犬の有毒物質による中毒~犬に与えてはいけない食べ物
われわれ人間にとっては、特に影響のない食物でも、犬たちにとっては劇薬となるものが存在します。
食物以外でも、薬品や金属類など、犬たちの健康を害する物質は意外に多く存在します。
ここでは、犬の有毒物質による中毒の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさってください。
犬に与えてはいけない食べ物一覧
- チョコレート・ココア 危険度×××
- ぶどう・レーズン 危険度×××
- キシリトール 危険度×××
- タケノコ・シイタケ・ピーナッツ 危険度×
- たまねぎ・長ネギ・ニラ 危険度××
- エビ・カニ・貝類・イカ・タコ 危険度×
- ハム・ソーセージ・珍味・ちくわ 危険度××
- ケーキ・クッキーなど 危険度×
- アルコール 危険度××
- 牛乳 危険度×
- 卵白 危険度×
- 刺激物 危険度×
- 鳥の骨 危険度××
- アボカド 危険度××
- アンズ 危険度×
- ウメ 危険度×
- ジャガイモの芽 危険度××
- スモモ 危険度××
- サトイモ 危険度××
- トマト 危険度××
- ナス 危険度××
- モモ 危険度××
- カビの生えたもの 危険度×××
犬の毒になる薬品
本来食べ物ではない薬品も、好奇心旺盛な犬の場合、興味本位で口に入れてしまうかもしれません。
薬品を体内に摂取してから症状が現れるのは、およそ10~60分たってからで、主に以下のような症状を示します。
薬品を体内に摂取してから症状が現れるのは、およそ10~60分たってからで、主に以下のような症状を示します。
典型的な薬品中毒症状
中毒を起こす薬品
- 人間用の薬中毒
解熱鎮痛薬に含まれるアセトアミノフェンは、少量でも中毒症状をきたします。
大量摂取による人間の死亡例もありますので、絶対に与えないようにします。
また関節炎、生理痛、発熱、炎症部位の鎮痛に用いるイブプロフェンを含む薬も厳禁です。 - ニコチン中毒
乳幼児ではタバコ0.5~1本に相当する10~20mg、成人ではタバコ2~3本に相当する40~60mgを、溶液にして直接飲んだ場合、急性中毒に達します。
犬の大きさにもよりますが、タバコ1本でも食べてしまうと中毒を起こすと考えてよいでしょう。 - 腐食性物質中毒
腐食性物質(ふしょくせいぶっしつ=強酸やアルカリ)は、排水口やトイレ用洗剤、食器洗浄器用洗剤などに含まれることがあります。
多くは数分以内に口やのどの痛みが起こり、せき、よだれ、息切れ、呼吸困難をきたします。 - 炭化水素中毒
炭化水素はガソリン、灯油、塗料シンナーなどの石油製品や洗浄剤、接着剤などに含まれます。
摂取するとのどの痛み、呼吸困難、激しい咳、チアノーゼなどの症状が出ます。 - 不凍液中毒
不凍液(ふとうえき)とは、水冷エンジンや住宅の暖房ヒーターの一部などの内部を循環する冷却水(クーラント)の一種で、凍結しないように作られた液体のことです。
主成分はエチレングリコールなどで、誤飲すると主に腎臓に障害が発生します。 - 塩素系殺虫剤
犬に寄生したダニを殺すための殺虫剤や薬浴剤には、クロルデン、リンデンなどの塩素系炭化水素が含まれます。
こうした物質を口から摂取したり、皮膚を通して吸収してしまうと、時に中毒を起こすことがあります。 - 有機リン系殺虫剤
害虫(アブラムシ・ダニ・ケムシなど)を駆除する目的で用いられる有機リン系の殺虫剤で中毒が起こります。
犬のノミ撮り首輪にも含まれることがありますので、飼い主は誤飲事故が起こらないよう十分な注意が必要です。
また殺虫剤の中にはドッグフードの粒と同じ大きさのものがあり、犬が間違いを起こしやすいので、こちらも要注意です。 - 殺鼠剤中毒
殺鼠剤(さっそざい)に含まれるワルファリンやメタアルデヒドなどが中毒を引き起こします。
殺鼠剤を含んだネズミを食べてしまった野良猫に多く発症しますが、犬が中毒になる可能性も常にあります。 - 除草剤中毒
除草剤に含まれるヒ素系やフェノール系の物質によって中毒が起こります。
除草剤が散布されたところを犬が歩き、足の裏や体表に付着した薬剤を誤って舐めてしまうことで体内に入るというケースが多く見みられます。 - エッセンシャル・アロマオイル
エッセンシャルオイルやアロマオイルに含まれる植物成分が、時に中毒症状を引き起こします。
オイルが皮膚に直接触れ、犬の体内に大量に吸収された場合は急性中毒、そして空気中に揮発した成分を呼吸器から吸い込んだ場合は、体内にゆっくりと蓄積された有害成分によって慢性中毒を起こします。
犬の毒になる金属
重金属(heavy metals)とは、比重が4~5以上の金属元素のことで、一般的には鉄以上の比重を持つ金属を指します。
金属や金属の蒸気が空気中で凝縮したもの(フューム)が、消化器、呼吸器、皮膚から体内に吸収されると、主に以下のような中毒症状を示します。
金属や金属の蒸気が空気中で凝縮したもの(フューム)が、消化器、呼吸器、皮膚から体内に吸収されると、主に以下のような中毒症状を示します。
典型的な重金属中毒症状
- よだれをたらす
- 嘔吐
- 下痢
- けいれん
- 呼吸困難
- チアノーゼ(酸欠で口の中が暗紫色)
- おしっこをもらす
- 昏睡
- 死亡
中毒を起こす重金属
- 鉛
古いペンキ、バッテリー、ハンダ、リノリウム(床に用いられる)、散弾などに含まれます。
また盲点になりやすい含有物は、プロ用の絵の具、海外のおもちゃ(塗料)、年代物ワインのコルクシール、レースカーテンの裾に縫い込まれた固定用の錘(おもり)などです。
鉛に汚染された土壌で育った植物や、それを食べた草食動物の肉を介して体内に入るというルートや、散弾を受けた鳥の肉を食べて体内に入るというルートもあります。 - 水銀
体温計に使用される水銀は、液体のまま経口摂取してもほとんど消化されずに便として排出されるため無害です。
しかし破損した水銀体温計やこぼれ出た水銀をそのまま放置しておくと徐々に水銀が気化し、肺を通じて体内に取り込まれ、主に腎臓や神経に悪影響を及ぼします。 - アンチモン
バッテリー、ハンダ合金、ゴム、プラスチックなどに含まれます。
アンチモンを含む容器や器具に接触させたものを飲んだ場合などに、中毒が発生します。 - 銅
多くの動物にとって慢性的に過剰な銅の摂取は毒となります。10円玉、なべなど多くの製品に用いられており、銅の過多は肝硬変や発育不全、黄疸、などの原因となります。 - 鉄
過剰な鉄の摂取は生体にとって有害で、主に肝臓、膵臓、心臓に悪影響を及ぼします。
人間用の鉄を含んだサプリメントなどを誤飲すると、体の小さな犬では時に中毒症状を示し、過剰摂取後6時間以内に嘔吐、下痢、腹痛、眠気、意識消失、けいれんなどの症状が発症します。
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