~「トイレを失敗する」は、実は「トイレのしつけの失敗」⁉
犬のトイレにしつけは極めて重要です。
われわれ人間が犬にトイレの場所を教えてあげないと、犬は分かりません。
よく「トイレを失敗する」と言われますが、実際は「トイレのしつけの失敗」なのかも知れません。
ドッグカフェや旅行時のペット同伴可能な宿泊先でも、しっかりとトイレトレーニングが出来ていないと、困ることになります。
また、トイレトレーニングを間違った方法で行うと、逆効果にもなります。
ここで正しい方法を確認し、決して焦らず、額実に、根気良くがんばりましょう。
- 犬のトイレトレーニングの始める時期
― トイレのしつけの注意点 - 犬のトイレトレーニングについて
ー トイレの場所について
ー 犬のトイレサインを読み取る
ー トイレトレーニングの手順
ー トイレを変える時の注意 - 犬のトイレトレーニングで気を付ける事
- 犬がトイレを失敗してしまう
― トイレを失敗する原因 - トイレのはみ出し防止について
― トイレの囲いについて - まとめ
犬のトイレトレーニングの始める時期
~まだ小さな子犬の時期から始めるのが良い⁉~
結論から申し上げますと、我が家に犬を迎えた直後から始めるようにしましょう。
「まだ小さいからかわいそう」や「家に慣れてからにしよう」など可愛いあまりに色々と気にしてしまう気持ちは十分に分かります。
しかし、トイレは毎日何度も行われる行為ですので、すぐに習慣化してしまいます。
そうなってしまうとトイレのトレーニングが難しくなってしまいます。
それは、結果的に愛犬に苦労させてしまう事にもなります。
ですので、愛犬がどこでもトイレをしまうという習慣が身に付く前に、家に迎えたらすぐにトイレトレーニングを始めましょう。
トイレのしつけの注意点
~叱ったり、叩かないでください~
下記のNG例のように無理矢理や力づくでのしつけは逆効果になります。
ましてや大声で叱ったり、叩いたりするのは、論外です。
褒めて伸ばす事を心掛けましょう。
NG例:
●「間違った場所で用を足した→大きな音など不快感(罰)を与えた」
この方法では、犬は「用を足した=叱られる」と解釈してしまう危険があります。
その結果、飼い主に隠れておしっこをしたり、自分の便を食べる食糞症(しょくふんしょう)になる可能性があります。●かなり昔から、「粗相をした場所に犬を連れて行き、鼻先を押し付け、お尻を叩く」という方法があります。
しかし、これは間違いです。犬は数分前の出来事と現在受けている罰を結びつけることが出来ません。
この方法は、犬からしたら、単純にいじめられているという事になります。
犬のトイレトレーニングについて
トイレのしつけは、犬を家族として迎えいれた時から最初にトレーニングを始める重要なしつけの一つです。
トイレのしつけができていないと、部屋の衛生上良い事はありませんし、飼い主さんにとって大きな負担になります。
まずは、しつけに入る前に「犬のしつけの基本理論」を理解しておいてください。⇒犬のしつけの基本理論
トイレの場所について
~愛犬が落ち着ける場所に~
犬は、寝床や休息場所などから離れた場所で用を足すのが一般的です。
犬のトイレは寝床や食事場所からなるべく遠い場所に置きましょう。
またドアのそばなど落ち着かない場所は避けるようにしましょう。
犬のトイレサインを読み取る
犬が便意を催しやすいのは、寝起き、えさを食べた後、運動の後です。
犬の主なトイレサイン |
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犬がいつトイレをしたかという排泄記録をつけておくと、トイレのタイミングを把握しやすくなります。
犬種によって前後はしますが、子犬の基本的なトイレの間隔は以下の通りです。
子犬のおしっこの間隔 | |
8~10週齢未満 |
1時間 |
10~12週齢未満 |
2時間 |
3月齢 |
3時間 |
4ヶ月齢 |
4時間 |
5ヶ月齢 |
5時間 |
6ヶ月齢以上 |
6時間以上 |
トイレトレーニングの手順
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- 犬のトイレサインが出たら、犬をトイレに連れて行きましょう。
- トイレで用を足せたら、「いいこ」などのほめ言葉を与えましょう。
トイレに失敗したときの対処法
そっと犬を隔離→粗相した場所をきれいに掃除をしたら、必ず消臭しましょう。
犬は自分のおしっこやうんちの匂いのある場所に、再び用を足そうとする習性がある為、消臭スプレーを掛けておきましょう。 - もし犬がトイレ以外の場所に粗相をしてしまったら、飼い主はまず犬をその場所から隔離します。
犬から見られない状況になったら、汚れた場所をキレイに拭きとりましょう。
注意:トイレをした後に犬をハウスに閉じ込めてしまうと、これは犬にとっての罰になる可能性があります。
結果として、「トイレで用を足してはいけない」と記憶してしまう可能性があるので、気を付けましょう。
※よくある間違い
○甲高い声で「あらー何やってるの!」などとしかる事です。
犬にとっては注目を受け、飼い主が喜んでいると思ってしまいます。
○飼い主が粗相の処理している姿を見せるのもNGです。
なぜなら「おしっこをしたら、飼い主さんが来て、構ってくれる」と思ってしまう可能性があります。
トイレを変える時の注意
ペットシーツを変える時
急にペットシーツを変えると、匂いが変わって犬がトイレとして認識してくれない可能性があります。
- 新しいペットシーツを1/3程度にカットして今まで使っていたペットシーツの端っこに置く。
- 犬が匂いや見た目に慣れてきたら、シーツの大きさを1/2→2/3と少しずつ大きくしていきます。
- 1週間程度かけて、ゆっくりと移行していきましょう。
トイレのトレー自体を変えると、犬が警戒して入りたがらなくなる可能性があります。
トレーを変える時
- 新しいトレーを部屋の中央に置き、犬に匂いを嗅がせ、警戒心を解きましょう。
- 新しいトレーを今まで使っていたトイレのそばまで移動し、犬が新しいトイレの存在を気にせずトイレできるようにしましょう。
- トイレと交換してみましょう。
それでも使ってくれない場合は、犬のおしっこを軽く塗りつけ、臭いを付けてみましょう。
犬のトイレトレーニングで気を付ける事
- 1.絶対に叱らない!
- どうしても失敗を繰り返されると、大きな声で叱りたくなる気持ちは分かります。
しかし、それが落とし穴で「叱る=しつけ」は間違いであり、逆効果になります。
最悪の場合、排泄すると怒られると勘違いし、自分のウンチを隠すために食べてしまったりと、問題行動を起こす可能性が高まります。 - 失敗してしまっても、心を穏やかにして、地道に練習しましょう。
本当に叱っても良いことは1つもありません。
- 2.トレーニング期間中は、目を離さない!
- ちょっと目を離したすきにオシッコされてしまう事は必ず起こります。
ほんの1秒でも隙があればオシッコをする事ができますから、絶対に目を離さないでいましょう。
常に注意を向ける事は不可能ではありますから、なるべくトイレをしてか目を離すようにしましょう。
- 3.失敗を繰り返す場所は管理!
- 部屋の隅などで失敗しやすいなら部屋の隅に行かせないようにゲートを付けたり、マットの上で排泄するようならマットを無くしてしまうなど、予防できるところは予防していきましょう。
犬がトイレを失敗してしまう
~わざとトイレを失敗している可能性も~
「いくらトイレをトレーニングしても覚えてくれない」という方もいらっしゃるでしょう。
もしくは、「トイレのトレーニングをマスターしたのに、最近よく失敗する」というように困っている方も少なからずいらっしゃると思います。
これらは、愛犬がわざと失敗している可能性があります。
つまり、寂しさのあまり、飼い主の気を引きたいが為にわざと失敗をする場合があります。
ですから、トイレを失敗してしまった時は、それに対してリアクションせずに愛犬とは目も合わせず、サッサと片付けましょう。
そのようにならないようも、普段から散歩や愛犬とのコミュニケーションをしっかりと行い、愛犬にストレスを与えないことを心掛けましょう。
トイレを失敗する原因
●飼い主の注意を惹きたい
上でも述べたように、飼い主の気を引きたい一心でわざと失敗をする場合があります。
これは愛犬に対して、寂しい思いをさせてしまっているからですので、叱らないであげて下さい。
トイレを失敗してしまった時は、いちいちリアクションせず、サッサと片付ける事が肝心です。
そして、なによりも常日頃から散歩を含めて愛犬とのコミュニケーションをしっかりととり、なるべくさみしいというストレスを与えないことが大切です。
●精神的に落ち着かない
人がよく出入りするドアのそばやテレビの近くなど音がうるさい場所や、トイレが汚れていたりすると排泄を我慢してしまったり、他の場所で排泄をしてしまうこともあるります。
ですので、トイレの位置は犬にとって落ち着ける場所を選び、トイレはこまめに掃除するようにしましょう。
●病気
何らかの病気が原因でトイレの回数が異常に増え、粗相をしてします事もあります。
また、老化により漏らしてしまう事もありますので、愛犬の様子を見て、気になるようでしたら、早めに病院へ相談しましょう。
トイレのはみ出し防止について
~体のサイズに合ったトイレを用意しましょう~
トイレの場所はしっかりと認識しているけど、どうしてもトイレシートからはみ出てしまうというのは、よくある話ではあります。
「場所はあっているから、仕方ないか」とあきらめている方も多いと思います。
でも、やはりきちんとはみ出さないでトイレをしてもらいたいですよね。
その為にも愛犬の体のサイズに合ったトイレかを確認しましょう。
体重3kg以下の超小型犬は、レギュラーサイズで良いと思います。
ミニチュア・ダックスフンドのような胴が長い犬種は、ワイドサイズがオススメです。
犬の習性でトイレシートの上をくるくる回ってから排泄する犬も多いので、回れるスペース分も考慮して選びましょう。
柴犬くらいの8㎏以上の犬は、スーパーワイドサイズのトイレが良いでしょう。
トイレの囲いについて
~囲いを手作りでもOK~
どうしてもトイレからはみ出てしまって困っているという方は、トイレをサークルで囲んでおくと、オシッコがシートの外にはみ出しにくいので安心です。
囲いを手作りで行うと、自分の愛犬の体格に合わせたものを用意することが出来るので、「トイレのはみ出し」もかなり軽減されるでしょう。
このサイトとは全くの無関係ではありますが、下記のリンクに手作りでトイレの囲いを作る方法が丁寧に紹介されていますので、もし良かったら参考になさって下さい。
【トイレシートもズレない! 犬のトイレに囲いを手作り】
または、レギュラーサイズのトイレシートを複数枚重ねながら広めに敷くことで、はみ出しを防止し、吸収したシートだけを処分すればよいので効率的でもあります。
まとめ
✔ トイレの場所は落ち着ける場所に
✔ 決して大きな声で叱らず、褒めて伸ばすように
✔ トイレに失敗したら、リアクションせず、黙って片付けましょう
トイレのしつけは非常に重要なトレーニングであり、つけの中でもトップクラスに根気が必要です。
ですので、決してムキにならず、われわれ飼い主も広い心を持って、地道にしつけに臨む必要があります。
トイレの場所はトイレ中に気が散らない落ち着ける場所を選んであげましょう。
扉や部屋の入口付近を避けて、部屋の奥などを選んであげましょう。
また、トイレに失敗してしまうと、イラっとしてしまう事もあると思います。
しかし、そこは叱ってはいけませんし、ましてや体罰はもっての外です。
そこで叱ると排泄行為自体が怒られる行動だと思ってしまい、排泄した事を隠すために排泄物を食べてしまったり、どこか見えない場所に咥えて隠してしまう可能性もあります。
ですから、褒めて伸ばす事を心掛けて臨みましょう。
トイレのしつけを終えたとしても、失敗する事があります。
その時も決して怒らず、黙って片付けて下さい。
家でトイレを失敗してしまうと、臭いや衛生面で大変なストレスとなります。
トイレトレーニングに近道はありません。地道に成功を繰り返していきましょう。
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