ドッグ界の「スーパーヒトシ君」 アナトリアンシェパード
遥かトルコの壮大な平原からやってきたアナトリアンシェパード。
その力強い姿と忠実な心は、世界中のドッグラバーを惹きつけて止まない。
体もかなり大きく、足も速くて力も強いという非常に頼もしいアナトリアンシェパード。
映画「ワイルド・スピード」シリーズの「ドウェイン・ジョンソン」さんを思わせる雰囲気がある。
日本人で言えば、「世界ふしぎ発見!」でお馴染みの「草野仁」さんあたりかな?
ボッシュート!
この豪快ながらも愛情深い犬種は、その歴史と独特の性格、そしてそのための飼育に関する重要な情報を押さえることで、最高のパートナーとなること間違いなし。
さあ、このアナトリアンシェパードという犬種の奥深い世界を一緒に探検してみましょう。
ここでは、アナトリアンシェパードの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- アナトリアンシェパードの歴史
- アナトリアンシェパードの特徴
- アナトリアンシェパードの健康
- アナトリアンシェパードの食事
- アナトリアンシェパードの運動
- アナトリアンシェパードのしつけ
- アナトリアンシェパードの手入れ
- アナトリアンシェパードの価格
- まとめ
アナトリアンシェパードの歴史
遊牧民と生活を共にしてきた護畜犬
アナトリアンシェパードは、その名の通り、トルコのアナトリア地方で古代から飼育されてきた非常に古い歴史を持つ犬種です。
その歴史は数千年にわたり、その間、彼らは家畜を守るための忠実な番犬として役立ってきました。
その強靭な体と警戒心の強さは、厳しい気候と野生の捕食者から羊を守るために必要なものでした。
因みに、「シェパード」は、『羊飼い』を意味します。
アナトリアンシェパードの祖先は、中央アジアから来た犬と、ローマ帝国時代のモロサス犬と考えられています。
それにおよそ6000年前からトルコのアナトリア半島に存在していたとされる超古代犬種「ジョパン・コペギ」というトルコ原産の護畜犬種などが自然交雑する事により、出来上がった犬種と言われています。
この強靭で勇敢な種の犬は、家畜を守るための番犬として、そして戦場で戦士と共に戦うための犬としても使われました。
20世紀に入り、アナトリアンシェパードはアメリカとイギリスに紹介され、彼らの忠誠心と働き者の性格が評価されるようになりました。
現在では、彼らは家庭犬として、また、農場や牧場での仕事犬としても広く飼われています。
アメリカでも護畜犬として活躍するようになり、1996年にはアメリカケネルクラブ(AKC)でも正式に認められました。
その古代からの豊富な歴史と経験は、アナトリアンシェパードを力強く、頼りがいのある、そして愛する人々を守ることに献身的な犬種に育て上げました。
それらの特性は、アナトリアンシェパードが今日、我々の家庭で愛され続ける理由の一つであり、その力強さと忠誠心を持つこの犬種の魅力を引き立てています。
アナトリアンシェパードの特徴
筋肉質で頑丈な体格で、見知らぬ人や動物に対して強い警戒感
アナトリアンシェパードは、その体格、性格、そして持久力から見て、さまざまな特徴が認められます。
以下にその主な特徴を箇条書きで列挙します。
-
大きな体格:
アナトリアンシェパードは超大型犬であり、成犬の体重は通常50-65kg、肩高は63-79cmに達します。
威厳があり、風格を漂わせるその体格は骨太で非常に筋肉質であり、頼もしいの一言です。 -
厚いコート:
この犬種の被毛はダブルコートで、その下のコートは季節によって変化します。
外側のコートは厚くて硬いですが、内側のコートは柔らかくて暖かいです。
カラーは特に規定はなく様々で、ホワイトクリームやフォーン(明るい茶色)の他にセサミ(ゴマ柄)や斑点の子もいます。 - 顔付き:
耳は三角の大きな垂れ耳で、マズルは尖っておらず、優しい顔をしています。 -
力強さと持久力:
アナトリアンシェパードは強力で筋肉質な体を持っています。
当然ながら運動能力も高く、走るのも速く力も熊とも戦えるくらい非常に強いです。
彼らは長時間にわたり一定の速度で動き続けることができ、これは家畜を守る彼らの役割から来ています。 -
忠誠心:
アナトリアンシェパードは家族に非常に忠実で、自分たちが守るべきものに対して強い保護本能を持っています。
見知らぬものに対しては警戒心が強く、彼らは異常な行動や侵入者をすぐに察知します。
番犬としてはこの上ないほど優秀です。 -
独立性:
アナトリアンシェパードは自己判断能力が非常に高く、それは長い間一人で家畜を守ってきた彼らの歴史から来ています。
それ故に、しっかりとした訓練とガイダンスが必要です。 -
社交性:
適切に社会化されたアナトリアンシェパードは、他の犬や動物と一緒に過ごすことができます。
しかし、彼らは自分の領地を侵す動物に対しては防衛的になります。
元々は攻撃的な性格ではなく、普段はおっとりとした扱いやすい犬種です。
これらの特徴がアナトリアンシェパードを特別な存在とし、適切な環境とケアがあれば、彼らは優れた家庭犬や仕事犬となります。
外見 |
・筋肉質でがっしりとした体格 |
性格 |
・飼い主に対して非常に従順 |
体重 | オス⇒ 50~68kg / メス⇒ 36~54kg |
体高 | 63~79cm |
アナトリアンシェパードの健康
「股関節形成不全症」や「胃捻転」に注意
アナトリアンシェパードの平均寿命は11~13年ほどで、一般的に健康な犬種であり、適切なケアと栄養を与えることで長生きします。しかし、すべての犬種と同じく、特定の健康上の問題に対する遺伝的な体質が存在します。
以下にその主なものを列挙します。
-
股関節と肘関節形成不全:
これは多くの大型犬種で見られる症状で、関節の異常による疼痛と不快感を引き起こします。
成長時に股関節に異常を来す「股関節形成不全」や肘関節に異常を来す「肘関節形成不全」には注意が必要です。 - 胃捻転:
特に大型犬が起こしやすい「胃捻転」は死に直結する恐ろしい疾患ですので、注意が必要です。
食事のドカ食いを防ぐためにも2回以上に分けて与え、食後は安静に過ごさせましょう。
胃捻転は胃が捻じれる事によって、胃の中でガスが溜まり、胃が拡張していきます。
結果、周囲の臓器を拡張した胃が圧迫してしまい、全身の血流を止めてしまいます。
ぐったりとしていたり、苦しそうにしていたら、一刻も早く病院に行きましょう。 -
仮性過剰副甲状腺症:
これはカルシウムとリンのバランスが崩れる病気で、腎臓病を引き起こす可能性があります。 -
心疾患:
一部のアナトリアンシェパードは心疾患に対する遺伝的な傾向を持つ可能性があります。 -
エンドロピオン:
これはまぶたが内側に巻き込む状態で、目に不快感や痛みを引き起こす可能性があります。 -
ヒップディスプラジア:
これは大型犬種で一般的に見られる骨関節疾患で、股関節の形成不全により歩行困難を引き起こすことがあります。
これらの疾患は全てのアナトリアンシェパードに見られるわけではありませんが、飼い主としては知っておくことが重要です。
定期的な健康診断と獣医師との密接なコミュニケーションを保つことで、これらの問題を早期に発見し、必要な治療を受けることが可能です。
アナトリアンシェパードの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
アナトリアンシェパードは大型犬種であり、その体格とエネルギーレベルを維持するためには適切な食事が必要となります。
以下に、アナトリアンシェパードの食事に関して留意すべきポイントを列挙します。
-
高品質な犬用フード:
高品質な犬用フードは適切な栄養素を提供し、体格維持、健康維持に寄与します。
大型犬種向けのフードを選ぶことで、彼らの特別な栄養ニーズを満たすことができます。 -
肥満予防:
大型犬種は肥満になりやすい傾向があります。
これは関節への過剰な負担や他の健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な量のフードを与え、適度な運動を確保することが重要です。 -
タンパク質の摂取:
アナトリアンシェパードは筋肉質で強健な体を持っており、これを維持するためには高品質のタンパク質が必要となります。 -
年齢に応じた食事:
子犬、成犬、老犬とで栄養ニーズは変化します。
それぞれのライフステージに適した食事を提供することが重要です。 -
大型犬種特有の栄養素:
大型犬種は関節への負担が大きいため、関節の健康を支える栄養素(例えばグルコサミンやコンドロイチンなど)を含む食事を選ぶと良いでしょう。
アナトリアンシェパードにとって、適切な食事は健康と活力の維持に必要不可欠です。
そのため、何を、どのくらい与えるべきかについては獣医師と相談することをお勧めします。
アナトリアンシェパードの運動
屋外の広い敷地が必要
毎日散歩に連れて行くだけでは不十分です。
一人で徘徊することが好きで、屋外の広い敷地で、自由に歩ける状態にしてあげる必要があります。
走ったり散歩することを好みます。
運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
アナトリアンシェパードのしつけ
強いリーダーシップが必要
飼い主には強いリーダーシップが求められます。
しつけは一貫した姿勢で、威厳を持った態度で臨む必要があります。
力もとても強く超大型犬でもあるので、問題行動を起こすと手がつけられなくなる可能性もあります。
プロのトレーナーの手を借りながら、充分にしつけを行ってから飼うのがオススメです。
また、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。
愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
アナトリアンシェパードの手入れ
週に3~4回のブラッシング
抜け毛が多いので週に3~4回のブラッシングが必要です。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
アナトリアンシェパードの価格
海外のブリーダーさんから輸入する方法がメイン
アナトリアンシェパードをペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、海外のブリーダーさんから輸入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、諸経費込みで50~70万円が相場となります。
ただ、海外からの輸入となると、犬の体に大きな負担が掛かります。
ましてや子犬となると、そのストレスは心身共に非常に大きなものとなるでしょう。
海外から輸入してまでの飼育はあまり考えない方が良いでしょう。
まとめ
✔ 超大型犬なので、十分な広さの飼育環境が必要
✔ 股関節と肘関節形成不全に注意
特徴的な点としては、大きな体格、厚くて硬いコート、まっすぐで立派な尾、そして優れた護衛本能が挙げられます。
その一方で、アナトリアンシェパードは適切な社会化と訓練を必要とするため、経験豊富な犬の飼い主に最適な犬種と言えます。
健康面では、股関節と肘関節形成不全、仮性過剰副甲状腺症、心疾患、エンドロピオン、ヒップディスプラジアなどの問題に注意が必要です。
これらは全ての個体に見られるわけではありませんが、飼い主としては知っておくべき重要な情報です。
食事については、高品質な犬用フードを与え、肥満予防に気を付けることが必要です。
また、彼らの筋肉質な体を維持するためには高品質のタンパク質が重要で、大型犬種特有の栄養ニーズにも配慮した食事を与えることが推奨されます。
全体として、アナトリアンシェパードはその体格と知性、そして愛情深さから家族の守護者となり得る犬種です。
その一方で、その大きさと護衛本能からくる課題もあり、飼うには適切な訓練とケアが必要です。
アナトリアン・シェパード・ドッグは超大型犬であり、成犬の体重は通常40〜70キロ程度になります。
そのため、飼い主にとっては、十分なスペースと運動量を確保する必要がありますので、その辺りをクリアできないようであれば、飼育はしないで下さい。
コメントを残す