カレリアンベアドッグ
犬種名にベア(熊)と入っている通り熊猟で活躍してきた「カレリアンベアドッグ」。
怖いもの知らずで非常に勇敢なこの犬種は、熊にも対抗できるほどの力があります。
名前が「霊長類最強」と謳われたロシアのレスリング選手「アレクサンドル・カレリン」似ている事でも知られて‥‥は‥‥いないです‥‥よ…ね。
でも、強い所も似てるし、カレリアンベアドッグもロシアに近い地域出身ですので、共通点いっぱいあります!
ここでは、カレリアンベアドッグの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- カレリアンベアドッグの歴史
- カレリアンベアドッグの特徴
- カレリアンベアドッグの健康
- カレリアンベアドッグの食事
- カレリアンベアドッグの運動
- カレリアンベアドッグのしつけ
- カレリアンベアドッグの手入れ
- カレリアンベアドッグの価格
- まとめ
カレリアンベアドッグの歴史
フィンランドでは国宝に指定されている犬種
カレリアンベアードッグの起源に関する詳細はよくわかっていません。
フィンランドとロシアの国境付近にあるカレリア地方で作出された犬種であり、古くから根付いていた地犬で多くの猟師に重宝されていた猟犬です。
フィンランドでは国宝に指定されており、現在でも熊狩りの実猟犬として飼われています。
元々は毛色にかなりバリエーションがあったのですが、夜間や雪の中でもしっかりと見分けることができるようにするため、現在の白と黒の毛色に固定されました。
「ベアドッグ」というその名の通り、主に熊を狩る猟犬として使われていました。
単独または小規模な群れで猟を行い、主人について歩きながら獲物を探します。
獲物を発見すると大きな声で吠え、主人に知らせてから獲物を走って追いかけ、「噛み止め」と言って、獲物に噛みつき逃げられないようにその場にとどめさせました。
そこへ主人が駆けつけて猟銃で仕留めます。
なお、原産地であるカレリア地方で熊が減少し始めてからは、その他にイノシシやヘラジカなどといった他の大型の動物の狩猟にも使われるようになりました。
1900年代前半、原産地のカレリア地方はロシア帝国崩壊に伴うフィンランド独立と、その後のフィンランドとソビエト連邦の戦争で、2つの国に分断されました。
それに伴ってカレリアンをどちらの国に所属させるかについて論争が行われるようになり、終いには両国でひとつの犬種を分断所持することになりました。
どちらの国のカレリアンも無計画な異種交配よって純血の犬が大幅に減少してしまったが、どちらも愛好家がスタンダード(犬種基準)を作って保護を行ったため、絶滅は免れました。
その後、フィンランド側の犬はカレリアン・ベア・ドッグのまま保存され、ロシア側の犬は改良が加えられて「ラッソ・ヨーロピアン・ライカ」という別犬種として発展していきました。
1945年に正式なスタンダードが設定され、国際畜犬連盟(FCI)に公認犬種として登録されました。
フィンランド以外の北欧各国でも人気があり、実用犬としてだけでなく、ペットやショードッグとしても飼育が行われています。
フィンランドでは一般的な犬種のひとつで、今でも猟犬として飼われている犬は多く存在します。
日本でも当時ヒグマによる被害が深刻であった軽井沢に熊退治として、連れてこられたこともあります。
カレリアンベアドッグの特徴
黒と白の毛色が可愛らしいが、愛情深く勇敢な性格
カレリアンベアドッグは、スピッツ系の犬種で日本犬によく似ています。
口角が少し上がっているため、よく笑っているような表情をしています。
筋肉質な引き締まった体格をしており、がっしりとしています。
耳は大きな立ち耳で、尻尾は背中にくるっと巻いた巻き尾です。
被毛はショートコートですが、分厚いので防寒性や防水性に優れています。
カラーには基本的にはブラック&ホワイトでほぼ固定されています。
性格は、熊と闘うくらいですから非常に勇敢で怖いもの知らずであり、何かに怯んだりすることはありません。
家族に対しては愛情深く、自分の命を顧みず守ろうとしてくれるでしょう。
その反面、見知らぬ人や犬に対する警戒心がとても強く、時に攻撃的な態度を示してしまう事もあるでしょう。
外見 |
スピッツタイプの犬種で、一番の特徴はブラック・アンド・ホワイトの毛色で、ブラックをメインカラーとしてマズル、ブレーズ、首、胸、腹部、前脚、後ろ足首、尾先が白色です。 筋肉質の引き締まった体つきで、脚にもしっかりした筋肉がついており、噛む力は100kg近くになります。 |
性格 |
主人に忠実で家族に対しても愛情深いが、プライドが高く勇敢です。 吠えることも多いので、都心部での飼育はかなり難しいと思われます。しつけは主人からしか受け付けないが、状況判断力は優れていて、家族に危機が迫ったと感じれば、命をかけて勇敢に立ち向かいます。 怖いもの知らずで熊に対してもひるむことは無く、このことからフィンランドではガードドッグとして使われることもあります。 |
体重 | 17~28kg |
体高 | 53~60cm |
カレリアンベアドッグの健康
股関節形成不全」には注意が必要
カレリアンベアドッグの平均寿命は11~13年ほどです。
大型犬がかかりやすい「股関節形成不全」や「胃捻転」には気を付けましょう。
成長時に股関節に異常を来す「股関節形成不全」には注意が必要で、生後60日位までは関節に負荷をかけ過ぎないように激しい運動は避けてください。
歩き方に異常がみられたら、すぐに獣医さんに診てもらってください。
特に「胃捻転」は死に直結する恐ろしい疾患ですので、注意が必要です。
食事のドカ食いを防ぐためにも2回以上に分けて与え、食後は安静に過ごさせましょう。
胃捻転は胃が捻じれる事によって、胃の中でガスが溜まり、胃が拡張していきます。
結果、周囲の臓器を拡張した胃が圧迫してしまい、全身の血流を止めてしまいます。
ぐったりとしていたり、苦しそうにしていたら、一刻も早く病院に行きましょう。
また、皮膚疾患にもなりやすいので被毛のお手入れをしましょう。
カレリアンベアドッグの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。
以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
愛犬に合ったドッグフードを探す
愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のフードを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
カレリアンベアドッグの運動
散歩はは1回1時間程度を1日2回
運動量は豊富な犬なので、散歩は1回1時間程度を1日2回が理想的です。
ドッグランなどで自由運動をさせてあげられるといいのですが、他の犬への攻撃的には注意が必要です。
なついていても主人に吠えることがありますが、自分の気持ちを伝えようとしている合図なので、日頃からコミュニケーションを取ってあげてください。
吠えることを無理やりやめさせるとストレスになり、体調を崩したり破壊行動に繋がったりしてしまいます。
愛犬の気持ちを汲みとって、愛情を持って接してあげることがポイントです。
ただ、とにかく運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えなどの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
カレリアンベアドッグのしつけ
初心者がしつけるのは難しい
初心者がしつけるのは難しい犬種です。
強いリーダーシップをもって一貫性のあるしつけを行う事が重要です。
幼犬の頃から主従関係をしっかりとしつけると事が重要です。
まずは「まて」を覚えさせます。
それにより、カレリアンベアドッグはよく吠えて力も強いので、「まて」をしつけて思わぬ事故の発生を防いでください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
カレリアンベアドッグの手入れ
1週間に2~3回程度のブラッシング
被毛はスムースコートですので、1週間に2~3回程度のブラッシングで十分でしょう。
シャンプーは月に1~2回を目安に行うようにしましょう。
カレリアンベアドッグの価格
海外から輸入する事はおススメしません
カレリアンベアドッグは、ペットショップで見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の値段ですが、25~35万円程度になると思います。
ヨーロッパから輸入するとなると、様々な経費込みで50万円程度になると予想されますが、子犬の体への負担を考えると、海外から輸入する事はおススメしません。
ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 飼育の難易度は高い⁉
カレリアンベアドッグは飼い主に対しては従順であり、家族への愛情も深いです。
ただ、警戒心が強く、攻撃性もあるので、飼育する際は事故にならない様に注意が必要です。
また、性質上よく吠える犬種ですので、住宅地などでの飼育はハードルが高いでしょう。
無理して吠えないようにすると、ストレスが爆上がりしてしまうので、気を付けて下さい。
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