【完全ガイド】犬の飛びつく癖をしつけ直す

~愛犬の為にも飛びつく癖は直した方が良い~

犬が飼い主の足元でぴょんぴょんと飛び跳ねる姿は、とても愛らしくかわいらしいものです。
帰宅時に愛犬が廊下を走ってきて、飛び付いてくると、とても癒さされる事もあるでしょう。

しかし、犬の飛びつく癖をしつけ直す事は、事故や怪我を防止する上で重要です。
飛びついて着地の際に、ひざや腰を痛めたり、中にはバイクや車に飛びついてしまう子もいます。
犬の飛びつきは、その理由が分かれば適切にしつけることができます。

飛びつき癖のしつけは、人に飛びつく際の最も多い理由である「顔や口をなめる」という行動もあわせて予防する必要があります。
犬の口の中にはパスツレラ症を引き起こすパスツレラ・ムルトシダが存在しており、免疫力が低下した人は付着した部分が炎症したり、気管支炎や肺炎を発症する可能性があります。



なぜ飛びつくの?

飛びつくことは本能的な行動?

犬は基本的に、嬉しくて興奮することで「飛びつき」という行動をとります。
犬にとって、飛びつくことはごく当たり前の行動で、本能として備わっている行動とも言えます。
とくに子犬期に多くみられる行動ですが、いずれ直ると思って放っておかない方が良いでしょう。
子犬期にしてはいけないと教わっていなければ成犬になっても続けることがしばしば見られます。

犬の飛びつく癖の理由や意味

うれしい時

飼い主さんの帰宅時に玄関を開けると、興奮したように迎えに来て飼い主に飛びつくのは、正によろこびの表現です。
寂しい思いをさせてしまったのだから、可能な限りそのような飛びつきは受け入れてあげたい気持ちも分かります。
ただ、これのみを受け入れようとすると、しつけが上手くいかないので、「両手を広げる」や「膝を叩く」などの飛び付いても良い合図を決めて受け入れて上げましょう。

その他にも散歩が好きなワンちゃんが、リードを見て興奮して飛びついてきたり、散歩中に大好きな人や犬に会ったときにしっぽを振りながら飛びつく時もうれしさの表現ですが、これは迷惑を掛ける可能性が高いので、しつけをするようにしましょう。

抱っこしてほしい時

これは特に子犬や小型犬に見られますが、散歩中に歩きたくない時や嫌いなものや怖いものが近づいてきた際に、守ってほしくて、飛びついてくる事が良くあります。

飼い主の持っているものがほしい時

飼い主が持っている大好きなおやつやおもちゃを、欲しいあまりにせがんでいる行動です。

飼い主に限らず誰かが何かを食べている時に、口元や手元に飛び掛かる事もあります。
飼い主自身や他の誰かにもケガをさせるリスクがあります。

恐怖を感じている時

時には、攻撃心から飛びつくこともあります。
見知らぬ人や来客時など玄関に近づいた人に飛びかかろうとしたり、散歩中にバイクやすれ違う犬に飛びかかりそうになる時は、恐怖による警告や威嚇のためや追い払うためにしている行動といえます。
攻撃的な性格の犬は、相手に噛み付くため、攻撃心から飛びつくこともあります。
 
これは放っておくと、大事故につながる可能性が高いので、ワンちゃんの為にも必ずしつけし直しましょう。

犬の飛びつき行動の危険性

事故やケガを招く恐れが・・・

いくら犬にとっては自然な行動であるとはいえ、思うがままに飛びかかっていては、事故やケガにつながる恐れがあります。
われわれ飼い主にではなく、他人や他の犬にも飛びかかろうとしてトラブルになったり、バイクなどの動くものに飛びかかろうとしたりする子はとくに危険です。

それは中型犬以上の力の強い犬たちだけではなく、小型犬でも急に飛びつかれると、大人でもしゃがんでいれば、バランスを崩して後ろによろめく事はあります。
ましてや相手が子どもであればケガをさせてしまう危険性は十分あります。

ケガはさせなくても、愛犬の足についた泥や土で洋服を汚してしまう可能性もありますので、やはり十分に対策は必要でしょう。

犬の飛びつく癖のしつけについて

NG例
自分の足元に飛びついてきた犬を蹴飛ばしたり、力ずくで押さえつけたりする事。
これにより、「人間=怖い」というイメージが付き、犬は日常生活をする上で常にストレスを抱えるようになってしまいます。

まずは「犬のしつけの基本理論」をしっかりと理解しておいて下さい。⇒犬のしつけの基本

また犬の集中力は10分~15分程度です。集中力が無くなってきたと感じたら、潔くしつけを中断しましょう。

犬の飛びつく癖をしつけの手順

  1. アイコンタクトオスワリマテの服従訓練を完璧にマスターさせておきましょう。
    これは、あらゆるしつけでも必要ですし、何よりも普段の事故の防止にもなります。

  2. 飛びつき行動が出るタイミングを確認して、 おやつを用意し、その状況を再現してみましょう。

飛びつく状況を再現飛びつき行動が出やすい状況

飼い主が外出から帰ったとき

散歩やえさをねだるとき

知っている人や犬を見たとき

見知らぬ人や犬を見たとき

見知らぬものを見たとき

お座りで飛びつきを中断

3.犬が飛びついてきた瞬間、リアクションをせずに黙ったまま、自然に振舞いましょう。
これは家族全員に決め事として、同じ対応を取るように協力して下さい。
犬が行動を中断した瞬間、「お座り」の指示をし、犬が腰を下ろしたら「待て」を指示しましょう。
5秒程度じっとしていられたら、「いいこ」とほめ、おやつをあげましょう。
これを繰り返し行って下さい。それにより犬は下記の2点を学んでくれます。

  • 人に飛びつくと何も得られない
  • 飛びつかずにお座りするとごほうびをもらえる

4.おやつを徐々に減らしましょう。
犬がしっかり飛びつかなくなってきたら、おやつを与える回数を「2回に1回→ 3回に1回→ 4回に1回・・・」と少しずつ減らしていきます。
最終的には「いいこ」などの褒め言葉だけで済ませるようにしましょう。
ただし、たまには犬の大好きなおやつをランダムであげて下さい。
それにより、しつけが強化されるようになります。

顔なめをやめさせる

~衛生面でも大切です~

犬が人間に飛びつこうとする最も大きい理由は、顔や口をなめることが非常に多いです。

顔なめの対処法で重要なのは、他のしつけでも同様ですが、なめられているときに「うわー!」といった大きな声を出さないようにしましょう。
甲高い声や大きな声は、「相手も喜んでくれている」や「遊んでくれている」と勘違いさせてしまう事になります。
それでは、逆に顔なめを積極的に行うようになってしまうので、注意しましょう。

万が一顔や口をなめられても一切声は出さない状態でお座りの指示を出すようにしてください。
これは家族全員が一貫して守らなければならないルールです。
また家に遊びに来た友人や知人など、犬と接する家族以外の人間にも守ってもらう必要があります。
顔なめを止めさせるためには、顔なめの行動と同時にはできない「お座り」の指示を出しましょう。
「お座り」ができたらしっかりとほめてあげましょう。

顔なめをやめさせる事は、衛生面でも大切です。
人間への感染症予防にもなりますので、必ず対応するようにしましょう。

しつけ以外の対応について

犬のストレス(欲求不満)を解消する

犬が飛びつくのは、ストレスや欲求不満が原因の可能性があります。
単純に大好きな飼い主とふれあいたかったり、日頃のストレスで機嫌が悪く、散歩中他の犬に飛びついたりするなどがあります。

ただ単にしつけをして、行動を抑制する事は、犬にロボットを演じさせるようなものです。
愛犬の幸せの為にも、常日頃からスキンシップを取ってあげて、思う存分甘えさせてあげる事がとっても重要なように思います。

こちらから飛びつきや顔なめを誘発しない

たとえば、外出してから帰って来た時に、愛犬が可愛すぎて思わず顔を近づけて頭を撫でてあげたりすると、直ったはずの顔なめ行動が再発してしまいます。
また、ほとんど飛びつく事が無くなったからといって、時たま飛びついかれた時に受け入れてしまうと、再び飛びつくようになってしまいます。

飛びつきや顔なめがほぼ直ったと思っても、油断せずたまたま飛びつかれたと思っても、素っ気ない態度をして、「飛び付いても良い事はないよ」と一貫した態度を示してください。

飛び付いても良い合図を決めてあげる

一切の飛びつき行為を禁止にするのは、忍びないと思います。
両手を広げたら飛び込んでOKであったり、膝を叩いたら、飛び込んでも良いというような合図を決めてあげましょう。

ただ、小さい子や他人がその合図を知らずに、その合図をしてしまうと、飛び付いてしまう恐れもありますので、散歩中は必ずリードを付けておくなど、しっかりと注意を払うようにしましょう。

まとめ

✔「犬のしつけの基本理論」をしっかりと理解しておいて下さい
✔ 犬が飛びついてきた瞬間、リアクションをせずに黙ったまま、リアクションはしない
✔ 犬のストレス(欲求不満)を解消する

飛びつき行動は、愛情表現である事が多く、愛らしく見える事も多いでしょう。
しかし、飛びつき行動は、人はもちろんのこと愛犬の命にも危険がおよぶ可能性があります。
飛びつき行動による事故は、皆さんが思っている以上に多いです。
散歩中におばあさんに飛びついて倒してしまい、腰の骨を折ってしまったり、小さい子供に飛びついて、顔にケガをさせてしまったりと第三者に迷惑を掛ける事が多い問題行動と言えます。

小さいころから、愛犬が飼い主に集中するようにしつけを行いましょう。
保護犬などを引き取った時などはなるべく早く習慣づけることが大切です。

そのためには、日常的に愛犬が飼い主に注意を払い、耳を傾ける習慣をつけ、飛びつくよりも愛犬にとってメリットとなる行動を教えてあげることで、飛びつかないことを選択するようになれるといいですね。

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