの手入れ
少なくとも週に2~3回はブラッシングを
シングルコートですので、抜け毛は少ないですが、毛玉になりやすいので、少なくとも週に2~3回はブラッシングを行いましょう。
シャンプーは月1回を目安に行って下さい。
また、垂れ耳ですので、定期的に耳掃除を行って下さい。
耳掃除を怠ると、「外耳炎」のリスクが高まります。
スタンダードプードルの価格
30万円前後が目安
スタンダードプードルは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、30万円前後が目安となります。
ただ、ドッグショーなどで入賞歴があるブリーダーさんですと、値段も高くなり、血統によっては70万円以上する場合もあります。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 全犬種中トップクラスの聡明さ
✔ 副腎にかかわる内分泌由来の疾患に注意
スタンダードプードルは、非常に聡明であり、ボーダーコリーに次ぐ賢さを持っているとも言われています。
飼い主に対して非常に従順でもあるので、しつけは非常にし易い犬種と言えます。
また、スタンダードプードルは、副腎皮質ホルモンに関わる疾患が多い犬種とされています。
特に「アジソン病」はスタンダードプードルに多く、最悪の場合、命の危険もある恐ろしい病気です。
特徴としては、徐々に弱っていきます。多飲多尿であったり、食欲が無くなったりしたら、速やかに動物病院へ受診するようにしましょう。
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