ジャーマンワイアーヘアードポインターの特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

狩猟のあらゆる役割をこなせる万能犬 ジャーマンワイアーヘアードポインター

名前の通りドイツ原産の狩猟犬であり、泳ぎも得意な何でもこなせる万能犬種のジャーマンワイアーヘアードポインター。
雄大な自然を駆け巡り、野生の獲物を巧みに追い詰める姿が印象的な犬種です。
その名の通り、独特のワイアー(硬い)毛質と狩猟犬としての優れた能力を持つこの犬種は、その一方で愛らしい性格と強固な忠誠心を秘めています。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの魅力について、詳しく見ていきましょう。
ここでは、ジャーマンワイアーヘアードポインターの誕生した背景・歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方などがここにあります。



ジャーマンワイアーヘアードポインターの歴史

ドイツが生んだ万能の猟犬

ジャーマンワイアーヘアードポインターの歴史は、19世紀のドイツまでさかのぼります。
それは、狩猟のパートナーとして万能な犬を求める猟師たちの願望から生まれた犬種です。
彼らの要求は明確で、犬は水陸両方の獲物を追い詰め、また、獲物を見つけて指し示す能力が必要でした。

元となるワイアーヘアのポインター犬種はドイツ国内に古くから数種類存在していました。
19世紀後半にドイツ原産の優秀なワイアーヘアのポインター犬種を作るため、「ジャーマン・ショートヘアード・ポインター」や「プードル」などの様々な犬種が交配に使われました。
これらの犬種を組み合わせることで、強靭な体格、優れた追跡能力、そして独特のワイアー毛質を持つ新たな犬種、ジャーマンワイアーヘアードポインターが誕生したのです。
その結果、狩猟本能が高く、悪天候や悪環境に強い優秀な犬種として19世紀末に誕生したのが「ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター」です。

この犬種は、その名が示すように、ドイツ生まれの犬種であり、その頑丈さと多機能性から、すぐに狩猟犬としての地位を確立しました。
また、その性格の良さと忠誠心から、家庭犬としても広く受け入れられました。

ドイツが生んだ万能の猟犬と言われ、鳥から小動物まであらゆる猟に適しており、様々な動物の追跡、ポイント、仕留め、回収をこなすことができます。
しかし、あまりにも優秀なために猟師が暇になってしまい、猟に本来使うべきレトリーバーや猟銃の需要が減ってしまうのではないかということが問題視され、ドイツ国内ではあまり人気が出ずに絶滅の危機にさらされてしまいました。

20世紀に入ると、この犬種はアメリカにも紹介され、その優れた能力からアメリカの猟師たちにも愛されるようになりました。
それ以降、ジャーマンワイアーヘアードポインターは世界各地で愛される犬種となり、その地位を確立しています。

過酷な環境下で働くことを要求された歴史から、ジャーマンワイアーヘアードポインターは非常にタフで、同時に賢くて訓練に向いた犬種として知られています。
また、その親しみやすさと愛情深さから、家族の一員としても最適な犬種です。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの特徴

硬く短いワイアーコートに覆われた愛情深くて明るい犬種

ジャーマンワイアーヘアードポインターは、その名の通り、独特なワイヤー状の被毛が特徴的な犬種で、強健な体格と知性、そして狩猟犬としての素晴らしい能力を兼ね備えています。

  1. 外見:
    顔には特徴的な眉毛とひげがあり、それがこの犬種を他の犬種と区別する重要な特徴となっています。
    体格は筋肉質で、力強さを感じさせるもので、大きさは中から大型で、オスは肩高約61-68cm、メスは約57-64cmです。
    筋肉質でスラリとしたバランスの良い体型をしています。

  2. 被毛:
    彼らの被毛はダブルコートで耐水性にも優れています。
    厚く、しっかりとしたワイヤー状で、その色合いは通常、細かく白毛が混じったブラウンローンまたはブラックローン、またはブラウンのような地味な色合いです。

  3. 性格:
    一般的に、ジャーマンワイアーヘアードポインターはとても親しみやすく、愛情深い犬種です。
    家族との絆を深く重んじ、特に子供たちとはよく遊びます。
    彼らはまた、他の犬やペットとも一般的にはうまくやっていきますが、その狩猟本能から、小動物に対しては追いかける傾向があります。

  4. 知性と訓練の適応性:
    この犬種は、非常に聡明で、訓練に非常に適しています。
    彼らは独立した思考をすることができ、問題解決能力があります。
    訓練は若いうちから始め、一貫性と優しさを持って行うことが重要です。

  5. エネルギーと運動需要:
    この犬種は非常に活発で、毎日の適度な運動が必要です。
    彼らは長い散歩やハイキング、ランニング、そしてもちろん狩猟を楽しむでしょう。
    運動不足はストレスや行動問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

彼らの魅力的な性格と能力は、適切な家庭環境とケアがあれば、素晴らしい家庭の一員となることでしょう。
その特徴的な外観と愛らしい性格は、多くの犬好きの心を捉えてやまないのです。
ジャーマンワイアーヘアードポインター

外見

・全身を硬く短いワイアーコートが覆っており、丈夫で茨や雨をしのぐことが出来る
・眉毛や顎ひげ、胸の毛は長め
・筋肉質の引き締まった体型
・マズル・脚・胴・尾は長め
・目はつぶら
・耳は垂れ耳
・尾は先細りの飾り毛の無いサーベル形の垂れ尾
・毛色はレバーの単色かレバー・アンド・ホワイト、またはレバーローンを地色として、レバーの斑が入ったものの3パターン

性格

・従順で愛情深い
・明るく、勇敢
・狩猟本能が高い
・少々頑固な一面も
・警戒するとよく吠えるので番犬にも向いている

体重  25〜30kg
体高  57〜68cm

ジャーマンワイアーヘアードポインターの健康

「股関節形成不全」には注意

ジャーマンワイアーヘアードポインターの平均寿命は12~14年ほどで、基本的に健康な品種と言われていますが、いくつかの病気に対して特有の感受性を持つ可能性があります。
これらの可能性を認識し、適切な健康管理を行うことで、彼らの長寿と活力を維持することができます。

  1. 股関節と肘関節の異常:
    成長時に股関節に異常を来す「股関節形成不全」など、多くの大型犬が共通して抱える問題で、適切な運動と栄養、そして遺伝的な要素が影響します。
    健康な親犬から子犬を選ぶこと、そして肥満を避けることで、これらの関節問題のリスクを低減することが可能です。
    歩き方が不自然であったり、歩きたがらないような場合は、速やかに動物病院へ受診するようにしましょう。

  2. 皮膚疾患:
    特に、皮膚の下にたくさんの皺があるジャーマンワイアーヘアードポインターは、皮膚炎を起こしやすいです。
    これは適切な皮膚ケアと定期的な健康チェックで管理することができます。

  3. 眼疾患:
    この品種は特に「進行性網膜萎縮症(PRA)」という遺伝性の眼疾患に対するリスクがあります。
    定期的な眼科検査を行い、必要な場合は早期治療を行うことが重要です。

  4. 心臓疾患:
    これらの犬は心臓の問題、特に「僧帽弁閉鎖不全」などの僧帽弁疾患にかかるリスクがあります。
    定期的な獣医師のチェックアップが心臓の健康を維持する上で重要です。
    また「拡張性心筋症」も注意が必要で、悪化すると「心不全」になり突然死することもある危険な病気です。
    無気力・落ち着きがない等の症状がみられたらすぐに病院で診察を受けてください。

  5. 外耳炎:
    垂れ耳ですので「外耳炎」になりやすいです。耳掃除を定期的にしてあげてください。

これらの健康上の問題はいずれも適切なケアと注意により管理可能です。ジャーマンワイアーヘアードポインターの健康と幸せを最優先にするためには、定期的な獣医師の健康診断と適切な生活環境が必要です。この愛らしい、活動的な友達が一緒に過ごす日々を最大限に楽しむための秘訣です。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

ジャーマンワイアーヘアードポインターは、その活発さと高いエネルギーから、良質な栄養と適切な食事量が必要な品種です。
彼らの健康と活力を維持するためには、以下の食事上の注意点を心に留めておくと良いでしょう。

  1. バランスの良い食事:
    ジャーマンワイアーヘアードポインターは筋肉質で活発な犬種なので、高品質なプロテインを主成分とする食事が必要です。
    さらに、彼らのエネルギーを維持するためには適量の良質な脂質も必要です。
    また、ビタミンとミネラルを含む野菜や果物を摂ることで、全体的な健康と免疫力を保つことができます。

  2. 食事量の管理:
    この犬種は食事に対する熱心さから、過食傾向になることがあります。
    適切な体重を維持するためには、適切な食事量と定期的なエクササイズが重要です。
    食事の量は、犬の年齢、体重、活動レベルによって調節することが必要です。

  3. 食事回数:
    幼犬の頃は1日3回、成犬になったら1日2回の食事が推奨されます。
    また、食事後の激しい運動は胃捻転のリスクを高めるため避けるべきです。

  4. アレルギー:
    一部のジャーマンワイアーヘアードポインターは食物アレルギーを持つことがあります。
    アレルギーの兆候(皮膚のかゆみや消化不良など)が見られた場合は、獣医師に相談し、必要なら食事を調整してください。

  5. 人間の食事の与えすぎに注意:
    チョコレートやカフェイン、ブドウ、レーズン、ニンニク、タマネギなど、犬に有害な食材を含む人間の食事は与えないように注意が必要です。

  6. 年齢に合わせた食事:
    子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
    また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。
    「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの食事管理は、その活発さとエネルギーを保つために重要な役割を果たします。
適切な食事は彼らの健康維持だけでなく、毛並みの美しさや活力の源ともなります。
愛犬の健康と幸せを最優先に考え、食事管理にきちんと注意を払いましょう。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの運動

毎日2回各1時間ずつ程度の散歩

体力のある犬種なので運動量は多く必要です。
毎日2回各1時間ずつ程度の散歩が適切です。
ランニングや泳ぎも得意なのでスイミング、フリスビーキャッチのように体を思いっきり動かせる運動をさせると喜んでくれます。

運動不足はストレスが溜まり、破壊行動を引き起こしますので注意しましょう。

ジャーマンワイアーヘアードポインターのしつけ

きつく叱らずほめて伸ばす

根気よく主従関係を教え服従訓練を徹底させる事が必要です。
きつく叱らずほめて伸ばす事を心がけることで、高度な訓練もすぐにこなせるようになります。

猫や他の小動物を見ると狩猟本能が刺激されて追いかけてしまうことがあります。
散歩の際にはリードをしっかりと持ってください。
オス同士だと特に興奮して攻撃的になるので、多頭飼いもおすすめできない犬種です。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

ジャーマンワイアーヘアードポインターの手入れ

週2回程度、硬いブラシを使ったブラッシング

被毛の手入れは比較的簡単で、週2回程度、硬いブラシを使ったブラッシングで十分です。

また、垂れ耳なので、「外耳炎」予防のためにも、定期的に耳掃除を心掛けましょう。

シャンプーは月1回を目安に行って下さい。

ジャーマンワイアーヘアードポインターの価格

20~30万円が目安

ジャーマンワイアーヘアードポインターは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20~30万円が目安となるでしょう。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ 愛情深く、飼い主に従順
✔ 股関節形成不全や心疾患のリスク

ジャーマンワイアーヘアードポインターは、その起源を19世紀のドイツに持つ、優れた猟犬であり家庭犬です。
家族に対して深い愛情を示してくれ、特に飼い主に対しては非常に従順ですので、飼い主のために何かをしようという意欲が旺盛です。
その為、優秀な猟犬として有名な犬種ですが、家庭犬としても何ら問題はありません。

独立心旺盛で頭が良く、その身体は筋肉質で活発な運動を楽しむことができます。

毛並みは硬くて短いワイヤー状で、特徴的な顔つきを持ちます。

健康面では、一部の個体に股関節形成不全や心疾患のリスクがありますが、全般的には丈夫な品種です。

食事は高エネルギーな彼らの体調管理に大いに影響しますので、バランスの取れた食事と適度なエクササイズを心掛け、人間の食事を与え過ぎないよう注意が必要です。

最後に、ジャーマンワイアーヘアードポインターの健康と食事については定期的に獣医師と相談することが重要です。

ジャーマンワイアーヘアードポインターは、家族に対して深い愛情を示してくれ、特に飼い主に対しては非常に従順ですので、飼い主のために何かをしようという意欲が旺盛です。
その為、優秀な猟犬として有名な犬種ですが、家庭犬としても何ら問題はありません。

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