~アイコンタクトは全てのしつけの基本~
犬との信頼関係を築くためには、お互いの視線を通じてコミュニケーションを取ることが重要です。
そう、それがアイコンタクトのしつけなのです。
このページでは、犬のアイコンタクトのしつけについて詳しく説明します。
アイコンタクトのしつけは、犬との深い絆を築くだけでなく、彼らが私たちの指示を理解しやすくするための基本的なスキルです。
しかし、それだけではありません。
アイコンタクトを通じて、我々は愛犬の感情や意図を読み取ることも可能になります。
愛犬とのアイコンタクトは、彼らが私たちに注意を払っていることを示すため、しつけの最初の一歩とも言えます。
それはまさに、犬と飼い主との間の「会話」の始まりです。
犬が私たちの視線を追っているとき、それは私たちの言葉を理解しようとしている証拠です。
ここでは、アイコンタクトのしつけの方法、それが犬に与える影響、そして最終的には、飼い主と犬との良好な関係を構築するための重要な手段となることを分かりやすく解説します。
あなたと愛犬との絆を深めるために、ぜひともこの情報を活用してください。
また同時に「おいで」や「来い」のしつけも併せて行いましょう。
- なぜアイコンタクトが必要なのか?
- アイコンタクトのしつけの基本
- アイコンタクト(おいで・来い)の実践
ー 名前を呼びながらごほうび
ー 犬の気をそらしながら名前を呼ぶ
ー いろいろな体勢や環境で名前を呼ぶ
ー ハンドシグナルを教える
ー ごほうびを徐々に減らす - しつける際の注意点
- まとめ
なぜアイコンタクトが必要なのか?
~アイコンタクトは信頼の証~
アイコンタクトは人間と犬のコミュニケーションにおいて極めて重要な役割を果たします。
それはなぜかというと、まず第一に、アイコンタクトはお互いの関心を示す最も基本的な方法であり、犬があなたに注目していることを確認する手段となります。
アイコンタクトを通じて、犬は我々の指示や意図をより良く理解できるようになります。
それは、人間が話している言葉を理解するのではなく、私たちの表情や視線を読み取ることによって行われます。
これは犬が他の犬や動物とコミュニケーションをとる方法と似ています。
したがって、しっかりとアイコンタクトを取ることで、あなたの犬はあなたの感情や意図をより正確に読み取ることができます。
また、アイコンタクトは犬にとっての信頼関係を築くための重要な手段でもあります。
あなたとのアイコンタクトは、あなたがリーダーであることを確認する瞬間であり、それによって犬は安心感を感じます。
逆に、アイコンタクトを避ける犬は、不安や恐怖を感じている可能性があります。
また、アイコンタクトは訓練の一環としても使用されます。
例えば、「待て」のコマンドを教えるとき、まずはアイコンタクトを取り、その後にご褒美を与えることで、犬は待つこととアイコンタクトを取ることがリンクするようになります。
以上のような理由から、犬とのアイコンタクトはとても重要であり、その訓練は犬との強い絆と良好なコミュニケーションを築くための基礎となるのです。
アイコンタクトのしつけの基本
~アイコンタクト=いい事がある~
アイコンタクトのしつけは、犬との信頼関係を築く基本的なステップです。
ここでは、その基本的な手順について説明します。
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落ち着いた環境で始める:
まずは無理にアイコンタクトを強いるのではなく、犬がリラックスして、安心してあなたと一緒にいられる環境を作りましょう。
遊びや食事の時間など、犬が自然にあなたに注目する瞬間を選ぶと良いでしょう。 -
犬の目を見る:
次に、あなたが犬の目を見ます。
しかし、じっと見つめすぎると犬は圧迫感を感じることもあるので、自然な視線を心がけましょう。 -
犬が目を合わせたら褒める:
犬があなたの目を見たとき、すぐに声を出して褒めたり、好きなおやつをあげたりして反応を示しましょう。
これにより、犬は「人間の目を見ると良いことがある」と理解するようになります。 -
時間を延ばす:
最初は数秒のアイコンタクトでも褒めてあげましょう。
そして、少しずつ時間を延ばしていくようにします。
しかし、無理に長時間のアイコンタクトを強いると、犬がストレスを感じることもあるので注意が必要です。 -
日常の中に取り入れる:
アイコンタクトの訓練は日常生活の中で自然に行うことが重要です。
例えば、散歩前や食事の前など、犬があなたに注目するタイミングで練習すると良いでしょう。 -
強制しない:
犬が嫌がる場合や、あまりにもストレスを感じているようなら、無理にアイコンタクトを求めないでください。
アイコンタクトは信頼関係を築くためのものであり、無理に行うと逆効果になることもあります。
犬の性格や年齢、経験によってアイコンタクトのしつけにかかる時間は異なります。
犬の集中力はせいぜい10~15分程度しか持ちません。
焦らず、犬のペースに合わせて進めていきましょう。
アイコンタクト(おいで・来い)の実践
~ほめながらごほうびの「おやつ」をあげましょう~
まずはしつけに入る前に「犬のしつけの基本理論」で述べている大原則、「犬をじらせておくこと」「一つの刺激と快不快を混在させないこと」「ごほうびと罰のタイミングを間違えないこと」「しつけ方針に家族全員が一貫性を持たせること」を念頭においてください。
1step:名前を呼びながらごほうび
-
- ごほうびを手に持ち、犬の注意を引きます(まだアイコンタクトは必要ありません)。
- 犬の名前をはっきりと1回呼んだ後、1秒以内におやつを与えましょう。
必ず「名前→ごほうび」という順番で1秒以内に行って下さい。
これにより、「名前」に対して良いイメージが根付きます。 - 指先でおやつを持ち、犬の視線をわざとずらして下さい。
- 名前を呼びましょう。
目が合ったら1秒以内におやつを与え「いいこ」といって頭を軽くなでてあげます。
(※連続で5回できるようになったら次のステップに進んでみましょう。)
2step:犬の気をそらしながら名前を呼ぶ
- 犬との間に1mくらいの間隔をあけて立ちます。
- 犬がそっぽを向いていることを確認した上で、はっきりと名前を呼んであげます。
- 犬が声に気づいて飼い主の顔を見上げた瞬間、1秒以内におやつを与え、「いいこ」といって頭を軽くなでてあげます。
- しばらく時間を置き、犬が再びそっぽを向いていることを確認した上ではっきりと名前を呼んでみます。
- 犬と目が合った瞬間、同じようにごほうびを与えてほめてあげます。
- 慣れてきたら、2m離れて名前を呼んでみましょう。
(※名前を呼んでいるにもかかわらず、犬がなかなかこちらを向いてくれないような時は、いったん自由行動をさせるなど環境に慣れさせましょう。
環境に慣れたタイミングで再び名前を呼んでみましょう。)
犬がそっぽを向いていることを確認した上で、はっきりと名前を呼んであげます。 - 犬がこちらを向いたら、おやつを持った手を犬の目の高さまで下げ、足元に来るよう誘導してあげます。
- 足元に来たら、おやつを与えてほめてあげましょう。
愛犬のお気に入りのおやつを探す
愛犬がどんなおやつに興味を示すかは、実際に与えてみなければ分かりません。
また、いつも同じおやつだと飽きてします可能性もありますので、愛犬が大好きなおやつをいくつか把握しておきたいものです。
また、愛犬が幸せそうにおやつを食べる姿は、われわれ飼い主にとっても幸せな瞬間の一つです。下記は様々なおやつを扱っているサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のおやつを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
3step:いろいろな体勢や環境で名前を呼ぶ
- 犬に対して、横向きや背中を見せて名前を呼んでみましょう。
- 犬が飼い主の正面に回り込み、顔を見上げてくれたらおやつを与えてほめてあげましょう。
- 窓が開いていたり、テレビが付いていたり、おもちゃで遊んでいる環境の中でも名前を呼んでみましょう。
飼い主に呼ばれたらいつでもアイコンタクトを取り足元に近寄る練習を根気よく繰り返しましょう。
4step:ハンドシグナルを教える
生まれつき聴覚に障害を持っている子や老齢により耳が不自由な場合、または声が聞こえないような騒音の中などでは、言葉による指示語は通じません。
ですので動作によるハンドシグナルを教えておく必要があります。
犬の耳が不自由な場合:
事前に決めておいたハンドシグナルを見せ、犬と目が合った瞬間におやつを与えてほめてあげます。
ハンドシグナルの例としては「目と目の間に人差し指を置く」などです。
犬の耳が不自由でない場合:
- 犬の耳が不自由でない場合は、名前でのしつけを全て終え、「ハンドシグナル」と「名前」を結びつけるようにしましょう。
- 次に犬と2mぐらいの距離を置き、ハンドシグナルを見せてみます。
犬がごほうびを期待して足元に近づいてきたらおやつ与えてほめてあげましょう。 - 名前を呼ぶ直前にハンドシグナルを見せてあげます(例:目と目の間に人差し指を置くなど)。
ハンドシグナルと名前は同時ではなく、必ず「ハンドシグナル→名前」という順序で行って下さい。 - 犬がアイコンタクトをとって足元に近づいてきたらおやつ与えて、「いいこ」とほめてあげます。
- 名前を呼ぶ声のボリュームを少しずつ下げていき、名前を呼ばなくてもハンドシグナルを見ただけで犬がアイコンタクトを取り自分の足元に近づいてきてくれるようにしましょう。
ごほうびを徐々に減らす
- 犬がアイコンタクトを確実に覚えたら、おやつを与える回数を「2回に1回」→「3回に1回」→・・・と徐々に減らしましょう。
- 最終的には「いいこ」などの褒め言葉だけで済ませるようにしましょう。
ただし間欠強化で犬の行動を強化するため、犬の大好きなとっておきのおやつをたまにランダムで与えるようにしましょう。
しつける際の注意点
~呼ぶときは名前だけを呼ぶように~
犬のしつけを行う際は以下の点に注意して進めていきましょう。
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ポジティブな環境作り:
しつけは厳しく行うものではなく、犬にとってポジティブな経験となるべきです。
怒鳴ったり、無理に物事を強いることは逆効果です。
犬が喜び、信頼できる環境を作り出すことが大切です。 -
報酬の使用:
正しい行動をしたときには褒める、ご褒美をあげるなど、犬にポジティブなフィードバックを与えることで、行動を強化します。
ただし、ご褒美はすぐに与えることが大切です。
犬は行動と結果の間に直接的な関連性を認識するため、行動直後に報酬を与えることで、どの行動が評価されたのかを理解しやすくなります。 -
一貫性:
しつけにおいて一貫性は非常に重要です。
全ての家族が同じルール、同じコマンドを使うことで、犬は混乱することなく何が求められているのかを理解しやすくなります。 -
無理な期待をしない:
犬によっては、特定のしつけに時間がかかることもあります。
また、全ての犬が全てのコマンドや技を理解できるわけではありません。
犬のペースを尊重し、無理な期待をせずに根気よく続けていくことが大切です。 -
恐怖やストレスの兆候に注意:
しつけの過程で犬が恐怖やストレスを感じていると思われる兆候(震え、過度のハァハァ、無駄吠えなど)が見られた場合は、すぐにその行動を止めてください。
これらの兆候は、犬が現状に不安を感じている可能性を示します。
状況を見直し、犬が落ち着いてコミュニケーションを取れる環境を再度作り上げましょう。
しつけは犬とのコミュニケーションであり、愛情をもって行うことが大切です。
犬の個性や特性を理解し、それぞれに適した方法を選んでください。
まとめ
✔ 名前を呼ばれるといい事があると思わせる
✔ 決して、叱ったり叩いたりしない
✔ 呼ぶときは名前だけを呼ぶように
アイコンタクトは、お互いの信頼関係の証です。
お互いが愛情を持って見つめ合うと、われわれ人間も犬たちも幸福感をもたらすオキシトシンの分泌が促進されると言われています。
ですから、たくさん見つめ合えるようにしましょう。
アイコンタクトの教え方は、「名前を呼ばれる事が愛犬にとって良いイメージ」になるようにしなくていけません。
ですから、アイコンタクトのトレーニング中に叱ったりすると、名前を呼ばれた後、叱られると思ってしまう可能性もありますので、注意しましょう。
また、呼ぶときは必ず名前だけを呼ぶようにしましょう。
「名前+来い」など複数の単語が入ると、犬も混乱してしまうので、われわれ飼い主も意識しましょう。
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