ワイマラナーの特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

~非常に優秀な猟犬ではあるが、甘えん坊のワイマラナー~

絹のようなスムースなコート、人間のように感情豊かなブルーグレーの瞳、そしてエレガントな姿勢で立つ姿はまさに一級の美術品のよう。
それがワイマラナー、俗に「銀色の幽霊」とも呼ばれる犬種です。
彼らは、見た目だけでなく、その知性と活力にも定評があります。
また、その深い愛情と人懐っこさから、家族の一員としての適性も非常に高いとされています。

しかしながら、その美しさと魅力の裏には、ワイマラナー特有の個性と飼い主に求められる注意点が隠れています。
ハンティングドッグとしての本能は、高い運動量と知的な刺激を必要とします。
また、人間への強い愛着から生じる分離不安も、飼い主としては理解し対策を講じるべき課題となります。

ここでは、そんなワイマラナーの特徴から、飼い方、健康管理、適切な食事についてまで、詳しく解説していきます。
ワイマラナーという犬種に魅せられた方、これから家族に迎えるか検討中の方、すでに一緒に生活しているけれどもっと彼らのことを理解したいという方に向けて、ワイマラナーとの共生をより深く、より豊かなものにするための情報を提供しますので、是非ご参考になさって下さい。



ワイマラナーの歴史

門外不出の非常に有能な狩猟犬として誕生

ワイマラナーは、19世紀初頭にドイツのヴァイマル大公カール・アウグストが開発した犬種で、特異な美しさと優れたハンティング能力から「銀色の幽霊」の異名を持ちます。
大公は、ハンティングのパートナーとして最も完璧な犬を育成することを目指しました。
そのため、ワイマラナーは、シカやクマなどの大型の動物の狩猟だけでなく、優れた追跡能力と抜群の知能を兼ね備えています。
高貴な容姿も含めた完璧な猟犬を求め、「ブラッドハウンド」、「ジャーマン・ポインター」などが掛け合わされたと推測されていますが、秘密裏に交配が行われたため、詳細は謎のままです。

当初は、この犬種の所有は貴族に限定されており、そのためワイマラナーは非常に純粋な血統を保っています。
犬種基準に合わない子犬は処分され、現在では人気のロングヘア―の個体も排除されていました。
20世紀直前まではワイマラナーの情報が外部に漏れないように徹底されており、実際それまでは、ドイツ以外の国に現れる事なく、ドイツに独占されていました。
その高貴な起源と特異な美貌から、彼らはしばしば美術や写真の被写体としても用いられてきました。

20世紀初頭になると、ワイマラナーはドイツからアメリカに渡り、その美しさとハンティング能力が評価され、アメリカケネルクラブ(AKC)にも認定されました。
これ以降、ワイマラナーはハンティングドッグとして、また家庭でのペットとして、世界中で愛される存在となりました。

そのシルバーグレーのコートと、ほとんど人間のような魅力的なブルーグレーの目、そして優雅な姿勢から「銀色の幽霊」の名で知られるワイマラナーは、その起源から現在まで、我々にその魅力を見せつけてやまない犬種です。

現在では、ワイマラナーは見た目の美しさからドッグコンテストやアジリティ競技などでも優秀な成績を収めるなど、その能力の高さからも人気のある大型犬です。

ワイマラナー

ワイマラナーの特徴

筋肉質で引き締まったカッコイイ犬種

ワイマラナーはその優雅な美しさと活気溢れるパーソナリティで知られていますが、その特徴は見た目だけではありません。
その本質を理解することで、ワイマラナーとの共生をより良いものにする手助けになるでしょう。

  1. 美しい外観:
    ワイマラナーはその美しい銀色のショートコートと鋭いブルーグレーの瞳で有名です。
    そのエレガントな体形と筋肉質な体つきは、彼らが活動的なハンティングドッグであることを物語っています。

  2. 知性と活発さ: ワイマラナーは、その頭の良さと敏捷性から高い評価を受けています。
    彼らは新しいことを学ぶのが得意で、様々な訓練やアクティビティに対応可能です。

  3. 社交性:
    ワイマラナーは、その人懐っこさと忠誠心から、家族の一員としての役割を果たすことが得意です。
    しかし、その愛情深さは、飼い主がいないときに分離不安を引き起こすこともあります。
    神経質で繊細な部分もありますので、お留守番のしつけは必須でしょう。

  4. 活動的な性格:
    ワイマラナーは、元々狩猟犬としての本能を持つため、高い運動量と知的な刺激を必要とします。
    これらのニーズが満たされないと、ストレスを感じ、破壊的な行動をとることもあります。

これらの特徴を理解し、飼い主として適切な対応とケアを提供することが、ワイマラナーとの幸せな生活の鍵となります。

外見

・筋肉質で引き締まった体型
・長い脚も有している
・耳は垂れ耳
・目は小さく、瞳の色は明るいアンバー、ブルー・グレー、グレーのいずれか
・被毛は基本的には短毛ですが、まれにロングヘアーの個体も存在
・カラーはシルバーやグレーの毛色に、わずかな白斑は許されますが、白以外の斑は公認されません

性格

・非常に活発
・とても賢く、状況判断力に優れている
・飼い主には忠実で従順
・普段は穏やかですが、いざという時は勇敢さも見せてくれる
・とても寂しがり屋な面がある

体重  30~40kg
体高  59~70cm

ワイマラナーのロングヘア

~一般的には珍しいロングヘア~

元々、ドイツのみで繁殖されていた当時は、稀に生まれてくるロングヘアは処分されていました。
今でもワイマラナーはショートヘアが基本ですが、やはり稀にではありますがロングヘアが生まれてきます。

ロングヘアとは言ってもショートヘア比べて、全身の毛は少し長くなった程度です。
耳は長毛に覆われているのが特徴的で、ショートヘアよりも可愛らしい印象です。
また、ショートヘアーと比べて後頭部が出ていて、頭部の外見に威厳を感じます。

ワイマラナーの健康

胃捻転になり易い犬種

ワイマラナーの平均寿命は、10〜12年前後です。
健康的な生活を送るためには、ワイマラナーの健康状態について知ることが重要です。
彼らは基本的に健康的な犬種ですが、特定の病気にかかりやすい傾向があるため、飼い主としてそれらの病気を理解していることが求められます。

  1. 股関節と肘関節形成不全:
    股関節形成不全」や「肘関節形成不全」は大型犬種に一般的な問題で、ワイマラナーも例外ではありません。
    これらの病気は痛みを引き起こし、歩行困難や関節炎を引き起こす可能性があります。
    適切な運動と栄養管理で、これらの問題のリスクを低減することができます。

  2. 胃捻転:
    これは大型犬種に一般的な問題で、食事後の過度な運動や一度に大量の食事を摂ることで引き起こされます。
    胃捻転」死に直結する恐ろしい疾患ですので、注意が必要です。
    胃捻転は胃が捻じれる事によって、胃の中でガスが溜まり、胃が拡張していきます。
    結果、周囲の臓器を拡張した胃が圧迫してしまい、全身の血流を止めてしまいます。
    ぐったりとしていたり、苦しそうにしていたら、一刻も早く病院に行きましょう。

  3. 眼病:
    白内障」や「眼瞼内反症」などの眼病にも注意が必要です。

  4. 分離不安:
    ワイマラナーは非常に社交的な犬種で、一人にされることを好みません。
    これはストレスとなり、破壊的な行動や過度の吠えを引き起こす可能性があります。
    この問題を防ぐためには、飼い主がいない時間でも快適に過ごせる環境を整えることが重要です。

ワイマラナーのこれらの健康問題を理解し、それぞれの予防策や管理方法を知っていれば、愛犬の健康的な生活をサポートできます。
適切なケアと定期的な獣医師のチェックが、長く幸せな生活を送るための重要なステップとなります。

ワイマラナーの運動

思いっきり走らせてあげて下さい

運動欲求が高い犬種ですので、最低でも朝夕1時間ずつの毎日2時間程度の散歩が必要です。
また、ただ歩くだけでは満足させる事は出来ないので、飼い主もジョギングしながらや自転車での並走が良いでしょう。
時にはドッグランなどで思いっきり走らせてあげられる機会も必要です。
そうでなければ、運動不足によるストレスから、破壊行動などの問題行動に発展することがあります。

飼い主と一緒に遊ぶ事こ好きですので、頭を使うゲームなどもやってあげると喜ぶでしょう。

もし、ワイマラナーの運動欲求に応えられる自信がないのであれば、飼うのは諦めたほうが良いです。

ワイマラナーのしつけ

主従関係さえ築けば楽

ワイマラナーは、とても賢く訓練性能は高いです。
飼い主には非常に忠実で従順なので、主従関係さえ築くことができれば、しつけは難しくありません。

ただ、神経質な性格でもあるので、なるべく早い段階から社会性を身に付けさせる為に様々な人や犬たちとの交流をさせるようにしましょう。

飼い主は主従関係をはっきりさせる為にも、攻撃的な行動を取ろうとしたとき毅然とした態度で接して下さい。
ただ、やや繊細な面があるので、子どもとの相性はいまいちです。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

ワイマラナーの手入れ

お手入れはとても楽!

ワイマラナーは手入れが比較的容易な犬種の一つですが、それでも定期的なケアが必要です。
ここでは、ワイマラナーの美しく健康的な状態を保つための主な手入れ方法をご紹介します。

  1. ブラッシング:
    ワイマラナーの短く光沢のあるコートは週に一度程度のブラッシングで十分です。
    ブラッシングにより死んだ毛を取り除き、皮膚の健康を促進します。
    換毛期には、日常的なブラッシングが必要になるかもしれません。

  2. 耳のケア:
    ワイマラナーは耳が下に垂れるタイプなので、耳の中が潤いすぎて耳の感染症を引き起こす可能性があります。
    週に一度、耳の清潔さと臭いをチェックし、必要に応じて耳掃除を行ってください。

  3. 歯のケア:
    歯石や歯周病を防ぐため、週に数回のブラッシングが推奨されます。
    また、定期的な専門的なデンタルケアも考えてみてください。

  4. 爪のトリミング:
    ワイマラナーの爪は比較的早く成長します。
    鋭い爪は痛みを引き起こす可能性があるため、定期的にトリミングが必要です。

  5. シャンプー:
    シャンプーは月1〜2回程度してあげてください。
    また、寒い日には、服を着させるなど、対応してあげましょう。

これらの手入れを習慣的に行うことで、ワイマラナーの健康と美しさを維持し、彼らとの共同生活をより楽しむことができます。

まとめ

✔ 品のある美しさとハイスペックな大型犬
✔ 胃捻転には要注意
✔ 運動量は豊富に必要

ワイマラナーは何といっても品のある美しい姿が魅力でしょう。
元々、貴族などの上流階級のみが飼う事を許された犬種でもあり、その美しい外見だけではなく、知性や運動能力もレベルが高いです。
精悍な見た目と違って、甘えん坊でやんちゃな性格です。

他の犬種と比べて、ワイマラナーは胃捻転に注意が必要な犬種でもあります。
胃捻転は命を落とすこともある危険な疾患ですので、十分に注意して下さい。
具体的には、食事のドカ食いを防ぐためにも2回以上に分けて与え、食後は運動を控え、安静に過ごさせましょう。

元々は優秀な猟犬であった事もあり、体力が豊富であり、運動量はかなり必要です。
優雅に歩いて散歩をするというよりは、ジョギングしながらの並走か自転車との並走をさせると良いでしょう。
時折、思いっきり走らせる為にも、ドッグランに連れていくと喜びます。

ワイマラナーは、とても賢くしつもし易いですが、豊富な運動量を満足させられるかがポイントになるでしょう。
毎日2時間程度の散歩が必要ですので、時間的にゆとりがあって、体力もある方でないと飼うのは難しいです。

とても魅力的な犬種でありますが、何よりも犬の幸せを第一に考えて、飼えるかどうかを判断する必要があります。

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