犬の眼球脱出~明らかに見た目で眼球が飛び出てしまっていたら~
犬の眼球脱出とは、眼球がまぶたの外に飛び出してしまった状態を言います。
シーズー、パグ、ボストンテリアなど、最初からある程度眼球が外に出ている短頭種で多く見られます。
ここでは、犬の眼球脱出の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめて いますので、是非ご参考になさってください。
- 犬の眼球脱出の主な症状
- 犬の眼球脱出の主な原因
- 犬の眼球脱出の主な治療法
犬の眼球脱出の主な症状
犬の眼球脱出の症状としては、明らかに見た目で眼球が飛び出てしまっていることが分かります。
眼球の損傷や充血などが見られ場合もあります。
眼球脱出の時間経過が長いほど、飛び出している眼球や周りの組織が乾燥したり、細胞が壊死して色が変わってしまう事もあります。
眼球脱出の際に、神経を損傷し、失明してしまうこともあります。
主な症状 |
☆眼球の突出 |
☆眼球の炎症 |
☆眼球の乾燥 |
☆眼球の壊死(えし) |
犬の眼球脱出の主な原因
犬の眼球脱出のほとんどのケースが咬傷や交通事故などによる頭部への強い衝撃や外傷によるものですが、眼の穴の中に腫瘍や膿の溜まった膿瘍ができて、それが眼球を前に押し出し、眼球が突出することもあります。
- 頭部への強い衝撃
頭に対して強い衝撃が加わると、そのはずみで眼球が飛び出してしまうことがあります。
通常は急性に発症し、体が小さければ小さいほど、また眼球の露出面積が大きければ大きいほど、発症確率が高まります。
具体的には、チワワ、シーズー、パグ、ボストンテリアなどです。 - 眼窩内の腫瘍
眼球を入れているソケットである眼窩(がんか)内に腫瘍ができると、内側からの圧力によって眼球が押し出されてしまうことがあります。
通常は徐々に発症します。
ちなみに人間においては、眼球の突出を引き起こす病気として「甲状腺機能亢進症」が有名ですが、犬においてはこの病気自体がまれで、なおかつ発症しても眼球の突出はほとんど示しません。
犬の眼球脱出の主な治療法
眼球を元の位置に戻した後は、再び眼球が飛び出してこないように上下のまぶたを縫い合わせます。
その後数週間は抗生剤や抗炎症剤などを内服して、様子を見ます。
眼球が破裂してしまっている場合や、目の周りの骨が骨折したり眼球を元の位置に戻すことができない場合などは、眼球を摘出する場合があります。
- まぶたを引いて整復
軽症の場合はまぶたを注意深く引きながら眼球を元の位置に整復します。
整復後しばらくの間は患側の目が斜視(本来の位置から黒目がずれること)を示しますが、時間と共に徐々に回復します。 - まぶたの切開
むくみがひどく、元に戻すのが困難な場合は、まぶたの一部を切開した上で眼球の整復を行います。
脱出してから治療するまでの時間が短ければ短いほど予後は良好です。 - 眼球摘出
眼球の損傷がひどく、整復しても視力の回復が見込めないような場合は、眼球を摘出してしまいます。
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