犬の最適な名前と指示語~名前を呼んではいけないタイミングがあります~

犬との絆を深め、幸せな共同生活を送る秘訣を知りたくありませんか?

名前の選び方から、効果的な指示語や命令方法まで、愛犬との円滑なコミュニケーションを築くためのポイントをお伝えします。
これらのアドバイスを活用し、愛犬との絆をさらに強化しましょう!

犬に名前を付けるときのポイントや効果的な指示語や命令方法、また代表的なハンドシグナルについて解説します。
意外と知らないしつけのポイントがあります。



条件付けを活用した効果的な犬のしつけテクニック

「パブロフの法則」を使ったわかりやすいしつけ法

二次的報酬を作り上げる

犬とのコミュニケーションに「パブロフの法則」を利用すると、犬を引き付けたり褒めたりするのに役立ちます。
二次的報酬は、おやつやエサ、おもちゃのような犬に直接喜びを与える一次的報酬に加えて、「いい子だ!」や「よくできた!」などの言葉で犬の喜びを間接的に引き出す方法です。

例えば、「いい子だ!」と言ってすぐにおやつを与える練習を繰り返すことで、犬は「いい子だ!」と聞くだけでおやつがもらえると期待するようになります。結果として、実際におやつがもらえなくても、「いい子だ!」という言葉だけで喜ぶようになります。この方法を使って、犬とのコミュニケーションをより楽しく効果的に進めましょう。

二次的報酬の使いどころ

○ほめ言葉 ほめ言葉とは、「いいこだ!」・「よーし!」・「グッド!」など、犬が理想通りの行動をとってくれたときに、おやつの代わりに用いる言葉です。
 その時々で言葉を変えずに、言葉を固定して使い続けることが重要です。その言葉は家族間でも徹底させましょう。

○呼び言葉 呼び言葉とは、犬の注目を自分に向けたいときに用いる犬の名前やクリッカ―のクリック音や指笛などの音のことです。
 犬はこの呼び合図を聞くたびに、飼い主の方を向いてくれます。

○解除語 解除語とは、ある特定の行動をとっていた犬が、飼い主の元に来るよう伝える言葉です。
「よし!」や「OK!」などがありますが、日常生活で頻繁に出てくる言葉より、「おわり」や「カモン!」など普段あまり使わない言葉の方が良いでしょう。

二次的罰を作り上げる

犬がイタズラをしたとき、ちょっとした「お仕置き」で正しい行動を教えることが大切です。
二次的罰は、「ノー!」や「だめ!」といった言葉で犬の悪い行動に対する反応を引き出す方法です。

例えば、犬がちょっとした悪さをしたときに、「ノー!」と言ってからしばらく無視すると、犬は「ノー!」と聞くだけで「おや?飼い主に無視されるのは嫌だなぁ」と感じるようになります。

この二次的罰を上手に使うことで、犬はちょっとした悪さをやめて、飼い主の言うことをよく聞く良い子になるでしょう。
さあ、犬との楽しいしつけライフをスタートしましょう!

オペラント条件付けをしつけに生かす

オペラント条件付けは、行動心理学で用いられる学習理論の一つで、行動とその結果によって生じる報酬や罰によって学習が進行するという考え方です。
簡単に言うと、何らかの行動をした後に良い結果が得られると、その行動が増える一方、悪い結果が得られると、その行動が減るという仕組みです。

例えば、犬が座る行動をした後におやつがもらえると、犬は「座ることでおやつがもらえる」と学習し、今後も座る行動を繰り返すようになります。
これは、報酬によって行動が強化されるオペラント条件付けの一例です。
逆に、犬が望ましくない行動をした際に、何らかの罰を与えると、犬はその行動を繰り返さなくなります。

オペラント条件付けは、犬のしつけや訓練において非常に効果的であり、報酬や罰を適切に用いることで、犬が理解しやすく、望ましい行動を身につけることができます。

オペラント条件付け・基本4パターン

○自動トレーニング 

行動捕捉とも呼ばれる方法で、犬が自分から特定の行動を行った瞬間に、ご褒美や罰を与えてその行動への積極性を変える方法です。簡単に言えば、ちょうど良いタイミングで犬の行動を捉えて、その行動を増やしたり減らしたりすることです。

例えば、偶然飼い主と目が合った時に、犬の名前を呼びながらおやつをあげることで、次から名前を呼ばれると顔を向けるようになります。
この方法を使って、犬の良い行動を励ますことができます。

○ルアートレーニング 

ルアリングとは、おやつやおもちゃを使って犬を特定の行動に導く方法です。
この方法で犬を自然に望ましい行動に誘導し、その行動を繰り返すようにさせます。

例えば、おやつを犬の頭より高く持ち上げ、犬が座るタイミングで「おすわり!」と指示を出しておやつをあげることで、犬は「おすわり!」と言われると座ることを学びます。
このように、ルアリングを上手に活用することで、犬の訓練を効果的に進めることができます。

○刺激を用いる 

犬の行動を力や刺激によって強制的に変えることです。
簡単に言うと、無理やり犬に行動を変えさせる方法です。

例えば、犬が無駄吠えをしているときに、人の手でマズルを押さえつけたり、大きな音を出して鳴き止んだ瞬間にご褒美を与えることがあります。
しかし、この方法は犬にストレスを与え、トラウマを引き起こすこともあるので、慎重に扱う必要があります。
犬には、強制的なしつけではなく、優しく、穏やかな方法でコミュニケーションをとることが大切です。

段階的接近法 

「シェイピング」や「連鎖法」と呼ばれる手法で、

犬に目標とする行動を段階的に教え、徐々に目標に向かって進める方法です。簡単に言えば、目標に向けて小さなステップを踏んで行動を変化させることです。

例えば、犬にフリスビーを持ってこさせるという目標がある場合、まずはフリスビーを見せてからエサを与え、次に鼻に触れたらエサを与える、なめたらエサを与える、くわえたらエサを与えるという具合に、小さなステップを踏んで徐々に犬を目標に向かって導きます。このように段階的にしつけることで、犬は無理なく訓練を受けることができ、より確実に目標を達成することができます。

上記のいずれの方法もしつけするこちら側の態度の一貫性と行動の直後に賞罰を与える事が重要です
詳しくは犬のしつけの基本理論をご覧ください。


犬に最適な名前をつける

犬にとって、名前は二次的報酬の最も代表的なもののひとつです。
しかし、犬は母音(アイウエオ)は聞き取りやすいものの、子音(カ行、サ行、タ行など)は聞き取りづらい傾向があります。
そのため、犬に名前をつける際は、シンプルかつ個性的なものが良いでしょう。

犬の名前を呼ぶ際は、必ずその後に犬にとって良いことがあるというイメージを持たせることが大切です。
そのため、絶対に犬を叱ったり怒ったりしないようにしましょう。
犬は名前を呼ばれたときにポジティブなイメージを持つようになり、より良好なコミュニケーションを築くことができます。


犬に最適な命令方法

犬にハンドシグナルを教える

「ハンドシグナル」とは、手で指示を出すことで犬に命令を伝える方法です。
音声だけでなく、手で指示を出せば、騒がしい環境や老犬の場合でも効果的にコミュニケーションをとることができます。

例えば、「座る」という命令には、手を上に上げることで伝えることができます。
また、「おいで」という命令には手を自分に向けて握り、犬を呼び寄せることができます。
これらの手の動きは、犬にとって視覚的に捉えやすく、耳が遠くなった老犬や騒がしい環境でも効果的に命令を伝えることができます。

ハンドシグナルを犬に教えておけば、より良好なコミュニケーションを築くことができ、犬との関係をより深めることができます。

ハンドシグナルを教えるコツ

犬にハンドシグナルを教える際には、学習済みの指示語の直前にハンドシグナルを提示することが大切です。
具体的なタイミングは、ハンドシグナル→指示語→動作→ごほうびの順番で行います。

ただし、ポイントは、ハンドシグナルと動作を直接結びつけるという考え方ではなく、すでに学習済みの指示語とハンドシグナルを結び付けることが必要です。
例えば、「座る」という指示語に対して、手を上に上げることで「座る」という意味を持つように教えます。
このようにすることで、犬は指示語だけでなく、ハンドシグナルでも指示を理解できるようになります。

ハンドシグナルを教えることで、より正確なコミュニケーションが可能となり、犬との関係をより深めることができます。

まとめ

犬のしつけには、さまざまな方法があります。それぞれの方法には、それぞれの特徴があります。

古典的条件付けは、犬が望ましい行動をとった際に二次的報酬を与えることで、その行動を強化する方法です。例えば、おやつを与える直前に「いいこだ!」というほめ言葉を繰り返し聞かせることで、犬は「いいこだ!」という言葉を聞いただけでおやつをもらえると期待し、その行動を強化します。

一方、オペラント条件付けは、行動捕捉とも呼ばれる方法で、犬が自発的にある特定の行動を取った瞬間をとらえ、ごほうびや罰を与えることで、その行動に対する積極性を変化させる方法です。例えば、たまたま飼い主と目が合った瞬間に、犬の名前と同時におやつをあげることで、犬は名前を呼ぶと顔を向けるようになります。

ハンドシグナルは、手を使って指示を出すことで犬に命令を伝える方法です。音声だけでなく手で指示を出せば、騒がしい環境や老犬の場合でも効果的にコミュニケーションをとることができます。犬の名前も二次的報酬の代表的なもので、シンプルであり個性的なものが理想です。

これらの方法は、犬の性格や状況に合わせて柔軟に組み合わせて使うことが大切です。また、犬に対する指示やごほうびなどは、正確なタイミングと丁寧な声掛けが必要です。犬とのコミュニケーションを大切にし、犬が快適に過ごせる環境を整えながら、しつけを行うことが望ましいです。

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