~愛犬の興奮を抑える効果も~
「待て」とは、飼い主の指示によって犬が動きを止め、許可が出るまでその場で待たせる事です。
「待て」は食事のしつけや留守番のしつけなどの我慢を要求されるような場面で重要な行動になります。
また、通常の生活においても我慢が必要な場面でも役立ちます。
犬の身を守る上でも必要なしつけとなります。
散歩中に信号に差し掛かる前に「待て」を出来れば、急に横断歩道に飛び出してしまう事も未然に防げます。
これにより車に轢かれる心配も無くなります。
また、「待て」のしつけをマスターすれば、興奮している愛犬の気持ちをコントロールするトレーニングにもなります。
「待て」は興奮している犬を落ち着かせる効果もありますので、散歩中に見知らぬ犬が向こうから歩いてきた時に興奮してしまった愛犬に「待て」と指示を出せば、飛ぶ掛かってしまう事を防ぐことが出来るでしょう。
つまり、犬が自分で歯止めが効かなくなって暴走してしまうのを防ぎやすくなります。
- 犬の「待て」のしつけはいつから?
- 犬の「待て」のしつけについて
ー 犬の「待て」のしつけの手順
ー しつけの準備
ー「待て」のしつけ方
― ごほうびを変える - 目や耳の不自由な犬の場合
ー ハンドシグナルを教える
― ごほうびを変える - まとめ
犬の「待て」のしつけはいつから?
~生後3ヶ月頃から始めるのがベスト~
犬の「待て」しつけは、できるだけ早い時期から開始しましょう。
子犬の頃にちゃんとしつけがされているかどうかで、成犬になってからの振る舞いに大きな違いが生まれます。
そのため、できる限り早い段階からしつけを始めていくと良いでしょう。
「まだ赤ちゃんの頃にしつけをしても仕方がない」と思いがちですが、犬は人間の十倍近いスピードで成長します。
具体的には、生後3ヶ月頃から始めると良いでしょう。
子犬については、少なくとも生後半年ほども経てば、人間に換算するとすでに幼稚園や小学校に入学するぐらいの年齢であるため、十分しつけを行うことが可能といわれています。
もちろん、生後すぐの時期から名前で呼んで覚えさせるなどの簡単なしつけを始めても問題ありません。
犬の「待て」のしつけについて
~ほめて伸ばす事を心掛けましょう~
「待て」のしつけに関わらず、すべてのしつけは決して無理をしないのが、成功の秘訣です。
人は社会で揉まれている分、どうしても厳しくなりがちですが、人間の社会の厳しさを犬に押し付けるのは可哀そうです。
気長に一歩ずつ、遊びの延長のつもりで楽しむようにしつけを行ってあげて下さい。
それはわれわれ飼い主にとっても同様で楽しみながら行い、愛犬が成長を見せた時には、思いっきり喜びましょう。
また、「待て」の指示語は「待て」以外にも「STAY(ステイ)」などもありますので、好みで選んでもらえれば良いと思います。
ちなみに私は「STAY(ステイ)」派です。
NG例:
「待て」のしつけ中に、犬が動いてしまった時、怒ったり、ましてや叩いてしまうと、「待て=怖い」や、ひどい場合「動く=怒られる」と解釈してしまう恐れがあります。
そうなっては、あまりにも可哀相です。OK例:
しつけはごほうびと「いいこ」などの言葉で、ほめて伸ばす事が基本中の基本です。
しつけはそれをするといい事があると、イメージ付けする事で覚えていきます。
犬の「待て」のしつけの手順
しつけの準備
愛犬が集中できる環境を作ってあげましょう。
しつけようとしても周りがうるさかったり、おもちゃが散らかっていると気が散ってしまいます。
きちんと集中できる環境を整えた中で「待て」ができるようになったら、今度はまわりに大好きなおもちゃなどがあったり、テレビがついているような子犬の気が散ってしまいがちな環境でもできるように練習していきまましょう。
① 窓を閉じて外からの音を遮断し、テレビやオーディオなど音の出るものは消しましょう。
② 気が散るようなおもちゃなどは全て片付けましょう。
③ 犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなったと感じたら、潔くしつけを中断しましょう。
「待て」のしつけ方
~焦らずゆっくりと進めていきましょう~
- 「待て」のしつけは「お座り」のしつけが出来ている事が必須です。
まずは「お座り」のしつけを終わらせましょう。⇒お座りのしつけ - 犬の正面から、「お座り」を指示し、座った瞬間に「いいこ」と声をかけ、その2秒後におやつを与えます。
オスワリ
→(犬が座る)
→いいこ
→(2秒カウント)
→ごほうび - 2秒待つ事が出来るようになったら、1秒ずつ時間を延ばしていきます。
焦らずに1日1~2秒伸ばす位ゆっくりと行う事が肝心です。
まずは10秒を目標に頑張りましょう。 - 規定の秒数を動かずに待っていられたら「いいこ」と言っておやつを与えますが、声を掛けた後、動き出してしまったら、絶対におやつを与えないで下さい。
- 10秒待てるようになったら、指示語の「マテ」を覚えさせましょう。
- お座りを指示し、お座りしたら「いいこ」とほめ、そこから2秒後に「マテ」と声を掛けましょう。
それからさらに10秒後におやつを与え、思いっきり褒めて上げましょう。 - 今度は動いても良いという意味の解除語である「よし」などという合図を覚えさせましょう。
「よし」をよく用いられがちですが、日常で頻繁に使う言葉でもあるので、気になるようでしたら、英語の「フリー」でも良いでしょう。オスワリ
→(犬が座る)
→いいこ
→(2秒カウント)
→マテ
→1~2歩下がる
→10秒後「フリー!」
→ごほうび - 1歩ずつ距離を伸ばしていきましょう。
初めは1歩だけ離れるところからスタートしましょう。
できたら次は2歩、3歩……と少しずつゆっくりと距離をのばしていきましょう。
目標は10歩です。
ごほうびを変える
- 犬がしっかり待てを覚えたら、おやつを与える回数を「2回に1回→ 3回に1回→ 4回に1回・・・」と少しずつ減らしていきます。
最終的には「いいこ」などの褒め言葉だけで済ませるようにしましょう。
ただし、たまには犬の大好きなおやつをランダムであげて下さい。
それにより、しつけが強化されるようになります。 - ごほうびには「声を出す」「犬の方を見る」「犬を触る」といった事も含まれます。
犬が動き出してしまったら無視をし、顔も向けずにいて下さい。
愛犬のお気に入りのおやつを探す
愛犬がどんなおやつに興味を示すかは、実際に与えてみなければ分かりません。
また、いつも同じおやつだと飽きてします可能性もありますので、愛犬が大好きなおやつをいくつか把握しておきたいものです。
また、愛犬が幸せそうにおやつを食べる姿は、われわれ飼い主にとっても幸せな瞬間の一つです。下記は様々なおやつを扱っているサイトです。
参考までにどうぞ。愛犬のおやつを探す⇒外部リンク:犬の通販デパート ニコシティ
目や耳の不自由な犬の場合
目や耳の不自由な犬でも「待て」のしつけを行う事は可能です。
むしろ目や耳が不自由な子にこそしっかりと教えなくてはいけないでしょう。
目が見えなければ、近づいてくる自転車や電柱などの障害物に気付かず、ぶつかってってしまう可能性が高くなりますし、耳の不自由な子の場合も同様に、車や人の声などを聞く事が出来ない為、事故に会う危険が高くなります。
たとえ愛犬の体が不自由だとしても諦めず、愛情を持ってきちんとしつけをしてあげましょう。
ハンドシグナルを教える
犬の耳が不自由な場合や騒音の中など、声が聞き取れない状況でも指示を出せるように、ハンドシグナルも覚えさせましょう。
「犬の顔の前に手のひらをかざす」というハンドシグナルを例にします。
犬の耳が不自由な場合
- 犬に「オスワリ」のハンドシグナルでお座りをさせます。
お座りの姿勢を2秒保持できたら、おやつを与え、軽くなでてあげましょう。 - 1秒ずつ時間を延ばしていきます。
焦らずに1日1~2秒伸ばす位ゆっくりと行う事が肝心です。
10秒を目標に頑張りましょう。
オスワリのハンドシグナル
→(犬が座る)
→(2秒カウント)
→マテのハンドシグナル
→(3~10秒カウント)
→ごほうび - 今度は「マテ」のハンドシグナルを出した後、飼い主1~2歩下がりましょう。
10秒間じっと待っていられたら、解除のハンドシグナル「両手を広げ」、犬を迎え入れてあげましょう。 - 1歩ずつ距離を伸ばしていきましょう。
目標は5歩です。犬が近寄ってきたらおやつを与えて撫でてあげます。
ハンドシグナル「オスワリ」
→犬が座る
→2秒後、ハンドシグナル「マテ」
→数歩下がる
→10秒後、両手を広げる
→近寄ってきたら、ごほうび
犬の耳が不自由でない場合
- 前述している「マテ」の指示語をマスターさせましょう。
- 「マテ」と指示語を出す直前にハンドシグナル「犬の顔の前に手のひらをかざす」を出しましょう。
お座りの指示
→犬が座る
→いいこ
→2秒後、ハンドシグナル「犬の顔の前に手のひらをかざす」
→指示語「マテ」
→10秒後、ごほうび - 少しずつ指示語の声のボリュームを下げていきましょう。
最終的には、ハンドシグナルだけで犬が待てるようにしましょう。
時間や距離を伸ばす上での注意点は、解除の指示を出していないのに動いてしまったらごほうびを与えてはいけないという点です。
しばらくしたら、再びお座りを指示して1からやり直しましょう。
ごほうびを変える
- 犬がしっかり待てを覚えたら、おやつを与える回数を「2回に1回→ 3回に1回→ 4回に1回・・・」と少しずつ減らしていきます。
最終的には「いいこ」などの褒め言葉や耳の不自由な子には「体を撫でる」だけで済ませるようにしましょう。
ただし、たまには犬の大好きなおやつをランダムであげて下さい。
それにより、しつけが強化されるようになります。 - ごほうびには「声を出す」「犬の方を見る」「犬を触る」といった事も含まれます。
犬が動き出してしまったら無視をし、顔も向けずにいて下さい。
まとめ
✔ 絶対に叱らない
✔ はじめは家の中でのトレーニングから
✔ ハンドシグナルもマスターしましょう
「待て」がしっかりと出来るようになれば、普段の様々な危険を回避できるようになります。
ですから、必ず「待て」を覚えるようにしましょう。
しつけは絶対に叱らず、出来なかったときは無視で対応する事を心掛けて下さい。
必ず褒めて伸ばす事を心掛けて下さい。
しつけは初めのうちは家の中で集中してトレーニングしましょう。
家の中である程度できるようになったら、外でのトレーニングを始めましょう。
家とは違い、外は気が散る要素が数多く存在します。
犬の緊張度も変わるので、外での「待て」の方が何倍も難しいです。
ですが、「待て」が効力を発揮するのはたいてい外ですので、外で「待て」がしっかりできるように日々トレーニングしましょう。
また、出来ればハンドシグナルも教えられると大変助かるでしょう。
ハンドシグナルもマスター出来れば、声の聴きずらい雑踏の中でも「待て」のコマンドを出す事が可能です。
是非ともチャレンジしてみて下さい。
コメントを残す