狆(ちん)の特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

愛玩犬として誕生した気品ある小型犬 狆(ちん)

鼻のつぶれた愛嬌のある独特の表情が魅力の小型犬である狆。
物静かで落ち着いたその雰囲気は、気品ある優雅さを感じさせてくれます。

ここでは、狆の誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。



狆の歴史

徳川綱吉公にも愛された犬種

狆(ちん)は、日本原産の犬種で、名称の由来は「ちいさいいぬ」がとだんだんつまっていき「ちん」になったと云われています。

日本書紀にも登場する古い歴史を持ちますが、祖先犬は詳しくはわかっておらず、「ペキニーズ」とも血統的なつながりがあると考えられています。
一説には、その祖先犬は中国から現在の韓国である新羅を経て732年頃に日本に渡ったとされています。

江戸時代には、「生類憐みの令」で知られる第5代将軍である徳川綱吉公によっても飼育されていました。
江戸末期の1867年、黒船の米国人ペリー提督により数頭が持ち帰られ、そのうちの2頭は、犬好きで知られたイギリスのビクトリア女王に献上されたとも伝えられています。

その事により、欧米でも広く知られるようになり、日本原産犬としては初めての公認犬種となりました。

狆の特徴

飼い主への愛情が深く、大人しい犬種

狆は、マズルがとても短く、両目を結んだ直線状に鼻がある独特の顔つきは、とても愛嬌があります。
体高と体長がほぼ同じで、スクエアなシルエットをしています。
耳は垂れ耳です。
耳や首回り、太もも、尻尾には、長い豊かな飾り毛があり、気品ある雰囲気を醸し出しています。

被毛はシングルコートで、シルキータッチともいわれる柔らかな毛質です。
カラーはホワイトをベースにした「ブラック&ホワイト」「レッド&ホワイト」が基本です。
顔の斑は、目の周囲から耳全体にかけて左右対称で、その模様によって「サムライ班」「ヤッコ班」、背中にある模様で「鞍かけ班」、尾の手前にある模様によって「おどめ班」に分類されていました。

性格は、物静かで大人しく、攻撃性はほとんどありません。
飼い主に対しては従順で、賢く、社交的でもあり、絵に描いたような愛玩犬です。

狆(ちん)
外見

耳は前方に垂れており、毛は長く、目は丸く大きく、口は短いです。
被毛は白地に黒又は赤茶色の大きな斑があり、顔の斑は体の斑と同じ色で、顔の中心から左右対称にあるのが美しいとされています。
どことなく高貴な気品を漂わせています。

性格

狆は、元来人のそばで暮らしてきたため、飼い主の様子をよく見て賢く振る舞います。
そのため神経質な一面を見せることもありますが、全体としてはおとなしく、愛嬌のある性格です。
攻撃性は少なく人なつこいですが、子供などにしつこくされると距離を取るようになります。

体重  4~5kg
体高  約25cm

狆の健康

平均寿命は、12~14年ほど

狆の平均寿命は、12~14年程度です。

かかりやすい疾患としては、成長時に股関節や肘関節に異常を来す「股関節形成不全」、「肘関節形成不全」や、これに伴う「脱臼、亜脱臼」があります。

また、頭蓋骨に穴が開いている「頭部骨格の形成不全」も見られる場合があります。
重度ですと、頭を上げると立てないという状態になります。

垂れ耳ですので、「外耳炎」にも注意が必要です。
こまめに耳掃除を行って、清潔に保つことが大事です。

病気ではないですが、狆は難産になりやすい傾向があります。
出産時は帝王切開になる可能性があり、体に大きな負担を掛けます。
ですので、無用な出産は避けるようにして下さい。

また、短頭種であり長毛なので、暑さにも寒さにも弱いです。
常に過ごしやすい室温を保つようにしてあげて下さい。

狆の食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。

以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

愛犬に合ったドッグフードを探す

愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。

下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。

愛犬のフードを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ

狆の運動

散歩は1日20~30分程度

あまり運動量は多くありません。
散歩は1日20~30分程度で十分です。
激しい運度は向かないでしょう。

室内での運動だけでも十分という事を聞く事もあるかも知れませんが、それだけではストレスが溜まってしまい、問題行動の原因となってしまいます。
少ない時間でもいいので、気分転換に外へ連れ出してあげて下さい。

運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日多少でもいいので運動を心掛けてあげて下さい。

狆のしつけ

しつけ自体はしやすい?

従順で性格は良いのですが、プライドが高い側面がありますので、しつけが入りにくいことがあるかもしれません。
ただ、穏やかで落ち着いた性格ですので、しつけ自体はしやすいでしょう。

また、繊細で神経質なので、失敗なども決して強く叱らず、根気よく教えていく必要があります。

小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。

始めのうちは、犬の気が散らないように集中できる環境を整えて上げましょう。
しつけがある程度できてから、どんな状況で対応できるようにテレビをつけてみるなど少しずつ環境を変えていきましょう。

愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

狆の手入れ

週に1度のブラッシング

被毛はシングルコートですので、抜け毛も少なく、お手入れは簡単です。
週に1度のブラッシングと月に1回程度のシャンプーをしてあげましょう。

マズルが短いですので、目や鼻のトラブルになりやすい傾向があります。
毎日、顔まわりを拭いて清潔に保つことも大切です。

狆の価格

20~25万円が目安

狆はペットショップで見かける事がたまにありますが、その機会はあまり多くありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20~25万円が目安となります。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ 熱中症に注意
✔ どんな家庭でも飼う事が出来る

狆はマズルの短い短頭種ですので、暑さに弱く、熱中症には注意が必要です。
あまり運動量の多い犬種ではないので、暑い夏の時期などは比較的気温の低い早朝に散歩を行くか、散歩自体を控える事も必要でしょう。

狆は穏やかな性格で攻撃性もないので、どんな家庭でも安心して飼う事が出来ます。
また、運動量も多くないので、体力の無い方でも飼育する事が可能です。

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