犬の耳血腫~愛犬の耳が腫れあがっていたら~
犬の耳血腫(じけっしゅ)とは、耳のひらひら部分である耳介(じかい)に血液や漿液がたまり、腫れ上がった状態を言います。
耳血腫は、人間でいうと柔道やレスリングなどの格闘技や、ラグビーなどの頭部に激しい刺激を繰り返し起こすスポーツによって生じるスポーツ外傷としてよく知られています。
ここでは、犬の耳血腫の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめています。
- 犬の耳血腫の主な症状
- 犬の耳血腫の主な原因
- 犬の耳血腫の主な治療
犬の耳血腫の主な症状
主な症状 |
☆耳介の腫れ |
☆片方の耳が垂れ下がる |
☆耳を触られるのを嫌がる |
犬の耳血腫の主な原因
耳血腫は外耳炎、中耳炎などが同時にみられることが多いです。
その他の要因には耳介そのものやそれに近い部位の皮膚病や外傷、腫瘤、寄生虫など多岐にわたります。
- 耳への強い圧力
耳をどこかに強く打ち付けた結果、皮膚の内部で出血が起こり耳血腫を形成することがあります。 - 外傷からの炎症
耳介にできた傷口から病原体が入り込み、炎症を起こして血液が集まってしまうことがあります。
傷ができる理由としては、散歩中に植物のトゲが刺さった、他の犬や猫とじゃれあっているときに噛まれた、耳を掻いたときに自分の爪でひっかいたなどが挙げられます。 - 血液の病気
血がなかなか止まらないという病気にかかっているため、異常な出血が起こってしまうということがあります。
考えられる要因は血小板減少症などです。 - 外耳炎
すでに外耳炎を起こしている犬が激しく頭を振ると、遠心力によって耳介の中にある軟骨が揺さぶられ、付着している軟骨膜や皮膚からはがれてしまいます。
その結果、周囲を取り巻く毛細血管が破裂して出血し、血だまりを形成して耳血腫へとつながります。
犬の耳血腫の主な治療
耳血腫の治療は大きさによって変わってきます。
耳血腫が小さければ、注射器で内容物を抜き取ります。
しかし、そのままにしておきますと数日で血腫が再発してしまします。
再発防止のために耳介を圧迫する包帯を巻きます。
- 切開による排出
血腫が大きい場合は、患部を切開し、たまった液体を排出します。
注射に比べると傷口が大きいため、切開した痕を縫合し、包帯で巻きつけます。 - 注射による排出
血腫が小さい場合は、患部に注射針を刺し、たまった液体を抜き取ります。 - 抗生物質の投与
注射や切開をした後の二次感染を防ぐため、抗生物質を投与します。 - エリザベスカラー
犬が自分の足で患部を触らないよう、自然治癒するまでエリザベスカラーを装着します。
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