犬の心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)

犬の心室中隔欠損症~愛犬が呼吸困難や舌が青くなっていたら~

犬の心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)とは、心臓の右心室と左心室の間にある壁に、一部が欠損して穴が開いている状態を言います。
単独での発生は比較的まれで、他の先天性心疾患と併発しているケースが比較的多く見られます。

穴が小さい場合ははっきりした症状を見せないこともありますが、穴が大きく、心臓内の血流に悪影響が出ている場合は、生後6ヶ月になる前から症状を示し始め、発育障害なども見られるようになります。
症状が出るかどうかの目安は、空いた穴の面積が、上にある大動脈弁の面積の40%以上です。

ここでは、犬の心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさってください。


  • 犬の心室中隔欠損症の主な症状
  • 犬の心室中隔欠損症の主な原因
  • 犬の心室中隔欠損症の主な治療法
  • 犬の心室中隔欠損症の注意点

犬の心室中隔欠損症の主な症状

犬の心室中隔欠損症の症状は、欠損している穴が小さい場合は、一般的には無症状です。
欠損している穴が大きくなると、呼吸困難やチアノーゼ(唇や舌の皮膚や粘膜が青色~青紫色に変色する状態)などの症状がみられます。

主な症状
☆乾いた咳
☆呼吸困難
☆運動を嫌がる
☆すぐに疲れる
肺水腫

犬の心室中隔欠損症の主な原因

犬の心室中隔欠損症の主な原因としては、母犬のお腹の中にいる間は、左心房と右心房を隔てている心房中隔には穴が開いています。
普通であれば、その穴は生まれる前に閉じるのですが、何らかの理由で閉じないことがあります。

犬の心室中隔欠損症の主な治療法

欠損している穴が小さく、さらに無症状の場合は、一般的には経過観察で様子を見る事が多いです。
穴が大きい場合には、外科的に穴を閉じる手術をします。
また、肺高血圧症などの合併症が認められた場合や鬱血性心不全を発症している場合は内科的な治療を行います。

  • 薬物療法
    症状の軽減を目的とした薬物療法
    が中心となります。
    具体的には強心薬、利尿薬などです。

  • 外科的手術
    穴が大きい場合には、外科的に穴を閉じる手術をします。

  • 運動制限
    心臓に負担のかかるような激しい運動を控え、散歩量も少なめにします。

  • 食事コントロール
    高血圧につながる塩分を控えると同時に、運動不足から来る肥満を予防するよう、カロリーと食材を吟味します。
    獣医さんに相談するのが一番良いでしょう。

犬の心室中隔欠損症の注意点

心室中隔欠損症を発症した場合は心臓に負担をかけないように激しい運動を避けたり、塩分を控えるなど食事コントロールします。
また、心房中隔欠損症の犬にフィラリアが寄生すると、右心房から左心房に移動したフィラリアが全身循環に入り、下半身などの血管につまってしまう奇異性塞栓症を引き起こす場合があります。
ですので、フィラリア予防は必ず行うようにしましょう。

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