犬の狂犬病~愛犬が水や風を怖がったり、攻撃的になったら~
犬の狂犬病とは、狂犬病ウイルス(rabies virus)に感染することで発症する病気です。
われわれ人間を含めたすべての哺乳類が感染(人獣共通感染症)します。
そのほとんどが死亡するという極めて恐ろしい病気です。
潜伏期間は、通常2週間から3ヶ月ですが、場合によっては1年から2年の長い潜伏期がありますので、全く心当たりが無いのに、急に発症したと感じる事もあります。
特徴的な症状の一つとして「水などを恐れる」という項目があることから、「恐水症」(きょうすいしょう/hydrophobia)と呼ばれることもあります。
なお狂犬病を国内から駆逐した「清浄国」としては、日本のほかイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、北欧の一部などがあります。
一方アメリカにおいては、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリの間で流行する4種の流行株が確認されており、そのすべてが犬猫にも感染することから、いまだに油断できない状態です。
犬の狂犬病の症状は「狂躁型」(きょうそうがた, 全体の80%)と「沈鬱型」(ちんうつがた, 全体の20%)に分類されます。
ここでは、犬の狂犬病の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
- 犬の狂犬病の主な症状
- 犬の狂犬病の主な原因
- 犬の狂犬病の主な治療法
犬の狂犬病の主な症状
犬の狂犬病の主な症状としては、まず発熱、食欲不振が起こります。
次に不安感、水や風を怖がったり、攻撃的になったり、精神錯乱などの神経症状が出ます。
最終的には、昏睡状態に陥り、呼吸障害によりほぼ100%が死亡するという恐ろしい病気です。
主な症状 | |
☆前駆期 |
|
☆狂騒期 |
|
☆麻痺期 |
|
犬の狂犬病の主な原因
- すでに狂犬病ウイルスに感染した動物にかまれることにより、傷口から唾液とともにウイルスが侵入します。
かまれた部位や体内に侵入したウイルスの量、ウイルスの病原性の度合いによって左右されますが、大体かまれてから2~6週間後に発症します。
※偽性狂犬病
狂犬病ウイルスではなく豚ヘルペスウイルス1型によって引き起こされる症状のことで、「オーエスキー病」とも呼ばれます。
症状は狂犬病のそれとよく似ており、発熱、嘔吐、大量のよだれ、呼吸の乱れから、震え、痙攣、四肢硬直、昏睡へと進行し、多くのケースでは死んでしまいます。
感染経路は、ウイルスを保有する豚との直接的・間接的接触です。
養豚場など、犬猫と豚とが接触する機会が多い場所においては注意が必要です。
犬の狂犬病の主な治療法
- 狂犬病は発症すると致死率がほぼ100%という恐ろしい病気ですので、ワクチン接種による予防が実質的な予防・治療法といえます。
※日本では「狂犬病予防法」を制定し、飼い犬の登録と年1回の予防接種の義務、放し飼いの禁止、野犬の捕獲、輸出入動物の検疫、 と国をあげての防疫体制をとっており、1957年以降狂犬病の発生はありません。
畜犬登録(ちくけんとうろく)済みの人は時期が近づくと葉書などで連絡が来ます。
まだ畜犬登録していない人は市区町村に問い合わせて集団接種の日時と会場をお問い合わせ下さい。
集団接種の機会を逃しても動物病院などで予防注射はできますが、その場合接種済み証明書を保健所などに提出する必要があります。
コメントを残す