~ 品評会での必須コマンドである「ヒール」~
「ヒール」とは、品評会で必ず行わなくてはならないトレーニングですが、実生活においてもこれを覚えておくと、散歩中の事故の防止にも役立ちます。
例えば、散歩中に愛犬が道路へ飛び出しそうになった際に、「ヒール」または「ツイテ」のコマンドを指示する事によって、行動を抑制させる事ができます。
散歩中の犬の安全を守る上で、「ヒール」や「ツイテ」をしつけておく事はとても重要です。
「ヒール」と「ツイテ」の意味はとてもシンプルで、下記の通りです。
✔ 「ヒール」:飼い主を追い越す事なく、左側に寄り添って歩く事
✔ 「ツイテ」:飼い主を追い越す事なく、右側に寄り添って歩く事
楽しいはずの散歩中、犬が車に轢かれたり通行人にぶつかって怪我をする危険性をなくすためには、あらかじめ両方をマスターしておく必要があり、犬の身の安全を守る上でとても重要です。
- 犬のヒールのしつけについて
ー ヒールのしつけについて
ー ハンドシグナルを教える
ー ごほうびを徐々に減らす
ー ツイテのしつけについて - まとめ
犬のヒールのしつけについて
NG例:
なかなか自分の横に来てくれない犬を、力ずくリードを引っ張る事。
犬の首への負担が大きい事と、「リード=怖い」とイメージしてしまう恐れがあります。
まずは「犬のしつけの基本理論」をしっかりと理解しておいて下さい。⇒犬のしつけの基本
また犬の集中力は10分~15分程度です。
集中力が無くなってきたと感じたら、潔くしつけを中断しましょう。
ヒールのしつけの手順
- リードに慣らし、リーダーウォークのしつけを終えておきましょう。
- まずは後ろからヒールポジション(左側)に移動する練習をしましょう。
右手でリードを持ち、4~5m程度を往復運動しましょう。方向転換の際に「回れ右」をして下さいです。
「回れ右」をするたびに犬は少し遅れますので、左手に持っていたおやつで、左側に誘導してあげましょう。
ヒールポジションに着いた瞬間「いいこ」などとほめ、おやつをあげて下さい。 - 今度は犬が飼い主よりも前にいる状態からヒールポジションにさせる練習をしましょう。
犬の気を引くおもちゃなどを床や地面に置き、その周りを反時計回りでぐるぐる歩きます。
犬はおもちゃが気になり、飼い主の横や前方に出ようとします。
リードがピーンと張ったら歩くのをやめ、犬が戻ってくるのを待ちましょう。 - ヒールポジションに着いたタイミングで左手に持ったごほうびを与えます。
- (犬がなかなかこちらを向かない場合は、名前を呼ぶのではなく、口笛や舌を鳴らして気を引いてください。)
- ヒールポジションに着いたタイミングで「いいこ」とほめ、ごほうびを与えて下さい。
犬のポジションが、しっかりと真横ではない場合、おやつで犬の鼻先を誘導しながら自分の左側に誘導して下さい。 - ヒールポジションに十分慣れたら、②を行い、ヒールポジションにつく瞬間に「ヒール!」とはっきり言って下さい。
ヒールポジションに着いたら、「いいこ」とほめ、おやつをあげて下さい。 - 同様に、③も行い、ヒールポジションにつく瞬間に「ヒール!」とはっきり言って下さい。
ヒールポジションに着いたら、「いいこ」とほめ、おやつをあげて下さい。 - 最後に確認をしましょう。
まずノーリードの犬から離れ、アイコンタクトを取った状態で「ヒール!」と指示を出してみましょう。
ヒールポジションに来てくれたら成功です。
ハンドシグナルを教える
犬の耳が不自由な場合や騒音の中など、声が聞き取れない状況でも指示を出せるように、ハンドシグナルも覚えさせましょう。
犬の耳が不自由な場合
「手のひらを後ろに向けて腕を斜め45度に突き出す」というハンドシグナルを例にします。
- 【ヒールのしつけについて】の①~⑤までは同じです。
- ヒールポジションにつく瞬間にハンドシグナルを出すという練習を根気よく繰り返して下さい。
犬の耳が不自由でない場合
- 【ヒールのしつけについて】を全て終わらせます。
- ハンドシグナルを出してから、「ヒール!」と指示をして下さい。
- 指示語を出すときの声を少しずつ下げていきましょう。
最終的にはハンドシグナルだけでヒールポジションにつける状態にしましょう。
ごほうびを徐々に減らす
犬がしっかり「ヒール」を覚えたら、おやつを与える回数を「2回に1回→ 3回に1回→ 4回に1回・・・」と少しずつ減らしていきます。
最終的には「いいこ」などの褒め言葉だけで済ませるようにしましょう。
ただし、たまには犬の大好きなおやつをランダムであげて下さい。それにより、しつけが強化されるようになります。
ツイテをしつける
「ツイテ」とは、犬が飼い主の体よりも前に出ない状態で右側に寄り沿うことです。
手順は「ヒール」と同じように行いましょう。
まとめ
しつけを行う際は間違っても叱らないで下さい。しつけが逆効果になる可能性があるだけでなく、信頼関係を損なってしまいます。
『褒めて教える』という事を意識してしつけしましょう。
また、犬が集中できる時間は『10~15分』だと言われており、長々とトレーニングせず、短い時間で集中したトレーニングをい意識しましょう。
合図をかける際は『合図の掛け声を統一させる』ことも重要です。
犬が散歩中に突然飛び出して交通事故にあったり、突然他の犬や人に飛び掛かって怪我をさせてしまうような事故もヒールなどのツイテのしつけをマスターする事によって、未然に防ぐことができます。
何より飼い主さんの隣が好きな場所、嬉しい場所になるのは、飼い主にとっても喜びですよね。
トレーニングも重要なコミュニケーションの時間になります。
ぜひ楽しみながらトレーニングを行い、より良い愛犬との時間を過ごしてくださいね。
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