犬のパルボウイルス性腸炎

 自然界に存在するウイルスの中でも最も小さい部類に入るイヌパルボウイルス(CPV)によって引き起こされる感染症です。
 パルボウイルスはある特定の種の動物と親和性があり、犬にのみ感染するもの、猫にのみ感染するものなど多数存在しています。ですからイヌパルボウイルスがヒトに感染することはありません(猫への感染は若干あり)。
 イヌパルボウイルスには「CPV1型」、「CPV2型」、「CPV2-a型」、「CPV2-b型」といった亜種があり、感染すると7~14日間の潜伏期を経て様々な症状を引き起こします。消化器系の症状を示すものを「腸炎型」、呼吸・循環器系の症状を示すものを「心筋炎型」に分けることもあります。

  主な症状
腸炎型 特に発症しやすいのは、母犬から受け継いだ抗体が消える、生後6~16週頃の子犬です。腸陰窩細胞、リンパ組織、骨髄などが破壊され、放置した場合、約90%の確率で発症から1~2日以内に死亡します。
 主症状は激しい嘔吐・下痢(灰白色~黄灰白色)・粘液便・血便・脱水症状などです。
心筋炎型 子宮内、もしくは生後1週間以内に感染した場合に発症します。母犬からの受動免疫を受けている子犬では問題ありませんが、免疫を受けていない子犬の場合、2~8週齢頃になって突然呼吸困難や脱水症状を起こし、心筋炎を起こして死亡してしまいます。
 主症状は悲鳴・嘔吐・呼吸困難・息切れなどです。

 

犬のパルボウイルス性腸炎の主な原因

  • パルボウイルスに感染した他のイヌの便や嘔吐物などを口にすることで感染します。また、感染犬を触った人間の手を経由してウイルスが伝播することもあります。多数の犬が密集しているような繁殖施設、動物保護施設などでは、集団感染に対する注意が特に必要です。
  • 明確な理由は定かではないものの、ある特定の犬種において高い感染率が報告されています。具体的にはロットワイラードーベルマンジャーマンシェパードラブラドールレトリバーアラスカンマラミュートなどです。こうした犬種においては重症化する傾向にあり、また成犬でも発症することがあるとされます。

 

犬のパルボウイルス性腸炎の主な治療法

 重症例でも、適切な治療さえ行えば7~10日以内に回復します。また一度この病気にかかった犬の体内では免疫が作られ、その効果はほぼ一生涯続くとされます。

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  • 治療が遅れると命取りになる恐ろしい病気ですので、ワクチン接種が一番の治療法ともいえます。
  • 抗生物質などの薬で二次感染を防ぎます。二次感染とは、ウイルスや細菌の感染によって免疫力が低下し、他の細菌やウイルスの侵入を防ぎきれなくなってしまうことです。
  • 1匹でも発症した場合、その犬が触れた全てのものを完全消毒する必要があります。煮沸消毒や、次亜塩素酸ナトリウム溶液を30倍に希釈したものが有効です。

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