古代エジプト王朝を知る犬種 バセンジー
現存する犬種の中でも最も古いとされる古代犬種バセンジー。
大人して、綺麗好きな一面もあり、見知らぬ人や他の動物には距離を置きたがる孤高の中型犬の印象があります。
しかし、飼い主や家族に愛情深く、甘えてくる一面もあります。
ここでは、バセンジーの誕生した背景や歴史、性格や外見、手入れ方法や散歩の頻度、性質から見るしつけ方の詳細をまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
バセンジーの歴史
紀元前7000年~5000年頃には存在した?
バセンジーは、コンゴ共和国原産で、同国原産の別の民族が作り出したニャム・ニャムという犬種の親戚種です。
一説には紀元前7000年~5000年頃には存在したとされている古代犬種です。
遺跡から出土した美術品や壁画には、ファラオにバセンジーが献上されたとされる記録が残っています。
中央アフリカの奥地にピグミー族と共に、他の地域との交流もなく生活していたため、古代犬種として純血を保ってこられたと推測されています。
繁殖期が年に一度ということも原始的な特性を今もなお残している証でしょう。
バセンジーはパックでの狩猟に使われ、サイトハント(視覚猟)とセントハント(嗅覚猟)を同時に行える優れた性質を持っていたため、非常に重宝されていて大切に飼育されていました。
19世紀後半になると、優れた容姿と能力が外部の人の目にも留まり、イギリスに数頭が輸出されましたが、1回目の輸出は犬ジステンパーで全滅し、2回目も繁殖に成功したものの、1回目と同じく犬ジステンパーによって、雄1頭を残して全て死んでしまいました。
1930年代の3回目にようやく輸入が成功し、イギリスでブリーディングが行われました。
その後の1940年代後半には、アメリカでもブリーディングが行われるようになりました。
バセンジーの特徴
「吠えない犬」として有名
バセンジーは、足が長く、均整の取れた引き締まった無駄のない筋肉質な体型をしています。
耳は先が尖った立ち耳で、額にはシワがあり、喜んでいる時はそのシワが薄くなり、困っている時は深くなります。
バセンジーの最大の特徴は見た目ではなく、吠えない事でしょう。
ほとんど吠えず、遠吠えもしません。
被毛は短いスムースコートで、シルキーで滑らかな毛質です。
カラーは様々で、「ブラック&ホワイト」、「レッド&ホワイト」、「ブラック&タン&ホワイト」、「ブリンドル(虎毛)」などがあります。
性格は、とても落ち着いていて大人しいです。
はしゃぐような事はあまりになく、警戒心を強い傾向があります。
家族以外には甘えるような事はせず、多頭飼いにはあまり向いていません。
外見 |
筋肉質で引き締まった体を持ち、脚は長く、ほとんど吠えません。 |
性格 |
性格はとても落ち着いていますが、家族思いの甘えん坊です。 |
体重 | 9.5~11kg |
体高 | 42~43cm |
バセンジーの健康
冬季には洋服を着せる必要が
バセンジーの平均寿命は、12歳くらいです。
アフリカ原産という事もあり、寒さに弱く、冬季の散歩時には洋服を着せる必要があります。
また、腸が弱く下痢を起こしやすい上、貧血になりやすいため注意する必要があります。
お腹が冷えやすいので、お腹を壊すようでしたら、冬以外でも腹巻などしてあげましょう。
バセンジーは「ファンコーニ症候群」という、比較的珍しい腎臓疾患に遺伝的にかかりやすい傾向があります。
悪化していくと慢性腎不全となり、最悪の場合は命の危険もある恐ろしい病気です。
水を以上に飲むようになったり、多量に尿をするようでしたら、速やかに病院へ行くようにして下さい。
バセンジーの食事
年齢や体調に合わせたフードを選びましょう
子犬の頃とシニア犬になった頃に必要とされるカロリーや栄養素は変わってきます。
また、食欲が旺盛な子にはカロリーバランスを考えて、低カロリーの食事を与える必要があります。
以上のように「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
愛犬に合ったドッグフードを探す
愛犬の健康を考える上で、食事の管理を大切です。
「太りすぎだな」と思ったら、低カロリーのフードにしなくてはいけません。
逆に年老いてきて、食欲が細くなったら、少ない量でもエネルギーを取れる老齢犬用のフードに替える必要があります。下記は様々な犬用品を卸値に近い価格で提供してくれるサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のフードを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
バセンジーの運動
大型犬並みの運動量
散歩は大型犬並みの運動量で行う必要があり、毎日1回1時間以上の散歩を2回は必要です。
ただし、リードは絶対に放さないでください。
鳥などの他の動物に反応するなどして、驚くほど遠くへ走り出してしまいます。
また、ジャンプ力も優れており、腰くらいの高さの囲いなら飛び出してしまいます。
ですから、ドッグランでもノーリードは危険です。
運動不足になるとストレスが溜まり、「無駄吠え」はしませんが、自傷行為などの問題行動の原因ともなりますので、毎日しっかりと運動を心掛けてあげて下さい。
バセンジーのしつけ
しつけは難しくありません
賢いうえに落ち着いているので、しつけは難しくありません。
ただ、マイペースなところもあるので、根気よくしつけしましょう。
また、小さい子犬の頃から様々な人や他の犬と積極的に触れ合わせ、社会性を身に付けさせるようにしましょう。
始めのうちは、犬の気が散らないように集中できる環境を整えて上げましょう。
しつけがある程度できてから、どんな状況で対応できるようにテレビをつけてみるなど少しずつ環境を変えていきましょう。
愛犬がしつけをマスターしていくと、ついつい「できて当然」と思ってしまいがちになります。
そうなるとしつけができても全く褒めなくなってしまうでしょう。
でも、これでは犬たちもしつけを忘れてしまう可能性もありますので、毎回ご褒美を与える必要はありませんが、しつけができた時には、褒めてあげるなどの気持ちを伝え続けることを忘れないようにしてください。
しつけの基本は必ず確認しましょう⇒犬のしつけの基本理論 完全ガイド
「おすわり」や「待て」など行動別のしつけ方法はこちら⇒犬の行動別しつけ方法
バセンジーの手入れ
被毛の手入れは簡単?
シングルコートなので抜け毛は少なく、短毛ですので、被毛の手入れは簡単です。
散歩終わりに良く絞ったタオルで体を拭いて、週に何度かブラッシングをしてあげましょう。
バセンジーは寒さに弱いので、冬などの寒い時期は洋服を着させてあげるなど防寒対策をしてあげましょう。
バセンジーの価格
20~25万円が相場
バセンジーはペットショップでは見かける事はまずありません。
もしも家族に迎え入れるのであれば、ブリーダーさんから直接購入する方法がメインとなります。
その際の費用は、20~25万円が相場となります。
ただ、バセンジーの発情期は年1回となっており、繁殖が比較的難しい犬種です。
ですので、欲しいタイミングで手に入れるのは、なかなか困難でしょう。
また、ブリーダーさんから直接購入する際は、必ず現地へ行き、飼育環境やブリーダーさんの人柄などを確認し、信頼できるかを見極めたうえで決定するようにしましょう。
まとめ
✔ 大人しく落ち着いた犬種
✔ 吠えない犬
バセンジーは、「猫のような犬」と表現されることがあるほど、大人しくて落ち着いた性格をしています。
それでも、飼い主や家族への愛情は深く、時には甘えてきてくれる所が、魅力のポイントの一つと言えるでしょう。
そして最大の特徴であり、魅力でもあるのが「吠えない」という点です。
ただ、実際は聞こえずらいこもった様な声で少し吠える事は出来るのですが、他の犬種と比較しても極端に吠えない犬種でしょう。
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