犬の会陰ヘルニア(えいんへるにあ)

 お尻部分を覆っている骨盤隔膜(こつばんかくまく)と呼ばれる膜に異常があり、骨盤内の臓器が外側に飛び出してしまった状態のことです。
 会陰ヘルニアには、臓器の脱出部位によって「坐骨型」、「腹側型」、「背側型」、「尾側型」という4タイプがありますが、最も多いのが「尾側型」です。これは、しっぽに沿って走っている「尾骨筋」(びこつきん)、「肛門挙筋」(こうもんきょきん)と、肛門の周囲をぐるっと取り囲んでいる「外肛門括約筋」(がいこうもんかつやくきん)の間でヘルニアが生じる状態を指します。

 外に飛び出す臓器は、脂肪組織、直腸、膀胱などいろいろです。おなかの前方にあるはずの膀胱が出てしまった場合は、締め付けによっておしっこが出なくなり、より重篤な症状につながりやすくなります。

 犬の会陰ヘルニアの主な症状は以下です。好発年齢は5歳以上とされます。また、似た外観を示すものとして肛門嚢炎がありますが、会陰ヘルニアは一般的に、肛門嚢炎よりもはるかに大きなコブを形成します。

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主な症状
☆会陰部のふくらみ
☆うんちが出にくい(しぶり)
☆おしっこが出にくい
尿毒症(膀胱の場合)

 

犬の会陰ヘルニアの主な原因

  • 会陰ヘルニアを発症しやすい犬種が確認されていますので、遺伝が何らかの関わりを持っている可能性があります。具体的には、ボストンテリアコリーボクサーペキニーズなどです。また、症例の95%がオスだとされています。
  • 会陰ヘルニアのは多くの場合原因不明です。骨盤筋が生まれつき弱い、性ホルモンのアンバランス、筋肉内におけるホルモンレセプターの障害、前立腺疾患などが考えられていますが、詳しい発症メカニズムはよくわかっていません。

 

犬の会陰ヘルニアの主な治療法

  • 発症部位を修復するような外科手術が施されます。具体的には、結腸や膀胱をおなかの中に固定する手術や、筋肉の裂け目を縫ってしまう手術などです。また、男性ホルモンが何らかのかかわりを持っている可能性があるため、去勢手術も併せて行われます。
  • 傷口における二次感染を予防するため、抗生物質が投与されることもあります。
  • 直腸に便がたまってヘルニアを起こさないよう、うんちを柔らかくする便軟化剤が投与されることもあります。

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