犬の鼻出血(びしゅっけつ)

 鼻の中に出血が起こった状態を言います。いわゆる鼻血のことで、鼻の外側における出血とは別物です。

 われわれ人間において鼻血(鼻出血)は時折見られる症状ではありますが、犬にとっての鼻血は病気以外の原因で見られることはあまりなく、病気が隠れているケースがあるので注意して下さい。
 鼻から出血している場合は、たかが鼻血と軽視せず、あまり無理はせずに犬が嫌がって暴れないようであれば、鼻の穴をガーゼなどで軽く押さえて、すぐに病院に行くようにしましょう。


    • 犬の鼻出血の主な症状
    • 犬の鼻出血の主な原因
    • 犬の鼻出血の主な治療法
    • 犬の鼻出血のNG行動
    • 犬の鼻出血の予防

犬の鼻出血の主な症状

主な症状
☆鼻血
☆くしゃみやせき
☆鼻を気にするそぶりを見せる
☆鼻づまり
☆呼吸が荒くなる

 

犬の鼻出血の主な原因

  • 骨折や傷による鼻血
    鼻の中の傷や異物が粘膜を傷つけて出血
    することがあります。また鼻を何かにぶつけて鼻骨が骨折した場合も出血します。特徴は、突然大量の出血が見られることです。

  • 腫瘍による鼻血
    鼻の中のできものが出血を引き起こすことがあります
    。具体的には扁平上皮ガン、繊維肉腫、悪性リンパ腫可植性性器肉腫などです。特徴は、明確な外傷がないにもかかわらず、少量の出血が長期にわたって見られるという点です。

  • 感染症による鼻血
    細菌や真菌の感染によって鼻から出血
    することがあります。具体的にはアスペルギルス、クリプトコッカス、リノスポリジウムなどです。特徴は、血液と膿が混じったドロッとした粘液を出すという点です。

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  • 歯周病による鼻血
    歯周病は歯そのもの自体よりも歯の周りに細菌感染を起こす病気です。
    歯の周りに細菌感染を起こすと歯の周りの骨(歯槽骨)が溶けてしまい、骨が脆くなってしまいます。悪化すると下あごの骨が折れてしまう可能性もあります。上あごの場合は鼻腔との間の骨が溶けることで歯根部と鼻腔が繋がり、炎症が広がることで鼻炎の症状からくしゃみや鼻血、膿の混じった膿性鼻汁が出ることがあります。
  • 持病による鼻血
    事前に持っている病気のせいで出血が引き起こされることがあります
    。具体的には甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、多血症、多発性骨髄腫、血管炎などです。

  • 本来であれば、外に出てくる前に固まるはずの血液が、なかなか固まらないために鼻血として現れることがあります。具体的には血小板の数が減ってしまう「血小板減少症」や、血小板の数は正常でもその機能がおかしい「血小板障害」などです。後者の理由としては、先天性の血友病(AおよびB)、フォンヴィルブランド病(下記ボックス参照)、後天性のワルファリン(殺鼠剤)中毒、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与などが挙げられます。特徴は、ひとたび血が出るとなかなか止まらないという点です。

犬の鼻出血の主な治療法

  • 鼻の中の傷や鼻骨骨折が原因の場合はしばらく運動を控えます。大量出血で貧血を呈している場合は輸血が行われることもあります。また鼻の中の腫瘍が原因の場合は、外科的に切除するか放射線を照射して増殖を抑えます。
  • 細菌や真菌が原因の場合は、抗生物質が投与されます。
  • 基礎疾患が原因の場合は、その疾患に対する治療が行われます。主な目的は、出血を悪化させる高血圧の抑制です。
  • 血小板の異常が原因の場合は、ときに入院治療が必要になることもあります。血小板減少症に対しては、原因を特定してそれに応じた治療法が選択されます。ワルファリン中毒の場合は誤飲治療が施され、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因の場合は即座に投薬が中止されます。また血友病やフォンヴィルブランド病など、先天的な遺伝疾患が原因の場合は、凝固成分を含んだ血漿が補充されることもあります。

犬の鼻出血のNG行動

 愛犬の鼻血を止めようとして、人間に行うようにティッシュを鼻の穴に詰めるのはNG行動です。
犬の呼吸は主に鼻行っているので、呼吸に悪影響を及ぼす可能性があります。

犬の鼻出血の予防

 犬の鼻血は、何らかの病気やケガにより見られる症状ですので、鼻血自体を予防するのは難しいです。

 ただ、歯周病菌が鼻腔まで及んでしまうことが原因で鼻血が起こるケースでは、子犬期から歯磨きを習慣にして歯周病を予防するのはとても有効です。
 歯磨きは、鼻血の予防という目的だけではなく、歯周病菌は内臓疾患の原因にもなるので、歯周病予防には飼い主として行ってあげるべき行動です。

 また、アレルギー性の鼻炎の場合も、アレルゲンをなるべく排除するといった努力は飼い主さんが行えるでしょう。

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