クランバースパニエルの特徴は?性格・外見・病気・しつけなど飼い方がここに!

ドッグ界の「アイルトン・セナ」? クランバースパニエル

「クランバースパニエル」、その名前を聞いて、あなたはどんなイメージを持つでしょうか?
クランバースパニエルは、その甘い目つきとフレンドリーな性格で飼い主たちを魅了し、その歴史は数世紀に渡ります。
でも、その魅力は見た目だけではありません。
クランバースパニエルは、献身的な忍耐強さと驚くほどの適応性を兼ね備えた、驚くべき犬種です。

「音速の貴公子」と言えば、F1界の伝説である「アイルトン・セナ」ですが、威風堂々とした雰囲気から「スパニエル界の貴族」とも言われるのが、「クランバースパニエル」です。
セナのように何か実績を残したわけではないですが、そう言われるのには理由があるんです。

ここでは、クランバースパニエルの特徴、歴史、そしてその飼い方を詳しく解説します。
また、彼らがどのように家族の一員として、またある場合には狩猟犬として活躍するのかについても探ります。
クランバースパニエルの持つ底深い魅力を引き出すには、適切なケアと理解が必要です。
是非ご参考になさってください。



クランバースパニエルの歴史

「スパニエル界の貴族」とも呼ばれてる犬種

クランバースパニエルはイギリス原産ではありますが、その起源は2千年以上前にフランスで生まれたとされており、「スパニエル界の貴族」とも呼ばれています。
フランスの猟犬を先祖とし、またアルパイン・スパニエルやバセット・ハウンドの血を引くとも言われています。
言い伝えでは、18世紀半ばにフランス革命により処刑されることとなったノアイユ公爵が、自らの飼っていたスパニエルを犬舎ごとイングランドのニューカッスル公爵に送ったのが始まりと言われています。

犬種名はイギリスで飼われていたニューカッスル公爵の領地であるノッティンガムシャーのクランバー・パークに由来します。
イギリス王室でも飼われ、特に、エドワード7世やジョージ5世に溺愛されたことが知られています。

クランバースパニエルは、木の上に巣を作る鳥を見つけ出し、その鳥を追い出すために木に登るスキルを持っていました。
その優れた視覚と優れた鳥猟能力は、クランバースパニエルが狩猟の場で重宝される理由でした。
また、その落ち着きのある性格フレンドリーな性格は、家庭犬としても理想的でした。

17世紀と18世紀には、クランバースパニエルはイギリスの貴族たちに非常に愛されました。
しかし、19世紀に入ると、その人気は徐々に衰え、20世紀初頭には、この犬種は絶滅寸前とまで言われました。
それは、他の犬種と比べて繁殖が難しいという特性が原因の一部とされています。

しかし、その後、熱心なブリーダーたちの努力により、クランバースパニエルの数は少しずつ回復しました。
その結果、今日では再びクランバースパニエルは家庭で愛されるペットとして、また狩猟犬としての役割を果たしています。
彼らの誇り高き歴史と素晴らしい能力が融合したクランバースパニエルは、その独特な魅力で多くの人々を引きつけ続けています。

クランバースパニエルの特徴

威厳のある風貌の勇ましく冷静で利口な性質

クランバースパニエルは、その特有の特徴により、他のどの犬種とも一線を画しています。
以下、その特徴について説明します。

  1. 大きさと体格:
    クランバースパニエルはスパニエル種の中では最も大きな犬種で、体高が43~50cm、体重が25~39kg程度と中型から大型の力強い体格をしています。
    それにより、野生動物と対峙したときでも恐れずに行動することができます。

  2. 見た目:
    大きめの頭部は比較的大きく、耳は垂れ耳で尻尾は飾り毛のある垂れ尾です。

  3. コート:
    クランバースパニエルのコートは、滑らかでシルキーなロングコートで、波打った毛が特徴です。
    その毛色は、ホワイトをベースにレモンやオレンジなどのマーキングが入っています。

  4. 眼鏡マーク:
    クランバースパニエルの顔には特有の「眼鏡マーク」があります。
    これは、眼の周囲が色素沈着していて、まるで眼鏡をかけているかのように見える特徴です。

  5. 性格:
    忍耐強く、自立心が強い一方で、家族に対してはとても愛情深く、忠実です。
    また、警戒心も強く、知らない人や他の動物に対しては最初は警戒しますが、時間をかけてゆっくりと信頼関係を築くことで、非常にフレンドリーになります。

  6. 運動能力:
    クランバースパニエルは、猟犬としての役割から来る高い運動能力を持ちます。
    そのため、適度な運動とスペースが必要となります。

これらの特性が組み合わさって、クランバースパニエルは非常に個性的で魅力的な犬種となっています。

外見

・力強く威厳のある風格のあるどっしりとした筋肉質な体つき
・カラーは一般的にはホワイト
・オレンジの斑があるものもいます。
・毛は柔らかくロングコートでウェーブがかかっている
・大きめの頭にたれ耳が特徴
・愛らしい顔をしています。

性格

・勇ましく冷静で、利口な性質
・おっとりしていて温和
・攻撃的な面があまりありません
・自立心が強く、エネルギッシュで活動的
・見知らぬ人や犬とはあまり積極的に関わりたがらない性格 
・嗅覚がとても優れている

体重  25〜39kg
体高  43〜51cm

クランバースパニエルの健康

「股関節形成不全」「肥満」には注意が必要

クランバースパニエルの平均寿命は、10~12歳ほどで、健康な犬種として知られていますが、やはり遺伝的な問題や特有の健康上の課題も存在します。
以下、その健康について注意すべき点を解説します。

  1. 股関節形成不全:
    股関節形成不全」は、クランバースパニエルだけでなく、多くの大型犬に見られる問題で、関節が正しく形成されず、痛みや関節炎を引き起こすことがあります。
    早期の健康診断と適切な運動管理が重要です。

  2. 耳の問題:
    クランバースパニエルは耳が垂れているため、耳の中が湿ってしまいやすく、耳ダニや「外耳炎」を引き起こすことがあります。
    定期的な耳掃除と乾燥を保つことが重要です。

  3. 過体重:
    彼らの体格からくる食欲旺盛な傾向が、過体重につながることがあります。
    体重管理には、適切な食事と適度な運動が必要で、体重の管理は長期の健康にもつながります。

  4. 眼の問題:
    一部のクランバースパニエルは、「白内障」などの眼の問題を抱えることがあるため、定期的な眼科検査が推奨されます。

  5. アレルギー:
    クランバースパニエルには皮膚アレルギーが見られることがあります。
    特定の食品や環境からくるアレルギーが原因となることが多いため、早めに原因を特定し対処することが求められます。

健康的なクランバースパニエルを育てるためには、定期的な健康診断と日常の観察が欠かせません。
愛犬が快適に過ごせるように、日々のケアと適切な栄養の提供が大切です。
最良の健康状態を維持するために、獣医師と密接に連携し、適切なケアと注意を払いましょう。

クランバースパニエルの食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

クランバースパニエルの食事はその活動量、年齢、体重、健康状態に応じて変化する重要な側面です。
この美しい犬種の健康と幸福を保つために、適切な栄養と食事計画は欠かせません。
以下、クランバースパニエルの食事についてのガイドラインとポイントを解説します。

  1. 子犬の期間:
    クランバースパニエルの子犬は急速に成長しますので、特別に子犬用のフードを与えることが推奨されます。
    これには、成長に必要な栄養素がバランス良く含まれています。

  2. 成犬の食事:
    成犬になると、食事のニーズは変化します。
    体重の管理と適切なエネルギーの確保を図るために、良質なタンパク質と必要な脂肪、ビタミン、ミネラルを含むフードを選びましょう。

  3. 食事の頻度:
    一日の食事量を2回または3回に分割すると、消化を助け、血糖値の安定に寄与します。

  4. 特別なダイエット:
    健康上の問題がある場合、獣医師と相談して特別なダイエットを計画することが重要です。
    例えば、アレルギーがある場合、特定の食材を避ける必要があるかもしれません。

  5. おやつ:
    おやつも楽しい報酬ですが、与えすぎると体重増加の原因になることがあります。
    健康的なおやつを選び、一日のカロリー摂取量の10%以下に抑えることが望ましいです。

  6. 水分補給:
    新鮮な水を常に用意しておくことも、健康を保つためには必要です。

クランバースパニエルの健康と活力を保つためには、質の高い食事が不可欠です。
適切な食事は、皮膚の健康、美しいコート、強い骨と歯、全体的な活力を支えます。
犬の個々のニーズに合わせた食事計画の作成には、獣医師との密接な連携が最良の結果をもたらします。

クランバースパニエルの運動

出来るだけ毎日散歩に

積極的に運動をしたがる犬種ではありませんが、太りやすい体質なのと、足腰を弱らせないためにも、出来るだけ毎日散歩に連れ出してあげるようにしましょう。
あまり激しい運動というよりは、ゆっくりとしたペースで長めの運動をさせるようにしましょう。

運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日適度な運動を心掛けてあげて下さい。

クランバースパニエルのしつけ

献身的な性格なので、しつけは難しくない?

基本的に飼い主に忠実で献身的な性格なので、しつけはそれほど難しくありません。
ただし、マイペースな性格でもあるので、理解してくれるスピードがあまり早くない傾向があります。
できるだけ褒めながら、愛犬のペースにあわせてしつけるといいでしょう。

また、人見知りな傾向があるので、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。

愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

クランバースパニエルの手入れ

週に3回程度のブラッシング

クランバースパニエルはその美しいコートと愛らしい外見で飼い主を魅了しますが、適切な手入れが不可欠です。この犬種の特別なケアのニーズを理解し、定期的な手入れを行うことで、彼らを健康で美しい状態に保つことができます。以下、クランバースパニエルのケアと手入れについて詳しく説明します。

毛皮のケア

クランバースパニエルの美しいコートは定期的なブラッシングとトリミングが必要です。

  • 毎週のブラッシング: 毛が絡まらないように、そして皮膚の健康を保つためにも、週3回はブラッシングをしてあげることが重要です。
  • 定期的なトリミング: 専門のグルーマーによるトリミングも、特に夏場には涼しく保つために役立ちます。

耳のケア

この犬種は耳が下がっているため、耳の問題が発生しやすいです。

  • 定期的なチェックと清掃: 耳の中を規則正しくチェックし、必要に応じて清掃することで、感染を予防できます。

爪の手入れ

爪は月に一度程度のカットが必要です。

  • 定期的なカット: 爪が長くなりすぎると歩行に支障をきたすことがあるため、定期的なカットが必要です。

歯のケア

歯の健康も全体の健康に大いに関連します。

  • 毎日のブラッシング: 可能であれば、毎日の歯磨きが最善です。専用の歯ブラシと歯磨き粉を使用しましょう。

適切な運動

クランバースパニエルは活発な犬種で、適切な運動が必要です。

  • 毎日の散歩: 毎日の散歩やプレイは、健康な体重を維持し、エネルギーを適切に発散するのに役立ちます。

クランバースパニエルの手入れは、一見すると多くの努力を必要とするかもしれませんが、愛情深く、規則正しく行うことで、愛犬との絆を深める素晴らしい機会にもなります。
これらの手入れの習慣は、愛犬が快適で健康的な生活を送るための基盤となり、あなたとクランバースパニエルの友情をより深く、豊かにします。

クランバースパニエルの価格

30万円前後が相場

クランバースパニエルは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、30万円前後が相場となります。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ おっとりとした性格でのんびり屋
✔ 抜け毛が多い

クランバースパニエルは魅力的な外見と友好的な性格を持つ犬種で、多くの飼い主に愛されています。
ただ、難点としては抜け毛が多く、日々のブラッシングが必要という事ぐらいでしょうか。

彼らの特徴的なコートは美しいだけでなく、ケアが必要であり、毎週のブラッシングと定期的なトリミングが鍵となります。
また、耳のケアも特に重要で、定期的なチェックと清掃が求められます。
爪のカットや歯のブラッシングも健康のために欠かせません。

活発な性格を持つ彼らには、毎日の散歩と適切な運動が不可欠です。
クランバースパニエルの手入れは努力を要しますが、その甲斐あって健康で幸せな愛犬との共同生活が築けるでしょう。

クランバースパニエルはとても温厚で優しい性格をしています。
攻撃性もほとんど見られず、その性格通りに動きもゆっくりとしています。
アクティブな方には向かない犬種かも知れませんが、日々のんびりと愛犬と暮らしたいという方にはとても適しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA