犬の糖尿病性ケトアシドーシス~愛犬が水を飲まなくったら~
犬の糖尿病性ケトアシドーシスとは、糖尿病が長期化した結果、血中のケトン体が増加し、様々な障害を引き起こした状態を言います。
糖尿病がケトアシドーシスを併発してしまうと、極めて状態が悪くなり、命の危険が高まってしまします。
発生メカニズムは、下記のとおりです。
インスリンの不足や機能不全で細胞内に取り込まれるエネルギーが減る
→足りないエネルギーを貯蔵している脂肪で補おうとする
→分解された脂肪からケトン体が生成される
→酸性のケトン体が増える
→酸性に傾く
というものです。
1日~1週間という短い期間で、急に症状が現れるのが特徴です。
ここでは、犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさってください。
- 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な症状
- 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な原因
- 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な治療法
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な症状
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの代表的な症状としては、重度の脱水です。
その脱水が進むことで、腎前性腎不全を引き起こし嘔吐や水を飲まなくなったりしていきます。
主な症状 |
☆食欲不振 |
☆水を飲まなくなる |
☆元気がない |
☆嘔吐 |
☆下痢 |
☆昏睡 |
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な原因
- 糖尿病の治療不全
糖尿病に長期間気づかなかったり、治療方法が不適切だった場合に発症します。
多いのは、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の機能不全を伴う「I型糖尿病」(インスリン依存型糖尿病)です。 - 基礎疾患と糖尿病の併発
感染症、炎症、心疾患といった基礎疾患と糖尿病とが併発したとき、ケトアシドーシスを発症しやすくなると考えられています。
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な治療法
ケトアシドーシスは命を落とす病気ですので、緊急に対処しなければなりません。
メインの治療しては、低血糖に気を付けながらインスリンにより血糖値を下げていきます。
また、重度の脱水の対処のため輸液も行います。
- インスリン注射
治療は緊急を要するため、効き目が早い即効性のものが用いられます。 - 輸液
輸液によって体内の電解質バランスを回復します。
また心臓の拍出量と血液の循環量を維持し、血糖値を低下させる効果もあります。 - 糖尿病治療
症状の原因となっていたケトン体が正常値に戻り次第、再発予防のため基礎疾患である糖尿病への治療が行われます。
また感染症、炎症、心疾患が共存している場合は、併せて治療が行われます。
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