関節が変形している

もしも愛犬の関節が変形していたら~膵外分泌不全症や慢性腸炎などの疑いアリ~

「うちの愛犬の関節が変形しているな」、「うちの子の足が曲がっているわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬の足の関節が変形している場合、下記の疾患が疑われます。

脱臼

脱臼とは、骨が関節から外れてしまった状態を言います。

関節は二つの骨が筋肉や靭帯につながれる形で構成されていますが、何らかの理由でどちらか一方の骨が本来の位置からずれてしまうことで発生します。
二つの骨が完全にずれ、関節面が接触していない状態が「脱臼」、ずれてはいるものの関節面が部分的に接触している状態が「亜脱臼」です。

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骨折

犬は比較的骨折しやすい動物です。
元気いっぱいに遊んでいて、ちょっとした段差からジャンプした時や抱っこしていた時に誤って落としてしまった時、愛犬が足元にいることに気が付かずに誤って踏んでしまった時など、骨折のきっかけになるような危険が意外と多く潜んでいます。

また、骨折の種類は極めて多彩であり、代表的なものは骨に繰り返し弱い力が加わって生じる疲労骨折(ひろうこっせつ)、骨にひびが入った状態である亀裂骨折(きれつこっせつ)、骨に付着している筋肉や靭帯が強い力で引っ張ったときに生じる剥離骨折(はくりこっせつ)、骨が強い力で押しつぶされて生じる圧迫骨折(あっぱくこっせつ)、折れてしまった骨が皮膚を突き破って外に飛び出した開放骨折(かいほうこっせつ)、未成熟の犬が成長期に発症する成長板骨折(せいちょうばんこっせつ)などがあります。

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変形性関節症

犬の変形性関節症とは、骨と骨とをつないでいる関節に炎症が発生し、変形をきたすことによって、痛みなどの症状があらわれる進行性の関節疾患です。

基本的にはどこの関節でも起こりうる生理現象ですが、体重を支える前足のひじ関節、および後足の膝関節・股関節などで多発します。
しかし進行が緩やかなため、見落とされることも多い疾患の一つです。
同じ場所に繰り返し炎症が生じることによって骨が増殖したり(=骨棘, こつきょく)、関節表面の滑りをよくする軟骨が磨り減ったりします。
特に中高齢以上の大型犬に発生が多い傾向があります。

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感染性関節炎

犬の感染性関節炎とは、関節液や関節組織の感染症で、関節の中に何らかの病原体が侵入することによって炎症が生じた状態のことです。
ウイルスや真菌の感染によって起こることもあります。
炎症の結果、関節の中に膿が溜まってしまった場合は「化膿性関節炎」とも呼ばれます。
関節炎が一ヶ所だけで発生している場合は、病原体が傷口から入ったと分かりますが、複数箇所で同時に発生している場合は、他の組織から血液に乗って病原体が関節内にたどり着いたと考えられます。

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免疫介在性関節炎

犬の免疫介在性多発性関節炎(めんえきかいざいせいたはつせいかんせつえん)とは、本来、生体を守るべきはずの免疫系が、免疫の異常により自分自身の関節を異物とみなして攻撃してしまう自己免疫疾患です。
炎症性細胞、滑膜細胞、軟骨細胞から組織を破壊する酵素が放出され、結果として関節の破壊が起こります。破壊の結果、関節にレントゲンで骨が溶けたようにみえる「びらん」が生じたものが「びらん性関節炎」、生じていないものが「非びらん性関節炎」です。
「びらん」とは、組織の上層部が破壊された状態のことで、関節の場合は関節軟骨や軟骨周辺の骨が虫食い状に破壊された状態を指します。
「びらん性」の方がより重症ですが、犬における発症率は非常に低いです。

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骨軟骨異形成

犬の骨軟骨異形成は、遺伝子の作用により骨が十分に成長しない病気のことです。
「小人症」(Dwarfism)とも呼ばれます。
犬の骨は一般的に、生後4ヶ月齢~5ヶ月齢で急激な成長を迎え、6ヶ月で緩やかな成長に変わり、7ヶ月齢で成長の95%を完了します。
細長い四肢の骨を成長させているのは、骨の両端にある「骨端軟骨」(or 骨端線)と呼ばれる軟骨の層です。

骨端軟骨は、「静止軟骨」、「増殖軟骨」、「成熟軟骨」、「石灰化軟骨」といった層に分かれており、主に「増殖軟骨」層における細胞分裂が骨を縦方向に伸ばしています。
骨端軟骨の活動は、骨の種類、遺伝的体質、体の大きさなど様々な要因によって左右され、最終的には骨を成長させるホルモンの分泌が変化することによって停止します。
これが「骨端線の閉鎖」です。

非常に悲しい事ではありますが、特定の犬種の中には、商用的に骨が十分に成長しないことを理想とし、繁殖する際の基準として設けたものがあります
具体的には「軟骨異形成」と「軟骨形成不全」を持った犬種です。

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骨軟骨症

一般的に大型犬または超大型犬の生後5~10カ月ほどの成長期にみられる関節軟骨や骨が成長する部分の形成異常です。
骨を縦方向に成長させる骨端軟骨において、軟骨層の増殖は見られるものの、その軟骨がスムーズに骨になってくれない状態のことです。
結果として骨の中における軟骨の割合が異常に多くなり、外からの力に対して脆い不完全な骨が出来上がります。

軟骨層が厚くなり過ぎることで栄養供給がアンバランスとなり、細胞の変性と壊死が起こるようになります。
その結果、骨の先端を覆う関節軟骨がもろくなったり、骨の中にある骨梁と呼ばれる支柱構造に乱れが生じたりします。
外から非常に強い力が加わった時などは、構造的に弱い軟骨層を境にしてずれてしまうこともあります(成長板骨折)。

4ヶ月齢~8ヶ月齢という非常に若いころから発症し、通常は体の両側で同時に発生します。
好発部位は尺骨(前腕の骨)遠位端、上腕骨(二の腕の骨)の両端、大腿骨(太ももの骨)の下外側、足根骨(足首の骨)などです。

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肘関節形成不全

犬の肘関節形成不全(ひじかんせつけいせいふぜん)とは、CEDとも呼ばれ、前腕部と上腕部を連結する肘関節に異常が発生した状態のことです。
犬の肘関節形成不全は大型から超大型犬種で発症率が高い疾患で、発症した場合は生活の質 (QOL) を著しく低下させます。
肘関節は、上腕部を形成する「上腕骨」と、前腕部を形成する「橈骨」(とうこつ)、「尺骨」(しゃっこつ)という3本の骨がうまくかみ合わさることで構成されています。
しかし、こうした構造のどこか1ヶ所にでも異常があると関節がうまく噛み合わなくなり、痛みや運動障害を引き起こしてしまいます。

肘関節形成不全の好発部位は、肘の内側に集中しています。
具体的には、尺骨の上端にあり、 フックのように上腕骨と連結する「肘頭骨端」(ちゅうとうこったん, 肘突起とも)の癒合不全や、肘の内側に当たる「内側鉤状突起」(ないそくこうじょうとっき)、「内側上顆」(ないそくじょうか)の離断といった病変が主になります。
発症するのは、骨が活発に成長する4ヶ月齢~10ヶ月齢の間で、約半数が両側性です。

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膝蓋骨脱臼

犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)は、膝のお皿である膝蓋骨が太ももの骨からずれてしまう状態を言います。通称「パテラ」と呼ばれる事もあります。
膝蓋骨という楕円形の骨は、足の付け根からひざまでの太ももの骨である大腿骨にある滑車溝というくぼみにはまっています。
太ももの前面にある筋肉(大腿四頭筋)と、すねの骨(脛骨)をつなぐ靭帯の間にあります。この膝蓋骨が滑車溝から外れてしまった状態のことを膝蓋骨脱臼といい、膝関節を伸ばすことができなくなってしまいます。
完全に外れた状態を脱臼というのに対し、不完全に外れた状態を亜脱臼(あだっきゅう)と言い、ポメラニアンやチワワ、ヨークシャーテリアなどの小型犬で多く見受けられます。
またお皿が内側にずれた状態を内方脱臼、外側にずれた状態を外方脱臼として分類します。

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股関節形成不全

犬の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)とは、太ももの骨と骨盤とを結合する股関節の形が先天的に異常な状態を言います。
股関節が発育の段階で形態的な異常を起こし、様々な症状を引き起こす病気です。
一般的に両側の股関節に発症することが多いといわれてますが、片側の場合もあり、大型犬や超大型犬での発症が多くみられます。股異形成(こいけいせい)とも言われます。

一般的に、子犬のころははっきりとした症状を示さず、生後6ヶ月頃から徐々に異常の徴候が見られるようになります。
これは、成長とともに大きくなるはずの骨盤の骨が不完全で、太ももの骨がすっぽりとはまるソケット部分が小さすぎるために起こる現象です。

X線撮影による形成不全の評価は、7段階に分けられます。
国によって評価方法はまちまちですが、主流なのは「FCI」、「OFA」、「BVA」の3つです。
「FCI」(国際畜犬連盟)の評価法はヨーロッパや日本、「OFA」(動物整形外科基金)の評価法はアメリカ、「BVA」(英国獣医師協会)の評価法はイギリスで採用されています。
ちなみにFCI評価法においては、「A~B=正常な股関節」、「C=軽度の股異形成」、「D=中等度の股異形成」、「E=重度の股異形成」です。

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筋ジストロフィー

犬の筋ジストロフィーとは、細胞骨格を形成するタンパク質が不足しているか全く欠落しているため、筋肉が正常に働かなくなる病気です。
多くの種類がありますが、犬では「ベッカー型筋ジストロフィー」(日本スピッツなど)、「常染色体劣性型筋ジストロフィー」(ラブラドールレトリバーなど)などがあり、中でもX連鎖型筋ジストロフィーが最も有名です。
「X連鎖型」とは、性染色体である「X」に関連して発症することを意味しています。
多くの場合、生後10週~12週ごろに発症し、運動能力が著しく劣るため食事や授乳がままならず、結果的に栄養失調や肺炎、心臓の機能不全などで死んでしまいます。
遺伝的な進行性疾患であり、有効な治療法が無いというのが現状です。

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