ドッグ界の「猫ひろし」 ウェルシュスプリンガースパニエル
ウェルシュスプリンガースパニエルとは、その名の通りウェールズ原産の犬種で、その活気あふれる性格と愛らしい容姿に一目惚れする人が多いのも頷けます。
この犬種は、エネルギッシュなスポーツマンでもあり、家庭犬としての温和な性格も兼ね備えています。
彼らのコンパクトながらも筋肉質の体は、力強さと敏捷性を示し、長い散歩やアウトドアでの活動が大好きなこの犬種にとっては、まさに理想的な体型と言えます。
丸みを帯びた優しい顔付きでありながら、長時間の運動にも耐えられるタフさを持つ運動神経抜群のウェルシュスプリンガースパニエル。
可愛い顔してタフで運動神経抜群と言えば、何と言っても「猫ひろし」ではないでしょうか。
可愛らしい風貌にリオデジャネイロオリンピックにも出場したほどの体力があります。
名前に「猫」と入っているので、何だか微妙ですが‥‥
ここでは、ウェルシュスプリンガースパニエルの特徴から飼い方、健康管理まで、この愛らしい犬種をより深く理解し、飼い主として最適なケアを提供できるような情報を提供します。
新たな家族の一員としてウェルシュスプリンガースパニエルを迎えることを考えている方、すでにこの犬種と生活を共にしている方も、ぜひこの記事をお読みいただき、より豊かな犬との生活を送るための参考にしてください。
- ウェルシュスプリンガースパニエルの歴史
- ウェルシュスプリンガースパニエルの特徴
- ウェルシュスプリンガースパニエルの健康
- ウェルシュスプリンガースパニエルの食事
- ウェルシュスプリンガースパニエルの運動
- ウェルシュスプリンガースパニエルのしつけ
- ウェルシュスプリンガースパニエルの手入れ
- ウェルシュスプリンガースパニエルの価格
- まとめ
ウェルシュスプリンガースパニエルの歴史
石器時代の頃から狩猟犬として活躍
ウェルシュスプリンガースパニエルは、その名前からわかるように、ウェールズで生まれた犬種で、その起源は数百年にわたる長い歴史を持ちます。
ウェルシュスプリンガーの先祖は、おそらく13世紀ごろには既に存在していたと考えられています。
彼らは、ウェールズの農家や猟師たちによって、主に鳥類をフラッシュ(驚かせて飛ばすこと)するために使われていました。
この動作から、スパニエル犬種の中でも「スプリンガー(跳ねる者)」という名前が付けられたと言われています。
「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」や、「アメリカン・コッカー・スパニエル」と同様に、ヨーロッパに昔から存在していた古代のスパニエル犬種と、今は絶滅してしまったランド・スパニエルが分化し、ランド・スパニエルの中から更にスプリンギング・スパニエルが分化しました。
そのスプリンギング・スパニエルの中でも大型なものがイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルで、小型のものはイングリッシュ・コッカー・スパニエルと呼ばれるようになりました。
当初は「イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル」も、「ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル」も同一犬種として扱われていました。
しかし、ウェルシュスプリンガースパニエルが正式に認識されたのは、その後の19世紀で、イギリスのケネルクラブによって犬種としての認定を受けたのです。
その後、ウェルシュスプリンガーは世界中に広がり、特にアメリカで人気を博しました。
この犬種は、その歴史を通じて一貫して、愛らしい容姿とともに活気に満ちた性格と高い働きぶりを維持してきました。
家庭犬としても、狩猟犬としても優れたパートナーとなりうるウェルシュスプリンガースパニエルは、その深い歴史の中にその特性を見出すことができます。
ウェルシュスプリンガースパニエルの特徴
やさしい顔つきが魅力の温厚で優しい犬種
ウェルシュスプリンガースパニエルは、その活気ある性格と美しい外観で知られ、多くの飼い主から愛されている犬種です。
以下にその主な特徴をいくつか紹介します。
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中型犬種:
ウェルシュスプリンガースパニエルは、中型犬種の一つで、成犬の体重は通常、16~25キログラムほどで、肩高は約43~51センチメートルです。 -
活気ある性格:
この犬種は活動的でエネルギッシュ、そして非常に友好的です。
独立心が強い一方で人間や他の犬との交流を楽しみ、家族との絆を深めることを好む傾向があります。
性格は明るく活発ではあり、温厚で優しく穏やかです。
飼い主に対しては従順であり、子供や他の動物に対しても柔軟に対応できますが、多少ですが頑固な面が見られる場合もあります。 -
外観:
ウェルシュスプリンガースパニエルは、美しい赤と白のコートを持ち、その表情は親しみやすさと知性を示しています。
彼らの目は通常、暗褐色またはヘーゼル色で、中程度の大きさが特徴的です。
優し気な顔付きで筋肉質で引き締まった均整の取れた体格をしています。
見た目は同じ中型犬の「イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル」によく似ていますが、より少し小さめなのが本種です。 - 被毛:
被毛は直毛で体に沿って真っ直ぐに生えたシルキーな滑らかさを持っています。
カラーは、濃いレッド&ホワイトのみです。 -
運動能力:
この犬種は元々猟犬として開発されたため、その運動能力は抜群です。
長い散歩や遊びを通じてそのエネルギーを発散することが重要です。 -
知性: ウェルシュスプリンガースパニエルは非常に知能が高く、訓練可能な犬種の一つです。
しかし、その独立心から時折頑固さを見せることもあるため、訓練には適度な忍耐力と一貫性が求められます。
これらの特性を理解することは、ウェルシュスプリンガースパニエルとの生活をより豊かで楽しいものにするための第一歩となります。
外見 |
・優しげな表情 |
性格 |
・明るく活発で、好奇心も旺盛 |
体重 | 16〜25kg |
体高 | 43〜51cm |
ウェルシュスプリンガースパニエルの健康
「外耳炎」などの耳の疾患に注意
ウェルシュ・スプリンガー・スパニエルの平均寿命は、12~15年ほどで一般的に健康な犬種ですが、他のすべての犬種と同様に、特定の健康上の問題に対して敏感である可能性があります。
以下に主な健康上の注意点をいくつか挙げてみましょう。
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股関節形成不全:
これは遺伝的な病気である「股関節形成不全」は、犬の股関節が正しく形成されない状態を指します。
これにより関節炎や運動障害を引き起こすことがあります。 -
目の問題:
ウェルシュスプリンガースパニエルは特定の目の問題、例えば「緑内障」や「進行性網膜萎縮症」に影響を受けやすい傾向があります。 -
耳の問題:
非常に「外耳炎」などの耳の疾患が発生しやすい犬種になります。
長く垂れた耳は、感染症や耳ダニの侵入を容易にします。
定期的な耳のチェックと清掃が必要です。 -
アレルギー:
皮膚アレルギーや食物アレルギーに悩まされるウェルシュスプリンガースパニエルもいます。
アレルギー反応の兆候を見つけた場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。 -
心臓疾患:
この犬種は稀に心臓の問題を発症することがあります。
特に高齢のウェルシュスプリンガースパニエルでは定期的な心臓の健康チェックが推奨されます。
健康管理は犬の幸せな生活を維持する上で極めて重要です。
定期的な獣医師による健康チェックと、飼い主自身が犬の日常的な振る舞いや体調を観察することで、早期発見と早期治療が可能になります。
ウェルシュスプリンガースパニエルの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
ウェルシュスプリンガースパニエルは活発でエネルギッシュな犬種であり、その活動的なライフスタイルを維持するためには、健康で栄養バランスの取れた食事が必要です。
以下に、ウェルシュスプリンガースパニエルの食事に関するいくつかの重要なポイントをご紹介します。
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バランスの取れた食事:
プロテイン、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、ウェルシュスプリンガースパニエルに必要な栄養素を均等に摂取することが重要です。 -
適量のフィード:
過食は肥満を引き起こし、その結果、関節痛や心臓疾患などの健康問題につながる可能性があります。
ウェルシュスプリンガースパニエルの活動レベル、年齢、健康状態に応じて適切な食事量を確保することが必要です。 -
食事のタイミング:
一日に2~3回の食事を提供すると、血糖値の一定化と肥満防止に役立ちます。
特に、運動の直前や直後の食事は避けて、胃捻転のリスクを低減させましょう。 -
アレルギーへの対応:
ウェルシュスプリンガースパニエルは食物アレルギーに影響を受けやすい犬種の一つです。
アレルギー反応の兆候を見つけた場合は、食事を見直し、必要に応じて獣医師と相談することが重要です。
これらの食事管理は、ウェルシュスプリンガースパニエルの健康と幸せを長期にわたって維持する上で重要な要素となります。
栄養価の高い質の良いドッグフードを選び、必要に応じて生鮮食品やサプリメントを追加することで、最適な食事環境を提供することができます。
ウェルシュスプリンガースパニエルの運動
毎日2回ジョギングなどの散歩を30~60分程度
ウェルシュスプリンガースパニエルは今も鳥猟犬として繁殖されている珍しい犬種です。
日頃の運動量は豊富ですので、毎日2回ジョギングなどの有酸素運動を取り入れた散歩を30~60分程度行ってください。
散歩の仕方によっては1日1時間でも充分な運動量になりません。
ドッグランなどで自由に走り回れる環境を作ったり、ハイキングなどへ連れて行ったりすると、ストレスを発散できて喜びますよ。
水泳も得意なので季節によっては水遊びさせるのもおすすめです。
運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
ウェルシュスプリンガースパニエルのしつけ
しつけをしやすい犬種
賢く飼い主を喜ばせたいという献身性が強いため、しつけをしやすい犬種です。
飼い主との主従関係と服従訓練はきちんとしつけてください。
遊びに夢中になっていても、しっかりと命令に従える聞き分けの良さがありますので、しつけは初心者の方でもしやすいです。
何かに熱中していても飼い主の指示には従う賢い犬ですので、興奮して手が付けられなくなるようなことはありません。
生後3週間~14週間の時期は、色々な人や多くの犬と触れ合わせ、社会性を身に付けさせてください。⇒子犬の社会化期~各時期の適切な過ごし方など~
愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
ウェルシュスプリンガースパニエルの手入れ
毎日ブラッシングを
ウェルシュスプリンガースパニエルの手入れは比較的簡単ですが、それでも定期的なケアと注意が必要です。
以下に、その基本的な手入れについて詳しく説明します。
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毛皮の手入れ:
ウェルシュスプリンガースパニエルの美しい赤と白のコートは、毛玉になりやすいため、獣毛ブラシやスリッカーブラシを使用して毎日ブラッシングを行ってあげましょう。
ブラッシングは、皮膚の健康を保つだけでなく、毛玉の形成を防ぎ、毛皮が家中に散らばるのを減らす効果もあります。
また、数ヶ月に一度のトリミングが彼らのコートを整え、清潔さを保つのに役立ちます。 -
耳のケア:
彼らの特徴的な垂れ耳は、耳の中に湿気がこもりやすく、感染症のリスクを高める可能性があります。
そのため、週に一度は耳の内部をソフトな布で掃除し、異常な腫れや臭いをチェックすることが重要です。 -
歯のケア:
歯石や歯周病の予防のために、週に数回の歯磨きが推奨されます。
特別な犬用の歯ブラシと歯磨き粉を使用することが最適です。 -
爪のケア:
長くなった爪は歩行に問題を引き起こす可能性があります。
ウェルシュスプリンガースパニエルの爪は硬く、自然に削れにくいため、定期的な爪切りが必要です。 -
シャンプー:
シャンプーは月に1~2回を目安に行って下さい。
これらの基本的なケアを提供することで、ウェルシュスプリンガースパニエルの健康と幸せを維持し、その寿命を延ばすことができます。
ウェルシュスプリンガースパニエルの価格
20~30万円が相場
ウェルシュスプリンガースパニエルをペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20~30万円が相場となります。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 穏やかな性格で飼いやすい犬種
✔ 散歩はしっかりと
ウェルシュスプリンガースパニエルは、愛らしい外見と活動的な性格を持つ犬種で、その起源は中世のウェールズにまで遡ります。
サイズは中型で、魅力的な赤と白のコートが特徴です。
愛情深く、忍耐強く、社交的な彼らは家族全員に対して友好的で、温厚で誰とでも仲良く接する事が出来る穏やかさも持っています。
他の犬やペットとも一般的にうまくやっていきます。
ウェルシュスプリンガースパニエルは、股関節形成不全、目の問題、耳の問題、アレルギー、心臓疾患など、特定の健康問題に対して敏感な場合があります。
これらの問題を防ぐためには、定期的な健康チェックと飼い主の注意深い観察が重要です。
食事については、栄養バランスの取れた食事、適切な量、適切なタイミング、そして可能なアレルギーへの対応が必要です。
彼らの手入れは、毛皮のブラッシングとトリミング、耳と歯の清掃、爪の切り方、そして適切な運動と遊びを含みます。
この犬種は活発でエネルギッシュであり、そのためには適切な運動と刺激が必要です。
適切なケアと愛情をもって接すれば、ウェルシュスプリンガースパニエルは家族の一員として素晴らしいパートナーとなるでしょう。
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