ドッグ界もタマネギ頭の貴婦人 イングリッシュセッター
穏やかで誰に対しても友好的な心優しきイングリッシュセッター。
優雅な佇まいで品があり、性格も良いという事で、「オードリー・ヘプバーン」のような存在だと言えるでしょう。
日本のヘプバーンと言えば、「黒柳徹子」でしょうか? 全然違いますか‥‥ね。
ここでは、イングリッシュセッターの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- イングリッシュセッターの歴史
- イングリッシュセッターの特徴
- イングリッシュセッターの健康
- イングリッシュセッターの食事
- イングリッシュセッターの運動
- イングリッシュセッターのしつけ
- イングリッシュセッターの手入れ
- イングリッシュセッターの価格
- まとめ
イングリッシュセッターの歴史
世界的に有名で人気なセター犬
イングリッシュセッターの歴史は古く、14~15世紀にスペインからイギリスに持ち込まれたスパニエルが起源と考えられ、鳥猟犬として茂みに隠れた鳥を追い出したりなど活躍していました。
15世紀になると、「スパニッシュ・ポインター」や大型の「ウォーター・スパニエル」、「スプリンガー・スパニエル」などが交配されたと推測されています。
イギリスにおけるセターの歴史は16世紀後半にさかのぼり、ノーサンバーランド公爵がスパニエル系の犬を訓練し、獲物の鳥を見つけたら体を伏せをして待つ(セッティング)ようにしたのが始まりと言われてます。
この猟では、犬が獲物である鳥などのにおいを追跡し、発見するとセッティング(伏せ)を行って主人に獲物の位置を知らせます。
犬の主人はセッティングを確認すると、その方向へ投網を行って鳥を捕らえます。
19世紀には、セターの改良が盛んに行われたが、その中でもエドーワード・ラヴェラックの育てた血統が、現在のセターの容姿にもっとも大きく寄与しました。
ラヴェラックは1825年に入手した2頭のセターから安定した美しい容姿の犬種を作出し、「ラヴェラック・セッター」が誕生しました。
現在のイングリッシュ・セターの特徴的な毛色に、白地に細かい斑模様が散る「ベルトン」がありますが、これはラヴェラックの作り出した用語です。
「ラヴェラック・セッター」を基礎に、R. パーセル・ルーウェリンが狩猟能力に優れた優秀なセターを作り出しました。
ラヴェラックやルーウェリンの血統の犬は人気があったため、自分の犬をラヴェラック・セターやルーウェリン・セターと称する人も多かったですが、その中には実際には異なる系統のものも多く混じっていたといいます。
1859年には、最初のイングリッシュ・セターのドッグショーが開催され、北アメリカにも輸出されるようになるなど、セターの人気は拡大しました。
ドッグショーが盛んになるに連れ、均等の取れた美しい容姿や温厚な性格からショードッグとして好まれるようになり、その姿を更に美しいものにするために改良が進んでいきました。
その結果、ショータイプのセターとフィールド系のセターは別系統のものとして繁殖されるようになり、それぞれ異なる特徴を持つようになりました。
イングリッシュセッターの特徴
優雅な佇まいに、穏やかでやさしい性格
イングリッシュセッターは、無駄のない筋肉質で体格で、シルキーな美しい長い被毛に覆われています。
耳は垂れ耳で、マズルはやや四角ばっており、頭部には明確なストップがあります。
被毛はダブルコートであり、長いロングコートです。
毛質は絹のように滑らかで、ややウェーブがかっています。
「ベルトンカラー」とよばれるキャンバスの上に絵の具をこぼしたような水玉柄が特徴です。
カラーは、ホワイトをベースとしてブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レモン&ホワイト、レバー&ホワイトなどがあります。
出生直後は全身がほぼホワイトで、生後1週間くらいたった後から、成長と共に色が変わっていきます。
性格は活発で明るく、フレンドリーで穏やかです。
子供や他の犬たちなど誰とでも仲良くなれる優しい性格です。
飼い主に対しては従順で、賢さもあるので、しつけは難しくありません。
外見 |
・大型犬としてはやや小さめ |
性格 |
・フレンドリーで人懐こく、子どもや他の犬とも仲良くできる |
体重 | 25~30kg |
体高 | 61~69cm |
イングリッシュセッターの健康
「進行性網膜萎縮症」や「難聴」などに注意
イングリッシュ・セッターの平均寿命は12~13歳ほどです。
大型犬に良く見られる、成長時に股関節や肘関節に異常を来す「股関節形成不全」や「肘関節形成不全」が起きることがあります。
成長期に十分な運動と栄養、休息を与えることで改善することがありますが、程度によっては手術が必要になることがありますので、子犬の頃からよく観察してあげましょう。
徐々に視力が低下していく「進行性網膜萎縮症」にも注意が必要でしょう。
遺伝により起こる病気で、失明する恐れがあります。
イングリッシュセッターは遺伝的に先天性難聴が起きやすい犬種です。
猟銃の音にも動じないことが求められるため、耳の聞こえが悪いことに気づかれず、その系統の繁殖が続いてきたという背景もあるようです。
賢く観察力のある犬ですので、難聴があっても、家庭犬として十分に幸福な生活を送ることは可能です。
仔犬の頃から聴力に気を配ると同時に、十分なコミュニケーションを取るようにしておきましょう。
また、大型で胸の深い犬に起きやすい「胃捻転」や「胃鼓腸症」にもかかりやすい犬種です。
特に「胃捻転」は死に直結する恐ろしい疾患ですので、注意が必要です。
食事のドカ食いを防ぐためにも2回以上に分けて与え、食後は安静に過ごさせましょう。
胃捻転は胃が捻じれる事によって、胃の中でガスが溜まり、胃が拡張していきます。
結果、周囲の臓器を拡張した胃が圧迫してしまい、全身の血流を止めてしまいます。
ぐったりとしていたり、苦しそうにしていたら、一刻も早く病院に行きましょう。
イングリッシュセッターの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。
以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
愛犬に合ったドッグフードを探す
愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のフードを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
イングリッシュセッターの運動
散歩は1日1時間以上
心身の健康と信頼関係を育てるため、多くの運動を必要とします。
散歩は1日1時間以上、遊びやゲームを交えて、犬の幸せのためにも、たっぷりと時間を取ってあげたいです。
また、時には、ドッグランなどで思いっきり走らせてあげて下さい。
運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
イングリッシュセッターのしつけ
賢く従順なので、しつけは難しくない
賢く、辛抱強く、服従心も十分ですので、しつけは難しくありません。
しっかりとトレーニングされたイングリッシュセッターは、子どもとの相性も良く、少々手荒く扱われてもがまん強く、愛情深く接してくれるでしょう。
ただ、愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
イングリッシュセッターの手入れ
毎日ブラッシング
中~長毛ですので、被毛の手入れはやや手間がかかります。
散歩から帰ってきた後などに、毎日ブラッシングで毛並みを整えてあげましょう。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
イングリッシュセッターの価格
25万円前後が相場
イングリッシュセッターをペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、25万円前後が相場です。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ とても優しい性格
イングリッシュセターは、穏やかで誰に対しても優しく接してくれる犬種です。
お子さんのいる家庭や多頭飼いでも問題なく飼育できる犬種と言えます。
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