人の心が読める犬 ホワイトシェパード
ジャーマンシェパードの白い被毛の個体のみで繁殖させた大型の犬種です。
とても優しくて繊細なホワイトシェパードは、「人の心が読める」と評されるほどの賢さを持っています。
そのため、大型犬の割には飼いやすい犬種でもあります。
ここでは、ホワイトシェパードの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- ホワイトシェパードの歴史
- ホワイトシェパードの特徴
- ホワイトシェパードの健康
- ホワイトシェパードの食事
- ホワイトシェパードの運動
- ホワイトシェパードのしつけ
- ホワイトシェパードの手入れ
- ホワイトシェパードの値段
- まとめ
ホワイトシェパードの歴史
一時は絶滅の危機に
ホワイトシェパードには「ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ」と、「アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード」がいますが、外見的な違いはほとんどありません。
ホワイト・スイス・シェパード・ドッグはスイス原産で、「ジャーマン・シェパード・ドッグ」の白色種です。
また、同一犬種として、アメリカ合衆国やカナダで繁殖された白色の「ジャーマン・シェパード・ドッグ」があり、これを区別して「アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード」と呼ぶこともあります。
ジャパンケネルクラブにおいては、「ホワイトスイスシェパード」を公認しており、「アメリカンカナディアンホワイトシェパード」は公認していません。
もともと牧羊犬であったジャーマン・シェパード・ドッグからは白色の個体も生まれ、特に19世紀末に犬種として作出される段階では多くの個体が白色、あるいはその血を引くものでした。
アメリカにおいて、性格も大人しくて飼いやすく、その白く美しい毛並から大変な人気を博しました。
1917年には、アメリカケネルクラブに正式に犬種として登録もされました。
しかし、ホワイトシェパードはジャーマン・シェパードよりも温厚なその性格が災いとなります。
ホワイトシェパードは温厚過ぎるために番犬としては不適格であるといった理由により、1933年にドイツでの犬種標準から白色は排除されました。
その後も1960年代にかけてドイツを中心に白色個体への反対運動が展開され、ヨーロッパでは白色個体はほぼ絶滅しかけたこともありました。
しかし、能力は基本的に普通のジャーマン・シェパード・ドッグと同じであり、白い犬を好む愛好家もいたため、独立した犬種として、アメリカ合衆国やカナダに残存する白色のジャーマン・シェパードをもとにした活動が行われ、絶滅を回避する事ができました。
1970年代には次第に人気が集まり、1990年代にスイスで、次いでオランダ・デンマーク・チェコにて犬種スタンダードが認められ、2002年にはスイス原産の「ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ」として国際畜犬連盟に暫定公認され、2011年に正式登録となりました。
ホワイトシェパードの特徴
真っ白な引き締まった姿は美しい
ホワイトシェパードは、ジャーマンシェパードよりは比較的大きめになる傾向があります。
真っ白で美しい被毛に精悍で整った顔立ちが魅了的な大型犬です。
体も筋肉質で引き締まっており、太めの尻尾と大きな立ち耳が特徴的です。
性格はジャーマンシェパードが持つような攻撃的な部分がほとんどなく、とても温厚で、賢さも兼ね備えているのでしつけもしやすく、大型犬ではあるものの飼いやすい犬種です。
基本的にはフレンドリーなので、多頭飼いでも問題ありません。
飼い主に対しては非常に忠実で、飼い主の声のトーンや顔つき、態度から何を考えているのかを汲み取り、飼い主の心にそっと寄り添ってくれるでしょう。

外見 |
筋肉質で引き締まった体型です。 |
性格 |
ホワイトシェパードは「ジャーマンシェパード」と似たフレンドリーさを持っており、飼い主に対してとても忠実な性格です。 |
体重 | 25〜40kg |
体高 | 55〜66cm |
ホワイトシェパードの健康
平均寿命は10~12年
ホワイトシェパードの平均寿命は、10~12年で大型犬としては、平均的です。
かかりやすい疾患としては、大型犬によく見られる「股関節形成不全」には気を付けなくてはいけません。
あまりにも激しい過度な運動は控えた方が良いでしょう。
歩き方が不自然な場合は、早めに受診するようにしましょう。
また、「関節炎」や皮膚が敏感なので「皮膚疾患」にも注意が必要です。
暑さはあまり得意ではありませんので、夏場などの暑い時期はエアコンなどで温度調整をしてあげてください。
ホワイトシェパードの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。
以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
愛犬に合ったドッグフードを探す
愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のフードを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
ホワイトシェパードの運動
最低でも毎日1時間程度は散歩
運動不足はストレスを溜める原因となるなので、最低でも毎日1時間程度は散歩の時間を作ってあげて下さい。
出来れば、それを1日2回してあげられれば、ベストです。
時にはドッグランなどで思いっきり走らせるのも良いでしょう。
遊び好きなので、たまにはゲームやボール遊びなどもして、遊んであげて下さい。
ホワイトシェパードのしつけ
大変賢いので、しつけは入りやすい
大変賢いので、しつけは入りやすいです。
ただ、賢いゆえに飼い主は毅然とした態度でいないとなめられるかもしれません。
ホワイトシェパードは、洞察力に優れているので、指示の出し方が曖昧であったり、迷いが見られると混乱してしまいます。
堂々とした態度で誰がリーダーであるのかを示しましょう。
しつけの際に注意して欲しいのが、厳しく叱るよりも、ほめて伸ばすようにしましょう。
ましてや体罰は絶対にしないで下さい。
倫理的にもそうですし、家族としての絆も築けなくなってしまいます。
また、小さい子犬の頃からたくさんの人や犬と触れさせて、社会性を身に付けましょう。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
ホワイトシェパードの手入れ
換毛期は毎日ブラッシングを
ホワイトシェパードはダブルコートなので、ブラッシングは必須です。
週2回程度はブラッシングをしてあげて下さい。
ただ、春・秋の換毛期は抜け毛が多くなりますので、毎日ブラッシングをして、抜け毛を取り除いてあげましょう。
美しく白い被毛を保ちたいからといって、シャンプーをこまめにやり過ぎてしまうと、皮膚に必要な油分も取り除いてしまい、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性が高まってしまいます。
ですので、シャンプーは月に1~2回程度を目安しとて、それ以外は散歩後に固く絞った濡れタオルなどで拭いてあげる程度にしておきましょう。
ホワイトシェパードの値段
ブリーダーさんから直接がメイン⁉
日本では、ホワイトシェパードは人気犬というわけではないので、ペットショップなどではほとんど見る事はないでしょう。
ですので、もし家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんや里親からが現実的です。
いずれの方法を取るにしても、現地で飼育環境やブリーダーさんや飼い主の方の人柄を確認するようにしましょう。
ブリーダーさんから直接迎え入れる際の一般的な相場は10万円~20万円ほどになると思います。
まとめ
✔ とても穏やかで優しい性格
✔ しつけは褒めて伸ばす事
✔ シャンプーはほどほどに
ホワイトシェパードは、その穏やかな性格ゆえに人気も出ましたが、逆にその性格ゆえに番犬として役に立たないという事で、絶滅の危機に瀕しました。
とてもフレンドリーで攻撃性はほとんどなく、家庭犬としては非常に飼いやすい犬種です。
「人の心が読める」と言われほど空気を読んだ行動をし、飼い主や家族が落ち込んでいる時には、優しく寄り添ってくれる最高のパートナーとなってくれます。
しつけは賢いので覚えは早いですが、飼い主は毅然とした態度で臨む必要があります。
その賢さゆえに、飼い主が曖昧な態度や迷った指示などを出すと、リーダーとして認識してくれなくなる事もあります。
だからと言って、厳しく叱る事は逆効果です。
出来た時は思いっきり褒めてあげて、失敗した時は無視するようにしましょう。
間違っても体罰はしてはいけません。
白い被毛が美しいからと言って、頻繁にシャンプーを行ってしまうと、皮膚疾患になる可能性が高まってしまいます。
ホワイトシェパードは、皮膚が敏感ですので、月に1~2回程度を目安にシャンプーをするようにしましょう。
以上のように、ホワイトシェパードは、大型犬にも関わらず大変飼いやすい犬種です。
その優しさに対して、われわれ人間も優しさで返せるようにしましょう。
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