小さな体に宿る大きな愛、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
柔らかく美しい被毛に整った顔立ちが人気のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。
一般的に「キャバリア」と呼ばれるこの犬種は、性格も良く、利発で飼いやすいこの犬種がなぜ人気なのかが分かりますか?
それは見た目が良く、性格も良いからです。
ここでは、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの健康
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの運動
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのしつけ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの手入れ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの価格
- まとめ
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史
チャールズ2世時代の絵に近い個体を求めて誕生
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、イギリス原産の小型犬です。
その歴史は長くて興味深いものです。
ちなみに名前はとても似ていますが、犬種としては「キング・チャールズ・スパニエル」と「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」は別の犬種です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、17世紀のイギリスで非常に人気があったトイ・スパニエルから進化しました。
トイ・スパニエルは、アジアからヨーロッパへ渡った犬種で、主に愛玩犬として飼われていたトイ・スパニエルました。
長らくチャールズ1世・2世に代表されるイギリス王室の愛玩犬として愛されてきましたが、18世紀になると「トイ・スパニエル(キング・チャールズ・スパニエル)」にかわって、ヨーロッパでは短吻種の犬が流行、その影響を受け「パグ」などの東洋の犬を交配し出来た犬種が、現在の「キング・チャールズ・スパニエル」です。
特にチャールズ2世は、この犬種を非常に愛し、彼の名前が犬種名にも使われています。
18世紀から19世紀にかけて、他のトイ犬種(特にペキニーズやキング・チャールズ・スパニエル)が登場し、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの人気は低下しました。
19世紀初頭、チャールズ2世時代の絵画を見たアメリカ人、ロズウェル・エルドリッジが、その姿の復活を求めて25ポンドという、当時としては莫大な懸賞金をかけました。
その結果、ブリーダーたちは競ってキング・チャールズ・スパニエルから時折産まれるマズルの長い先祖返りしたタイプの個体を元に、ついにチャールズ2世時代の絵に近い個体を固定化させ「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」と命名しました。
ちなみに「キャバリア」とは、「中世の騎士」という意味があるようです。
現在、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは世界中で愛される家庭犬として知られており、その美しい外見と愛らしい性格で人気を博しています。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴
大きな目の愛くるしい外見で華があり、とても友好的な性格
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、小型犬種であり、愛らしい外見と性格が特徴です。
以下にその主な特徴を分かりやすくまとめます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、平らではないが、くりっとした鼻先の丸い顔で、丸くて大きな目と大きな垂れ耳が特徴です。
頭部は平たく、マズルは長めです。
被毛はダブルコートですので、抜け毛は多めです。
シルキーで滑らかな手触りの緩いウエーブがかかった長い被毛をしています。
成犬になると、耳や胸や足尾にはフェザリング(飾り毛)があり、美しい印象を与えます。
カラーは4種類あり、ブラック&タン(黒と赤褐色)、ルビー(赤褐色)、トライカラー(黒と白、顔に赤茶色のマーキング)、ブレンハイム(赤褐色と白)です。
性格は、愛情深くて優しく、フレンドリーで誰とでも仲良くすることが出来ます。
また、明るく遊び好きですので、子供や他の犬、ペットとも仲良くなりやすく、初心者の飼い主にも適した犬種です。
また、賢くて従順であり、しつけやトレーニングも比較的容易です。
外見 |
・中世の騎士という意味の“キャバリア”の通り、気品も漂う犬種 |
性格 |
・穏やかな性格 |
体重 | 5~8kg |
体高 | 30~33cm |
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの健康
遺伝的な心臓疾患には注意
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、平均寿命は、11〜14年ほどで全体的に健康な犬種ですが、いくつかの病気に注意が必要です。
以下に主な健康面での注意点を分かりやすくまとめます。
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心臓病: キャバリアはャバリアはその人気が高まるにつれて集中的に近親交配が行われたことで、「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病にかかりやすい傾向があります。
これは心臓の僧帽弁が正常に働かず、血液が逆流する病気です。
定期的な健康診断で心臓の状態をチェックすることが重要です。 -
脳神経疾患:脳の大きさと頭蓋骨のサイズのアンバランスによって、「脊髄空洞症」、「水頭症」などの病気も多くみられます。
また、悪性の脳神経疾患であるシリンガイドロミエリア(SM)にかかりやすいとされています。
症状は痛みや不快感、運動障害などで、獣医師と相談して適切な治療や対処法を見つけることが大切です。 -
目の問題: キャバリアは、「網膜変性症」、「眼球炎」、「ドライアイ」などの目の疾患にかかりやすいことがあります。
定期的な目のチェックを行い、早期に対処することが大切です。 -
肥満: 食事の管理と適度な運動で、適切な体重を維持することが重要です。肥満は関節痛や糖尿病などの健康問題を引き起こすことがあります。
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耳の問題: 耳が垂れているため、耳道内に湿気がこもりやすく、耳の感染症が起こりやすいです。
「外耳炎」等の耳の病気になりやすいため、定期的な耳掃除と、異常があれば獣医師の診察を受けることが大切です。 - 関節:膝のお皿の位置が本来の場所からずれてしまう「膝蓋骨脱臼」など関節に関わるものがあります。
フローリングの床などで滑りやすく、膝蓋骨脱臼などのケガや病気を引き起こす原因となるため絨毯を敷くなど気をつけてあげましょう。
要するに、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、心臓病や脳神経疾患、目や耳の問題などに注意が必要です。
定期的な健康診断を行い、適切な体重と運動量を維持し、早期発見・早期治療を心掛けることで、健康的な生活を送ることができます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事面での注意点は以下の通りです。
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栄養バランス: キャバリアには、犬種に適したバランスの良い栄養が必要です。
高品質なドッグフードを選び、獣医師と相談して適切な量を確認しましょう。 -
体重管理: キャバリアは肥満になりやすい犬種です。
適切な食事量と定期的な運動で、体重をコントロールしましょう。
肥満は健康面での問題を引き起こすことがあります。 -
食事の回数: 成長期のキャバリアは1日3回、成犬になったら1日2回の食事が適切です。
一度に大量に食べさせると、胃捻転などのリスクがあるため、食事回数を分けて与えることが大切です。 -
人間の食べ物: キャバリアに人間の食べ物を与える場合は、犬にとって有害な食材を避けることが重要です。
チョコレート、葡萄、玉ねぎ、ニンニクなどは犬に毒性があるため、絶対に与えないようにしましょう。 -
アレルギー: キャバリアは食物アレルギーを持つことがあります。アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談してアレルゲンを特定し、食事を調整しましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの食事面での注意点は、栄養バランス、体重管理、食事の回数、人間の食べ物、アレルギーに気を付けることです。
適切な食事とケアで、キャバリアの健康を維持しましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの運動
1日30分程度の散歩
激しい運動量はあまり必要ありませんが、健康のためにも1日30分程度の散歩は欠かさずに連れだしてあげましょう。
遊び好きなので、コミュニケーションも兼ねて、一緒に遊んであげるゲームやスポーツなどもおススメです。
室内での運動だけでも十分という事を聞く事もあるかも知れませんが、それだけではストレスが溜まってしまい、問題行動の原因となってしまいます。
少ない時間でもいいので、気分転換に外へ連れ出してあげて下さい。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのしつけ
とてもしつけがしやすい
主人に対する愛情がとても深く人の傍らにいることを好むため、とてもしつけがしやすい犬種と言えます。
無駄吠えやかみ癖も少なく、攻撃性もないため、初心者や小さな子どものいる家庭にも問題ないでしょう。
遊び好きな性格を利用して、おもちゃを使ったゲームやクリッカートレーニングなどにチャレンジしてもよいでしょう。
厳しいしつけは全く必要ありません。
人の気持ちを読み取ることにも長けているため、普段からあまり感情的にならないよう注意しましょう。
たくさんほめて良い部分を伸ばしてあげるしつけの仕方が向いています。
愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの手入れ
毎日のこまめなブラッシングを
トリミングは必要ありませんが日々のブラッシングが欠かせません。
ダブルコートですので、換毛期になると毛がたくさん抜けます。
毎日のこまめなブラッシングが欠かせません。
スリッカーブラシやコームを使って毛玉がないように梳かします。
長く垂れた耳や四肢は絹糸のようにしなやかで柔らかい房毛でおおわれており、手入れを怠ると毛玉になってしまうので注意しましょう。
また、垂れ耳なので、「外耳炎」予防のためにも、定期的に耳掃除を心掛けましょう。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの価格
25~35万円が目安
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは人気犬種でもあるので、ペットショップで見かける機会もはあるでしょう。
ペットショップ以外でもブリーダーさんから直接購入する方法があり、値段は交渉次第ではペットショップよりも多少なりとも安くなりますし、ペットショップよりはおススメです。
その際の値段ですが、25~35万円が目安となります。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 愛らしく気品あふれる外見
✔ 穏やかで優しくフレンドリーな性格
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、17世紀にイギリスで愛された小型犬種で、その愛らしいルックスと親しみやすい性格から人気があります。
特徴としては、丸い頭、大きな瞳、長い耳、美しいシルクのような被毛が挙げられます。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、性格的に家庭犬としては非常に適した犬種と言えるでしょう。
小さなお子さんでも他の犬でも誰とでも仲良くなれる社交性をもっており、癖のない犬種です。
始めて犬を飼う方にはピッタリの犬種でしょう。
健康面では、心臓病、膝蓋骨脱臼、網膜変性、脊椎疾患などに注意が必要です。適切なケアと獣医師との定期的な相談が大切です。
食事面では、栄養バランスを整え、適切な体重を維持し、食事の回数を守り、人間の食べ物に注意し、アレルギーに対処することが重要です。
適切なケアと注意を払って、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと共に楽しく健康的な暮らしを送りましょう。
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