頭が良く、訓練性能の高いヒーロー犬 ジャーマン・シェパード・ドッグ (シェパード)
知性に溢れ、服従的な性格をしているので、警察犬や災害救助犬など様々な作業犬として重宝されているジャーマン・シェパード・ドッグ。
ただ、きちんとしつけを行わないと、問題犬になる可能性もあるので、注意が必要でもあります。
ここでは、ジャーマン・シェパード・ドッグの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の歴史
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の特徴
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の健康
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の食事
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の運動
- ジャーマン・シェパード・ドッグ のしつけ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の手入れ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ の価格
- まとめ
ジャーマン・シェパード・ドッグ の歴史
優秀な軍用犬を目的に生まれた犬種
ジャーマン・シェパード・ドッグ(ドイツ語: Deutscher Schäferhund)は、「ドイツの牧羊犬」という意味であり、19世紀後半にドイツで開発された犬種です。
もともとは羊を誘導し、管理するための牧羊犬として用いられました。
彼らは優れた知能、適応力、忠誠心を持ち、様々な職業に適応できることで知られています。
日本国内ではシェパードと呼称されています。
その歴史は浅く、第一次世界大戦の前の1880年代後半に、マックス・フォン・シュテファニッツ(Max von Stephanitz)という人物によって作出が始まりました。
ドイツで優秀な軍用犬を作出する為、各地の作業犬種の調査を行なった結果、彼は、19世紀末にドイツの羊飼いが使っていた働く犬を見て、その優れた性能と品種の可能性に魅了されました。
牧羊犬として古くから飼育されていたオールド・ジャーマン・シェパード・ドッグ(当時は「ジャーマン・シェパード・ドッグ」の呼称)という牧羊犬が選択されました。
これによって繁殖と改良を加えて1899年に完成された犬種がジャーマン・シェパード・ドッグです。
マックス・フォン・シュテファニッツは、知能、筋力、持久力、忠誠心を持つ犬を作るために、厳格な品種基準を設けました。
彼はまた、ショーや競技会を通じてジャーマン・シェパードの普及に尽力しました。
第一次世界大戦と第二次世界大戦では、ジャーマン・シェパードは軍用犬として活躍しました。
彼らは嗅覚が優れているため、爆弾探知や通信業務、負傷兵の救助などに使われました。
大戦後、多くのジャーマン・シェパードがアメリカやイギリスへ渡り、その優れた能力が広まりました。
元々は優秀な軍用犬として誕生したジャーマン・シェパード・ドッグですが、現在では警察犬や麻薬探知犬など犯罪捜査犬、災害救助犬、盲導犬など様々な分野で大活躍しています。
彼らの知能と適応力から、様々なドッグスポーツや検索救助活動にも活躍しています。
ジャーマン・シェパード・ドッグ の特徴
精悍で鋭い風貌に、知性・精神的にも能力の高い犬種
ジャーマン・シェパード・ドッグ(は、多くの顕著な特徴を持つ犬種です。
以下は、ジャーマン・シェパードの主な特徴を分かりやすく説明したものです。
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大きさと体格:
ジャーマン・シェパードは大型犬の中では小柄な方ですが、彼らは筋肉質で、しっかりとした骨格を持っています。 -
コート(被毛):
ジャーマン・シェパードは二重コートを持っており、外側の被毛は直毛で密度が高く、内側のアンダーコートは柔らかくて暖かいです。
基本的に短毛ですが、ごく稀に長毛の個体もいます。
彼らの毛色は、ブラック・アンド・タン(黒と茶)、ブラック・アンド・レッド(黒と赤)、ブルー、サブルなど、さまざまな色があります。
中でも白い個体が存在しますが、「ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ」という別犬種として存在しています。 -
頭部と顔:
彼らの頭部は、頑丈で幅広く、目はアーモンド形で知的な表情をしています。
耳は立っており、精悍でオオカミのような顔付きが印象的です。 -
尾:
ジャーマン・シェパードの尾は通常、長くて下向きに垂れています。 -
性格:
ジャーマン・シェパードは知能が高く、忠実で勇敢です。
彼らは家族に対しては非常に愛情深く、献身的であり、保護本能が強いため、優れた番犬としても知られています。
また、適切な社会化と訓練が行われた場合、他のペットや子供とも上手く共存できます。
ただ、しっかりと適切なしつけを行わないと、自分が最上位の存在と認識してしまい、攻撃的な性格になってしまう可能性があります。 -
能力:
ジャーマン・シェパードは、優れた嗅覚や運動能力を持っており、警察犬や検査犬、救助犬としても活躍します。また、彼らは学習能力が高く、様々な犬のスポーツや競技にも適応できます。
これらの特徴が、ジャーマン・シェパード・ドッグを非常に魅力的で、多くの人々に愛される犬種にしています。
ただし、彼らはエネルギーが高く、適切な運動や刺激が必要です。
総合的に見ると、ジャーマン・シェパード・ドッグは、その知能、忠誠心、勇敢さ、そして適応性の高さから、多くの人々にとって素晴らしいコンパニオンとなります。
彼らに適切な訓練、運動、そして愛情を与えることで、彼らは家族として長く幸せな生活を送ることができます。

外見 |
・体高より体長がやや長く、腰の下がった体型 |
性格 |
・基本的には、知性・精神的にも能力の高い |
体重 | 30~41kg |
体高 | 61~66cm |
ジャーマン・シェパード・ドッグ の健康
「股関節形成不全」の要注意
ジャーマン・シェパード・ドッグ の平均寿命は、9〜13年ほどで一般的に健康な犬種ですが、いくつかの遺伝的な健康問題に注意する必要があります。
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股関節形成不全(Hip Dysplasia):骨盤の関節が正常に発達しないため、関節炎や痛みを引き起こすことがあります。
遺伝的要因と栄養の問題が関与しています。
「股関節形成不全」は、重症化すると歩行困難に至ることがあります。
軽度のものは運動による筋肉の補強で終生を過ごすことができる場合もありますから、早期発見に努め、獣医師とも相談して早めに対応を行いましょう。⇒「股関節形成不全(詳細)」 -
肘関節形成不全(Elbow Dysplasia):
肘関節の成長異常で、関節炎や痛みを引き起こします。
適切な遺伝的スクリーニングが重要です。⇒「肘関節形成不全(詳細)」 -
脊椎疾患(Degenerative Myelopathy):
脊髄の疾患で、運動障害や麻痺を引き起こすことがあります。
遺伝的要因が関与し、遺伝子検査が可能です。 -
胃捻転:
胃が過度に拡張し、回転することで緊急事態となります。
適切な食事管理と小分けにして与えることが予防に役立ちます。⇒「胃捻転(詳細)」 -
アレルギー:
皮膚アレルギーや食物アレルギーが発生することがあります。
原因を特定し、適切な食事やスキンケアを行うことが大切です。⇒「アレルギー(詳細)」
これらの健康上の注意点に注意して、獣医と協力して定期的な健康チェックを行い、適切なケアと運動を提供することで、ジャーマン・シェパード・ドッグは健康的で幸せな生活を送ることができます。
ジャーマン・シェパード・ドッグ の食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
ジャーマン・シェパード・ドッグに適切な食事を与える際の注意点は以下の通りです。
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栄養バランス:
高品質のドッグフードを選び、犬の年齢、体重、活動レベルに応じた適切な栄養バランスが重要です。 -
適切な量:
過食や肥満を避けるため、獣医の指示に従って適切な量のフードを与えてください。1日の食事量を2-3回に分けることで胃の負担を減らし、腸扭転症のリスクを低減できます。 -
成長期の注意:
ジャーマン・シェパード・ドッグは急激に成長するため、特に成長期にはカルシウムやリンの適切な摂取が重要です。栄養過多による骨や関節への負担を避けるため、獣医の指示に従って適切なフードを選びましょう。 -
アレルギー対策:
アレルギーを持つ犬には、アレルゲンを含まないハイポアレルゲニックなフードや特別な食事療法を提供することが必要です。アレルギーの症状が現れた場合は、獣医と相談して適切な対策を行ってください。 -
タンパク質:
筋肉の健康と発育に必要なタンパク質を十分に摂取させることが重要です。しかし、タンパク質が過剰になると腎臓に負担をかけることがあるため、適切なバランスが大切です。
ジャーマン・シェパード・ドッグの健康を維持するために、適切な食事管理を行い、獣医と相談しながら適切な栄養素を与えることが重要です。
ジャーマン・シェパード・ドッグ の運動
朝晩1時間ずつの散歩を
運動はしっかりと行う必要があり、出来るだけ朝晩1時間ずつの散歩をしてあげてください。
運動が大好きな犬種なので、運動不足によるストレスは問題行動を起こす原因となります。
また、知的なので、ゲームを取り入れると、楽しんでくれるでしょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグ のしつけ
しつけはしやすい?
従順で命令に対しては最後まで全うしようという強い責任感を持っおり、知能もかなり高いのでしつけ自体はしやすいでしょう。
家庭犬として飼育する場合は、室内で人のそばに置くことで、自分に与えられた役割を考えようとし、家族の求めているものを把握するようになり、心強いパートナーとなるでしょう。
逆に、屋外などで放置して飼育すれば、精神的ストレスから防衛能力や警戒心を前面に出すようになり、番犬としては優秀でも家庭犬としては不向きな攻撃的な性格になってしまいます。
目的に沿った飼育方法を行うこと、指示を与える人間とは訓練により強い信頼関係を築くことが、シェパードには一番大切です。
家庭だけでなく、ドッグトレーナーに預けての訓練もおすすめします。
また、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

ジャーマン・シェパード・ドッグ の手入れ
少なくとも週に3回程度はブラッシングを
ジャーマン・シェパード・ドッグは短毛であっても、ダブルコートですので、意外と抜け毛があります。
撫でたりすると、気付かないうちに多くの毛が手や服に付きます。
少なくとも週に3回程度はブラッシングをしてあげましょう。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグ の価格
20万円前後が相場
ジャーマン・シェパード・ドッグをペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、20万円前後が相場となるでしょう。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 性格的にも能力的にも優秀な犬種
✔ 幼い子犬時代のしつけは必ず行う事!
様々な役割をこなす事が出来る恵まれた運動能力と、非常に賢く献身的であり、責任感の強い性格をしています。今現在も警察犬を始め、災害救助犬や麻薬探知犬など様々な使役をこなしてくれている非常に優秀な犬種です。
そんな優秀な能力を持つジャーマン・シェパード・ドッグですが、幼い子犬の頃からしっかりとした教育を行ってあげないと、誰にも服従しない攻撃的な性格になってしまう恐れもあります。
ですので、必ずしつけを行い、自身が無い時はプロのトレーナーさんに依頼する事も考えましょう。
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