犬の膣炎~陰部から分泌物が出ていたり、お股をしきりに舐めていたら~
犬の膣炎(ちつえん)とは、メス犬の生殖器の子宮から体の外につながる道である膣内部に炎症が発生した状態のことです。
膣炎は様々な犬種でもかかります。
また、年齢にも関係なく子犬でも老犬でもかかります。避妊手術の有無や発情のどの段階かも関係なく発症します。
ここでは、犬の膣炎の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非参考になさって見て下さい。
- 犬の膣炎の主な症状
- 犬の膣炎の主な原因
- 犬の膣炎の主な治療法
- 犬の膣炎の治療費
犬の膣炎の主な症状
膣炎の代表的な症状は、外陰部から分泌物が出ることがとても多いです。
外陰部をしきりに舐めたりする行動がみられます。
主な症状 |
☆膣が赤く腫れている |
☆ねばねばしたおりもの |
☆こまめにおしっこをする |
☆股間をしきりに舐める |
犬の膣炎の主な原因
- 先天的な奇形など
発情期を迎える前のメス犬における膣炎の原因は、多くの場合、生殖器の先天的な奇形に伴う尿や糞便による汚染です。
具体的には異所性尿管(いしょせいにょうかん)や膣の先天異常などが挙げられます。
前者は尿管が尿道や膣に開口している状態のことです。
また後者の例としては、膣の内部がまるで巾着袋の取り出し口のようにすぼまった「円形狭窄」、膣弁が垂直に残った「帯状狭窄」、膣の内腔が全体的に狭まった「膣腔狭窄」などが挙げられます。 - 感染症や傷など
発情期を迎えた後のメス犬における膣炎の原因としては、ウイルス(ヘルペス)、細菌(パスツレラ・レンサ球菌・大腸菌・マイコプラズマ・クラミジア・ブルセラカニス)、化学的刺激、交尾による膣壁の損傷、腫瘍(可移植性性器肉腫・平滑筋腫)、異物、薬(アンドロゲン)など、様々なものが考えられます。
犬の膣炎の主な治療法
- 発情期を迎える前の膣炎
生殖器の先天的な奇形があり、なおかつ膣炎が何度も再発しているような場合は、外科手術が行われます。具体的には「会陰切開術」といって、犬の肛門から外性器の間にある領域に切れ目を入れ、狭窄部位の修復や尿道乳頭の露出などを行います。 - 発情期を迎えた後の膣炎
ウイルスや細菌が原因と考えられる場合は、抗生物質や抗菌薬の投与と共に膣洗浄が行われます。
またブルセラ症に感染している場合は、患犬の隔離と共に卵巣と子宮の摘出術が考慮されます。
その他、化学的刺激、腫瘍、異物などが原因の場合は、それらの除去が優先されます。
犬の膣炎の治療費
治療期間:おおよそ2週間程度
通院回数:2~3回
合計治療費用:13,000~20,000円
コメントを残す