犬のファロー四徴症(ふぁろーしちょうしょう)

犬のファロー四徴症~先天的な病気であるため、生後まもなく発症~

犬のファロー四徴症(ふぁろーしちょうしょう)とは、心臓に4つの奇形を同時に持った状態を言います。
 
4,000頭に1頭の確立で発症しているといわれています。
具体的には肺動脈狭窄症心室中隔欠損、右心室肥大、そして大動脈の右方転移(大動脈騎乗)という4つの奇形を指し、先天的な病気であるため、生後まもなく症状を示し始めます。
特に心室中隔欠損の影響が大きく、本来肺動脈から肺に流れていくはずの血液が左心室に流入してしまうと、全身への酸素供給が阻害されてチアノーゼを発症します。

ここでは、犬のファロー四徴症の主な原因はもちろん、症状から対処法、かかりやすい犬種などをまとめていますので、是非ご参考になさって下さい。


  • 犬のファロー四徴症の主な症状
  • 犬のファロー四徴症の主な原因
  • 犬のファロー四徴症の主な治療法

犬のファロー四徴症の主な症状

犬のファロー四徴症の症状は、息切れや元気がなくなるなどの症状を示したり、失神やチアノーゼを起こす症例まで様々です。
軽い欠陥の疾患であれば特に何事もなく生活を送れることもありますが、残念ながら、ファロー四徴症の場合、成長する以前に亡くなることが多いです。

主な症状
☆呼吸困難(運動時のみも)
☆咳
☆運動を嫌がる
☆昏倒(酸欠による)
☆おなかがふくれる(腹水)
☆四肢のむくみ
☆チアノーゼ(酸欠で口内粘膜が青紫になる)

犬のファロー四徴症の主な原因

犬のファロー四徴症の原因は、生まれつきの心臓の奇形です。
遺伝的要素があります。

犬のファロー四徴症の主な治療法

犬のファロー四徴症の治療は、症状の軽減が主な処置となります。
心臓の負担軽減やその働きを助けるための薬を組み合わせて与えることがほとんどです。
外科的手術で心臓の欠陥を治すことも可能は可能ですが、心臓の小さい動物については手術が難しく、そもそもその手術に耐えることのできる体力を持たないことが多いです。
そのため、手術による根本的な治療はあまりおこなわれていないのが実情です。
治療を行っている間は、なるべく安静にさせて、体力の消耗を防ぐようにします。
具体的には心筋の過剰収縮を軽減するためβ遮断薬を使用することがあります。
外科手術では心室中隔欠損の閉鎖と肺動脈狭窄の矯正を行い、肺血流を増加させる手術が試みられます。

  • 対症療法
    疾患の原因を取り除くよりも、外科的治療も含めた症状の軽減を目的とした治療が施されます。

  • 運動制限薬物療法、および激しい運動を避けて安静を保つことが主な治療となります。

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