セントバーナードの特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

心優しきアルプスの象徴 セントバーナード

皆さんは穏やかな巨人をご存知ですか?
その名も「セントバーナード」です。

「アルプスの少女ハイジ」にも登場する大きな体で心優しい大型犬のセントバーナード。
アルプスの雪山での遭難者を救助する役割を担っていた事からも優しい性格が窺い知れるでしょう。
この犬種は、彼らの大きな体格と慈悲深い性格から、山岳救助犬としての名声を築きましたが、それだけではありません。
彼らはまた、優れた家族犬でもあるのです。
親切で忍耐強く、子供たちと遊ぶのが大好きなこの巨大なフレンドリーな犬種について、ここではその全てをご紹介します。

彼らの起源から、その健康状態、食事の仕方、さらにはどのようにケアすべきかまで。
セントバーナードについて知りたいすべてがここにあります。



セントバーナードの歴史

雪中遭難救助犬として有名

セントバーナードはその名前が示す通り、スイスのグレートセントバーナード峠の修道院で育てられ、開発された犬種です。
セント・バーナードはスイス原産であり、スイスの国犬でもあります。

1887年に開催された国際畜犬連盟(FCI)の会議にて、スイス原産の犬種として正式に認められました。

2世紀頃にローマ帝国軍の軍用犬としてアルプスに持ち込まれたマスティフ系の「モロシア犬」が祖先とされ、それが独自の発達を遂げたものと考えられています。

当初、セントバーナードは、峠の修道院でモンクたちと一緒に生活し、旅行者を助けるために使われていました。
その強靭な体格と誠実な性格は、雪崩や厳しい冬の天候に立ち向かうのに非常に役立ちました。
彼らの主な仕事は、修道院への道を救助し、旅行者に道案内をすることでした。

17世紀から19世紀にかけて、セントバーナードは更なる進化を遂げ、その体格と力は更に向上しました。
その結果、彼らは最終的に驚異的な山岳救助犬としての評判を確立し、世界中で知られるようになりました。

しかし、彼らは救助犬としてだけでなく、その友好的な性格と家族を愛する姿勢から、素晴らしい家庭犬としても人気がありました。
今日では、彼らはその大きさと優しさ、そして気高さから世界中で愛されています。

因みに東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)ではセント・バーナードが描かれたワッペンを車両と隊員の肩に付けています。

このように、セントバーナードの歴史は救助活動と共に歩んできた歴史であり、その力強さと優しさ、そして家族を愛する姿勢が、現在でも多くの人々に愛される理由となっています。

セントバーナードの特徴

イメージ通りのおっとりとした優しい性格

セントバーナードはその大きな体格と優れた筋力により一目見てわかる存在感を放っています。
そんなセントバーナードの特徴についてまとめてみましょう。

  1. 大型犬種で存在感があり
    体重は50キロから90キロ、肩高は70cmから90cmに達します。
    筋肉質でがっしりとした体格をしており、しばしば100kgを超える巨体でも知られます。
    過去最大の個体とされているのが、1970年におけるアメリカ・ミシガン州の「ベネディクティン・シュヴァルツヴァルト」号の138kgとされています。
    体高も99cmとされており、かなりの巨体でした。
    その大きさと力強さは、雪山を移動するための必要な特徴です。

  2. コートはショートとロングの2タイプ
    被毛はダブルコートで、硬い短毛が密集して生えている「スムースタイプ」と直毛または少しウェーブがかった長毛の「ラフコート」の2種類があります。
    どちらも厚く、冷たい天候に対する保護を提供します。
    色彩は白と赤褐色の組み合わせが一般的で、顔には特徴的な「マスク」模様があります。

  3. 愛嬌のある顔つきと深い瞳
    その顔つきは親しみやすさを感じさせ、深い瞳は知性と優しさを示します。
    大きな頭部と強力な顎はその力強さを象徴します。
    耳は大きく垂れており、尻尾も太くて長めです。

  4. 落ち着きがあり、友好的な性格
    家族に対して深い愛情を示し、自分の大きさを理解しており、家の中では慎重な動きをします。
    攻撃性は無く、無駄吠えも少ないので、小さな子供とでも安心して遊ばせる事が出来ます。
    また、大きな巨体に似合わず、甘えん坊な所があり、そのギャップもセントバーナードの大きな魅力の一つです。
    適度な運動が必要で、毎日の散歩や遊びを欠かさないようにする必要があります。

これらの特徴から、セントバーナードは力強さと知性、そして家族を守る姿勢を兼ね備えた犬種であると言えます。セントバーナード

外見

・あらゆる犬種の中でも最大級の体格を誇る
・がっしりした骨格と筋肉を有している
・被毛は厚いダブルコート
・短毛の「スムースコート」と長毛の「ラフコート」の2種類
・色は「ホワイト地にレッドブラウン」あるいは「ブラウン地にホワイト」

性格

・とても温和
・非常に利口
・従順でもあり、見た目同様におっとりしている
・責任感が強く、非常に優しい犬種
・時に頑固な一面が出てくることも
・攻撃性は少なく、無駄吠えもほとんどしません

体重  50~90kg
体高  60~70cm

セントバーナードの健康

平均寿命は、8〜10年と短命

セントバーナードの平均寿命は、8〜10年でやや短命で、その健康状態は特別な注意が必要です。
一般的には健康な種ですが、その体の大きさにより特定の健康問題に対する感受性が高くなります。
以下に主要な健康問題について詳しく説明します。

  1. 関節問題:
    セントバーナードは成長時に関節に異常を来す「股関節形成不全」や「肘関節形成不全」のリスクがあります。
    適度な運動と栄養豊富な食事でこれらを管理します。
    重度の場合は獣医と相談の上、手術が必要となることもあります。

  2. 胃捻転:
    胃捻転」は放置しておくと数時間で死亡してしまう恐ろしい病気です。
    食事のドカ食いを防ぐため、1回の食事量を減らし回数を増やすし、食後は興奮させないように静かに過ごしましょう。

  3. 心臓病:
    先天性心疾患の一つである「僧帽弁閉鎖不全症(MVD)」が見られることがあります。
    これに対する定期的な心臓の健康チェックが必要です。

  4. 眼疾患:
    エントロピー」や「エクストロピー」(それぞれまぶたの内側や外側が巻き込む状態)や、視線異常を引き起こす可能性のある遺伝性疾患もあります。
    これらは早期発見と適切な治療で視力を維持できます。

  5. 体重管理:
    大型犬種特有の問題で、過剰な体重は関節への負担や心臓疾患のリスクを高めます。
    適正な食事と運動で体重を管理し、定期的な健康診断を行います。

セントバーナードの健康管理は飼い主の細心の注意を必要としますが、適切なケアと愛情をもって接することで、長く幸せな生活を送ることが可能です。

セントバーナードの食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

セントバーナードはその大きさから考えても適切な食事管理が重要です。
以下にその食事についてのポイントをまとめます。

  1. 栄養バランス:
    プロテイン、脂肪、繊維、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれたフードを選びます。
    大型犬種用のドッグフードが一般的に推奨されます。

  2. 量の管理:
    その大きさから食事量が多くなりがちなセントバーナードですが、過食は肥満や関節への負担を引き起こします。
    獣医師のアドバイスに基づいて適切な量を与えます。

  3. 成長期の食事:
    子犬の成長期には特に栄養バランスが重要です。
    大型犬種用のパピー食を選び、カルシウムやフォスファルスのバランスに気をつけましょう。

  4. 食事の回数:
    1日2回の食事が推奨されます。
    これは、1回で大量に食べることによる胃拡張症や胃捻転のリスクを減らすためです。

  5. 水分補給:
    水分は消化を助け、体温を調節し、体の各組織での栄養素の運搬を助けます。
    いつでも新鮮な水が飲めるようにしましょう。

食事管理はセントバーナードの健康と幸せを維持するための重要な一環です。
彼らの特性を理解し、適切な食事ケアを提供しましょう。

セントバーナードの運動

散歩は1日1時間以上

超大型犬ですので、運動不足になるとすぐに太ってしまいます。
肥満になると、ケガや病気にもなりやすくなるので、散歩は1日1時間以上しっかりと歩くようにしてあげてください。

運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。

セントバーナードのしつけ

しつけはしやすい?

セントバーナードは飼い主を喜ばせようと一生懸命になってくれるので、しつけやすい犬種です。
心優しい犬種ですので、しつけは体罰などは決してせず、ほめて伸ばしてあげてください。

無駄吠えや攻撃性も少なく、きっと素敵なパートナーとなってくれます。

始めのうちは、犬の気が散らないように集中できる環境を整えて上げましょう。
しつけがある程度できてから、どんな状況で対応できるようにテレビをつけてみるなど少しずつ環境を変えていきましょう。

愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

セントバーナードの手入れ

よだれが出るので口周りのケアを

セントバーナードはその愛らしい外見と優れた温和さから、多くの飼い主に愛されていますが、その大きさとコートの特性から、適切な手入れが必要です。
以下にセントバーナードの手入れについて詳しく説明します。

  1. コートの手入れ:
    セントバーナードは厚みのあるコートを持っています。
    このコートは特に冬季に彼らを寒さから守りますが、それは定期的なブラッシングを必要とします。
    週に1-2回のブラッシングで死んだ毛を取り除き、皮膚の健康を維持し、絡まった毛を防ぎます。
    また、彼らは季節の変わり目に大量に抜け毛をしますので、その時期は毎日ブラッシングすることもあります。

  2. 耳のチェック:
    耳は感染症の発生源になりやすいので、定期的にチェックし、必要に応じてクリーニングしてください。
    特に、水泳をさせた後は耳をきちんと乾かすことが重要です。

  3. 歯のケア:
    歯石や口臭を防ぐために、週に数回歯磨きをすることが推奨されます。
    可能であれば、毎日歯磨きを行うとさらに効果的です。

  4. 爪のケア:
    成長しすぎた爪は歩行を難しくするだけでなく、痛みを引き起こすこともあります。
    定期的に爪をチェックし、必要に応じてトリミングしてください。

  5. よだれのケア:
    量のよだれが出るので口のまわりもていねいに拭いてあげるといいでしょう。

  6. エクササイズ:
    セントバーナードは活動的な犬種ではありませんが、健康を維持するためには適度な運動が必要です。毎日の散歩や遊び、心地よい運動を提供してください。

セントバーナードの手入れは一見大変に思えるかもしれませんが、これらのケアルーチンを一緒に行うことで、あなたとセントバーナードの絆はより深まるでしょう。
そして、その結果として健康で幸せなセントバーナードを保つことができます。

セントバーナードの価格

20万円前後が目安

セントバーナードは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20万円前後が目安となります。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ とても心優しく、甘えん坊
✔ しつけはとてもし易い

セントバーナードは、100Kgを超える巨体ではありますが、攻撃性は少なく、とても心優しい性格をしています。
そして、意外にも甘えん坊な可愛い性格をしており、この超大型犬の魅力の一つでもあります。
また、我慢強くもあるので、子供とも安心して遊ばせる事が出来ます。

飼い主に対しては非常に従順であり、一生懸命に期待に応えようとしてくれるので、しつけはし易いです。
大型犬ではありますが、大人しくもあるので、飼いやすい犬種と言えるでしょう。

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