ドッグ界のイリオモテヤマネコ⁉　クロムフォルレンダー

とてもフレンドリーで甘えん坊な可愛い性格のクロムフォルレンダー。
世界的に見て頭数が少なく、絶滅の恐れすらあるほどの希少犬であるクロムフォルレンダーは、ドッグ界のイリオモテヤマネコとも言えるかも知れません。
犬を猫に例えて混乱されるといけないので、念のために言っておきますが、クロムフォルレンダーは犬です。

ここでは、クロムフォルレンダーの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。

• クロムフォルレンダーの歴史
• クロムフォルレンダーの特徴
• クロムフォルレンダーの健康
• クロムフォルレンダーの食事
• クロムフォルレンダーの運動
• クロムフォルレンダーのしつけ
• クロムフォルレンダーの手入れ
• クロムフォルレンダーの価格
• まとめ

クロムフォルレンダーの歴史

アメリカ軍のマスコット犬が基となった犬種

1945年ごろ第二次世界大戦下のドイツに進撃してきたアメリカ軍のマスコット犬（伝令犬だったという説もある）が逃げ出して迷子になり、栄養失調で弱っているところをドイツ国内で保護されました。「ペーター」と名付けられペットとして飼われることになったこの犬がクロムフォルレンダーの父となる犬となりました。

クロムフォルレンダーは近所で飼われていたフォックス・テリアタイプ犬種の血を引くワーキング・テリアの「フィフィ」ーとの間に生まれた仔犬をもとに改良が行われ、作り出されました。

犬種名は原産地であるドイツのジーゲン市「クロムフォル地区」にちなんでつけられ、その後も他のミックス犬の血も混ぜながら繁殖が進められました。

1955年にはFCI（ドイツケネルクラブ）に正式に公認犬種として登録されましたが、現在でも数の少ない犬種で、ほとんどは原産国のドイツとその周辺国でしか飼育されていない珍しい犬種です。
絶滅の恐れもあるほど希少な犬種なんです。

クロムフォルレンダーの特徴

可愛らしい顔立ちの素直で明るく甘えん坊な性格

クロムフォルレンダーは、毛の長い「ラフコート」と毛の短い「スムースコート」の2種類の被毛タイプが存在します。
「ラフ」はテリア種で、「スムース」がスパニエル種によく似た容姿をしていて、被毛タイプによって同じ犬種とは見えない不思議な犬種です。
ただ、基本的にはマズルは長めですが、とても可愛らしい顔立ちをしていて、大きな垂れ耳をしています。
ラフコートは、ヒゲのように見える被毛が顔にありますが、スムースコートはヒゲのような被毛はありません。

被毛はどちらもダブルコートで、ラフにも直毛のストレートヘアードとくせっ毛のワイアーヘアードがあります。
カラーはホワイト地にタン、ブラウン、バフ色などのマーキングが入っています。

性格は素直で明るく、飼い主に対して従順です。
家族と一緒に過ごす事を好み、とても甘えん坊なかわいいい犬種です。
また、攻撃性はほとんどなく、とてもフレンドリーで誰とでも仲良く出来るので、小さなお子さんがいる家庭や多頭飼いにも向いています。

クロムフォルレンダーの健康

遺伝性疾患が多い

クロムフォルレンダーの平均寿命は、13～16歳ほどと長寿です。

クロムフォルレンダーは「近親配合」でよく繁殖される事により、遺伝性疾患が多いです。
「シスチン尿症」「角化症」、膝のお皿の位置がずれてしまう「膝蓋骨脱臼」、「四肢奇形」「腎不全」などに注意が必要です。
「角化症」は「膿皮症」や「脂漏性皮膚炎」を合併することもある危ない疾患ですので、、普段からスキンケアをしてあげて予防しましょう。

また、気を付けなくてはいけないのが、コルチゾールとよばれるホルモンが体の中にたくさんある状態が長く続き、その結果、全身にいろんな症状が現れる「クッシング症候群」があります。
脱毛や肥満、疲れやすく元気がなくなったら病院に行きましょう。

クロムフォルレンダーの食事

年齢や体調に合わせたフードを選びましょう

子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。

以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。

愛犬に合ったドッグフードを探す

愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。

下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。

愛犬のフードを探す⇒外部リンク：犬の通販デパート ニコシティ

クロムフォルレンダーの運動

散歩は毎日30〜60分程度

激しい運動は必要ではありませんが、運動自体は好きな犬種です。
クロムフォルレンダーの散歩は毎日30〜60分程度が十分です。
アジリティが得意なので挑戦させることもおすすめです。

運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日適度な運動を心掛けてあげて下さい。

クロムフォルレンダーのしつけ

忠誠心が高くしつけはしやすい

忠誠心が高く飼い主のいうことをよく聞くので、初心者の方にも飼いやすい犬種です。
しつけ方はしつけ通りの行動をすればエサなどの報酬を与える「報酬ベース」のトレーニングが効果的です。
しつけは厳しく𠮟らず、ほめて伸ばす事を心がけてください。

愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。

しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論　完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法

クロムフォルレンダーの手入れ

週1～2回のブラッシング

被毛の手入れは週1～2回のブラッシングで十分です。
体臭も少ないので月に一回程度シャワーで体を流してあげてください。
垂れ耳なので、「外耳炎」予防のためにも、定期的に耳掃除を心掛けましょう。

クロムフォルレンダーの価格

40～50万円が目安

クロムフォルレンダーは、ペットショップで見かける事はまずありません。
また、希少犬種でもありますので、もしも家族に迎え入れるのであれば、ドイツから輸入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、輸入経費等を含めて40～50万円が妥当なラインでしょう。

ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。

まとめ

✔ 絶滅の恐れもある希少犬

クロムフォルレンダーは、ドイツ周辺しかおらず頭数も限られており、絶滅する恐れすらある世界的に見ても希少な犬種です。

家庭犬向きのとても飼いやすい犬種ではあるのですが、入手はとても難しい犬種です。