犬の副甲状腺機能低下症(ふくこうじょうせんきのうていかしょう)

犬の副甲状腺機能低下症~ふらふらと歩いたり、意識を失うことがあれば~

犬の副甲状腺機能低下症(ふくこうじょうせんきのうていかしょう)とは、のどにある副甲状腺と呼ばれる器官から分泌される副甲状腺ホルモンの作用が弱くなりすぎた状態を言います。
副甲状腺機能低下症は、上皮小体機能低下症とも呼ばれます。
副甲状腺(上皮小体とも呼ばれる)とはのどの甲状腺の少し上についている分泌器官であり、副甲状腺ホルモンを生成します。
副甲状腺ホルモンはパラトルモンとも呼ばれ、主に血液のカルシウムの濃度を増加させる働きをもち、骨、腸、腎臓などに作用します。

ここでは、犬の副甲状腺機能低下症の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。


  • 犬の副甲状腺機能低下症の主な症状
  • 犬の副甲状腺機能低下症の主な原因
  • 犬の副甲状腺機能低下症の主な治療法

犬の副甲状腺機能低下症の主な症状

副甲状腺機能低下症の主な症状は、以下のようなものがみられます。
ある程度、進行してしまった状態でないと、気づきにくいことが多いです。
最悪の場合は、死に至ることもあり、とても危険な疾患です。

主な症状
☆神経過敏
☆常にそわそわして落ち着かない
☆ぐったりする
☆筋肉が震える
☆骨密度の低下
☆ふらふら歩く
☆全身性テタニー(筋肉が収縮やけいれんを繰り返す)

犬の副甲状腺機能低下症の主な原因

副甲状腺機能低下症の主な原因は、副甲状腺自体に異常が起こり、機能が低下することによって、引き起こされます。
詳しくは、下記にまとめましたので、是非ご参考になさって下さい。

  • 副甲状腺の変性
    外傷、炎症、腫瘍などで副甲状腺が変性すると、分泌されるホルモンが少なくなって低下症を引き起こすことがあります。
    副甲状腺の炎症に関しては、トイプードルミニチュアシュナウザージャーマンシェパードラブラドールレトリバースコティッシュテリアにやや多いとされますが、詳細な原因はわかっていません(特発性副甲状腺炎)。
    好発年齢は6歳ころです。

  • 医原性の副甲状腺機能低下症
    甲状腺や副甲状腺にできた腫瘍を取り除くため、腺自体を切除してしまった場合、ホルモンの分泌量が減って機能低下症を招くことがあります。
    こうした発症パターンを「医原性の副甲状腺機能低下症」と言います。

  • ストレス
    運動、騒音など何らかの精神的・肉体的ストレスが発症の引き金になることがあります。

犬の副甲状腺機能低下症の主な治療法

犬の副甲状腺機能低下症の治療ですが、様態が比較的安定している場合は、ビタミンD製剤などを投与します。
ただ、症状が重度の場合は、輸液療法で血中に直接カルシウム製剤を投与します。
詳しくは、下記にまとめましたので、是非ご参考になさって下さい。

  • 輸液による治療
    緊急治療としては、グルコン酸カルシウム溶液や塩化カルシウム溶液の輸液が行われます。
    症状が落ち着いた後の長期治療としては、カルシウム剤やビタミンDの補給が一般的です。
    多くの場合、カルシウムが多くなりすぎる「高カルシウム血症」と、逆に少なくなりすぎる「低カルシウム血症」の両方に気を配りながら、一生涯補給を継続することが必要となります。

  • 栄養補給
    カルシウムの腸管からの吸収を促すビタミンDも、カルシウムと同じくらい大切な物質ですので、不足しないよう注意します。
    私たち人間は、皮膚に紫外線を浴びることでビタミンDを生成できますが、体内でビタミンCを生成することはできません。
    一方犬は、体内でビタミンCを生成することはできますが、皮膚中の「7-デヒドロコレステロール」と呼ばれる有機化合物が不足しているため、ビタミンDを自給自足することができません。
    つまり、人間がビタミンCを食事から補給するように、犬はビタミンDをエサから補給する必要があるというわけです。
    なおこの物質は、不足しても体調不良を招きますが、摂りすぎても「過剰症」という体調不良を招きますので要注意です。

  • 基礎疾患の治療
    別の疾病によって副甲状腺機能低下症が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。

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