犬の動脈管開存症~運動してもすぐ疲れたり、咳をしたりしたら~
犬の動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)とは、本来ならば生後数時間で動脈管は機能しなくなり、閉じるはずの動脈が、開いたままになっている状態を言います。
胸部大動脈と肺動脈とをつないでいるボタロー管と呼ばれる動脈管は、出生後まもなく閉じるのが普通です。
しかし先天的な異常により、この動脈管が閉じないまま残り、心臓に悪影響を及ぼすことがあります。
これは、血圧の高い大動脈(図中の赤い血管)から血圧の低い肺動脈(図中の青い血管)へ血液が逆流してしまうために起こる現象です。
ここでは、犬の動脈管開存症の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の動脈管開存症の主な症状
- 犬の動脈管開存症の主な原因
- 犬の動脈管開存症の主な治療法
犬の動脈管開存症の主な症状
犬の動脈管開存症は、初期は特に症状はみられません。
しかし、進行してくると、運動してもすぐ疲れたり、咳をしたりするなどの症状が現れます。
主な症状 |
☆呼吸困難 |
☆咳 |
☆運動を嫌がる |
☆すぐに疲れる |
犬の動脈管開存症の主な原因
犬の動脈管開存症は、先天的な疾患になります。
- かかりやすい犬種
動脈管開存症は先天的な疾患です。
かかりやすい犬種は下記の通りです。・トイプードル
・コリー
・マルチーズ
・シェットランドシープドッグ
・ジャーマンシェパード
・ポメラニアン
・ラブラドールレトリバー
どのような遺伝子が関わっているかに関してはわかっていません。また、メスの方がオスよりも多い傾向があります。
犬の動脈管開存症の主な治療法
動脈管開存症の根治を目的とした治療は、外科的手術によって、動脈管を糸で結ぶなどして閉鎖します。
合併症がなければ、通常と変わらない一生を送ることができる場合も多いです。
しかし、症状が進んで、手術しても改善が見込めない場合は、強心剤など心臓の状態改善のための内科治療を行う事もあります。
- 対症療法
症状の軽減を目的とした薬物療法が中心となります。
具体的には強心薬、利尿薬などです。 - 運動制限
心臓に負担のかかるような激しい運動を控え、散歩量も少なめにします。 - 食事制限
高血圧につながる塩分を控えると同時に、運動不足から来る肥満を予防するよう、カロリーと食材を吟味します。
獣医さんに相談するのが無難でしょう。 - 外科手術
症状が重い場合には外科手術によって動脈管の開存部を修復することがあります。
しかし犬の健康状態により手術自体が命がけの危険なものになったり、また手術しても完治するとは限らないという問題もありますので、事前に担当獣医師と十分相談する必要があります。
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