犬のレプトスピラ症

犬のレプトスピラ症~愛犬が黄疸や血便、血尿がでたら~

犬のレプトスピラ症とは、レプトスピラ属(Leptospira)の細菌の中で病原性を持った病原性レプトスピラによって引き起こされる感染症です。
 
レプトスピラは、らせん状の体を特徴とした「スピロヘータ」と呼ばれる細菌の一種で、体の両端がフックのように曲がりくねっています。
人を含めさまざまな哺乳類に感染する人獣共通感染症(ズーノシス)の1つでもあります。
感染症法では四類感染症に指定され、また家畜伝染病予防法では届出が義務化されています。

発症すると肝臓や腎臓などに障害を受け、黄疸(おうだん)や出血、腎炎などの症状が現れます。
最悪の場合は数時間で死に至ることも恐ろしい病気です。

人間における感染例は、ブラジル、ニカラグア、フィリピン、タイといった亜熱帯地方が中心ですが、日本でも河川を通じた集団感染(沖縄八重山地域, 1999)が確認されていますので、決して油断はなりません。
 
ここでは、犬の犬のレプトスピラ症の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。


  • 犬のレプトスピラ症の主な症状
  • 犬のレプトスピラ症の主な治療法
  • 犬のレプトスピラ症の予防

犬のレプトスピラ症の主な症状

犬のレプトスピラ症の主な症状は、黄疸や出血、急性の肝不全や腎炎などが起こります。
大きく分けて3つのタイプがあります。
下記にタイプ別の症状をまとめました。

  主な症状
不顕性型 多くは、感染しているにもかかわらず明らかな症状を示さないまま自然治癒します。
出血型 主症状は40℃前後の高熱・元気が無くなる・食欲不振・結膜の充血・嘔吐・血便・血尿・鼻血・吐血・尿のにおいが強くなる・黄疸(白目部分、口の粘膜、おなかの皮膚が黄色く変色すること)などです。
黄疸型 主症状は突然の高熱・食事を受け付けない・全身の震え・嘔吐・口内粘膜や歯茎からの出血・結膜の充血・黄疸(白目部分、口の粘膜、おなかの皮膚が黄色く変色することで、約70%の割合)などです。

犬のレプトスピラ症の主な原因

犬のレプトスピラ症の主な原因は、らせん状の細菌の一種であるレプトスピラの感染です。
レプトスピラには病気を引き起こすもの(病原性)とそうでないもの(非病原性)があります。
リスやネズミなどの「げっ歯類」などが高い確率で菌を持っています。
それらの尿中にウイルスも一緒に排泄をしているので、菌に汚染された土壌や水などの媒介物との接触で観戦します。
皮膚の小さな傷、口や眼の粘膜などから感染します。

レプトスピラに感染し、体内に入ると肝臓や腎臓で増殖します。潜伏期間は数日から数週間といわれています。 

犬のレプトスピラ症の主な治療法

犬のレプトスピラ症の治療は、主に抗生剤を投与します。

  • ワクチン接種
    ワクチン接種が実質的な予防・治療法
    といえます。
    獣医さんとよくご相談話した上、お決めください。

  • 抗生物質の投与
    感染してしまったらドキシサイクリンやアンピシリンなどの抗生物質で、主に腎臓内に生息している菌を退治します。

  • 対症療法
    症状の軽減を目的とした各種の治療
    が施されます。
    ・脱水症状があれば輸液(ブドウ糖や乳酸リンゲル液)
    ・肝臓障害があればビタミンB、強肝剤、利尿剤の投与
    尿毒症があれば腹膜透析などが施されます。

犬のレプトスピラ症の予防

細菌は湿った土の中や水の中で180日以上生存することが可能です。
屋外の電柱や水溜りなどは、常に感染源になりうる危険性を持っています。
散歩中、犬がこうした不衛生な場所に近づかないよう、注意する必要があります。
また、ネズミが発生している場合はこうした害獣を駆除することも効果的です。

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