犬の副鼻腔炎~ドロッとした粘り気のある鼻水が出たり、くしゃみをしたら~
犬が鼻水を出したり、くしゃみをしたりすることはよくありますが、それが続く場合は副鼻腔炎の可能性があります。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、細菌感染やアレルギーなどが原因で起こる炎症の一種で、鼻腔の一部は鼻腔とつながっているため、鼻腔内に炎症があると、小さな穴を伝って副鼻腔内に侵入してしまうことがあります。
副鼻腔炎は、放置すると重篤化することもあります。
鼻腔と副鼻腔の炎症は併発することが多いため、「鼻副鼻腔炎」(びふくびくうえん)と合体させて呼ばれることもしばしばです。
ちなみに副鼻腔炎が悪化すし、炎症の結果として副鼻腔内に膿(うみ)がたまった状態は蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれます。
鼻炎が長引いて症状が悪化することによって副鼻腔炎を併発することが多いです。
ここでは、犬の副鼻腔炎(ふくびくうえん)の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。
本記事では、犬の副鼻腔炎について詳しく解説します。
犬の副鼻腔炎の主な症状
犬の副鼻腔炎の主な症状としては、ドロッとした粘り気のある鼻水が出たり、くしゃみをしたりします。
症状が悪化すると、鼻筋が腫れてきたり、蓄膿症になったります。
この状態になったら、鼻が詰まり呼吸がしづらくなるため、口を開けてぜーぜーとあえぐような呼吸の症状がみられることもあります。
犬の副鼻腔炎には急性と慢性の2つの形態があります。
急性副鼻腔炎:
- 頭痛や不快感を示すために頭を振る、かきむしるなどの行動を示す
- 鼻詰まりや鼻水が出る
- 目や鼻周辺の痛みや腫れ
- 食欲不振
- 咳やくしゃみ
- 呼吸困難
慢性副鼻腔炎:
これらの症状は、犬の健康状態によって異なる場合があります。したがって、診断を遅らせずに獣医師の診察を受けることが重要です。
犬の副鼻腔炎の主な原因
犬の副鼻腔炎の主な原因は、細菌やウイルス、真菌などの感染が挙げられます。
ウィルスや細菌、真菌などの感染症が多いようです。
その他にも異物や腫瘍などが原因となることがあります。
・歯周病、虫歯、口内炎などの口腔内の疾患が原因で起こる場合がある。
・風邪やアレルギーなどの上気道疾患が原因で起こる場合もある。
・細菌感染、真菌感染、ウイルス感染などが原因で起こる場合もある。
・外傷が原因で副鼻腔が破損した場合にも起こることがある。
・先天性の問題が原因で起こることもある。
犬の副鼻腔炎の主な治療法
副鼻腔炎の主な治療は、まだ症状が軽い場合は、抗生剤や消炎剤を投与することによって良くなります。
しかし、鼻筋が腫れてきたり、蓄膿症を発症している場合には、膿を除去したり副鼻腔内の洗浄を行う必要があります。
犬の副鼻腔炎の治療法には以下のものがあります。
-
抗生物質の投与:
副鼻腔炎は細菌感染によって引き起こされることが多いため、抗生物質が有効です。
病原菌の種類に合わせて適切な抗生物質を選択します。 -
副鼻腔の洗浄:
副鼻腔内にたまった膿や汚れを取り除くために、副鼻腔の洗浄を行います。
通常は鼻腔内に特殊な液体を注入して副鼻腔内に流し込み、汚れを取り除きます。 -
抗炎症薬の投与:
副鼻腔炎の症状である鼻づまりや腫れを抑えるために、抗炎症薬が用いられます。 -
手術:
治療が効果的でない場合、または副鼻腔内に腫瘍や異物がある場合は、手術が必要となることがあります。
手術は専門的な医療機関で行われます。 - 基礎疾患の治療:
別の疾病によって副鼻腔炎が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。
歯周病が原因の場合はそちらの治療が優先されます。
犬の副鼻腔炎の予防
犬の副鼻腔炎の予防には以下のような方法があります。
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歯磨きの徹底
副鼻腔炎は口内環境の悪化が原因の一つとされています。犬の歯磨きは定期的に行い、口内環境を清潔に保ちましょう。 -
適切な栄養バランスの食事
犬の食事にはバランスの良い栄養素が必要です。特に、ビタミンA、E、C、亜鉛などの抗酸化物質を摂取することで、免疫力を高めることができます。 -
運動不足の解消
適度な運動は免疫力を高め、犬の健康を維持する上で重要です。運動不足は免疫力の低下につながるため、定期的な運動を心掛けましょう。 -
病気の早期発見・治療
病気になってしまった場合は、早期に発見し、治療を行いましょう。症状がある場合には、獣医師に相談することが必要です。 -
適切な環境の提供
犬に適切な環境を提供することも重要です。屋内の環境を清潔に保ち、犬がストレスを感じないような環境を作ることが大切です。また、花粉症などのアレルギー症状がある場合は、環境の改善も必要です。
以上の予防方法を実践することで、犬の副鼻腔炎を予防することができます。
犬の副鼻腔炎の予後
多くの場合は予後良好
犬の副鼻腔炎の予後は、原因と症状の重症度、治療のタイミングや方法によって異なります。
早期に治療が行われ、原因菌に適切な抗生物質が投与された場合、多くの場合は予後良好となります。
しかし、治療が遅れたり、原因菌が特定できずに適切な抗生物質が投与されなかった場合、症状が悪化して敗血症を引き起こす可能性があり、重症化する場合もあります。
また、副鼻腔炎が反復的に発症する場合は、原因菌の適切な治療が必要です。
さらに、犬の健康状態によっても予後が変わってきます。高齢犬や免疫力の低下した犬は、副鼻腔炎にかかりやすく、治療が難しくなることがあります。
そのため、副鼻腔炎にかかった犬は、早期の診断と適切な治療が必要であり、発症を予防するためにも定期的な健康診断や予防接種、適切な環境や食事管理が必要です。
まとめ
犬の副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起こる病気で、主な症状は鼻水、鼻づまり、咳、発熱などがあります。
原因として、細菌やウイルスの感染、異物の詰まり、アレルギー、歯周病などが挙げられます。
治療法は、抗生物質の投与、副鼻腔洗浄、手術などがあります。
予防方法としては、歯石除去や定期的な歯磨き、風邪やアレルギー症状の早期対処、異物の取り除きなどが挙げられます。
早期の治療が重要であり、適切な治療を受ければ多くの場合予後は良好です。
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