よだれを異常に垂らす

目次

もしも愛犬がよだれを異常に垂らしたら~胃捻転や肺水腫などの疑いアリ~

愛犬が普段よりも多くのよだれを垂らしていることに気づいたら、何かしらの原因が考えられます。
よだれは、犬が食物を食べる際やわくわくしている時に見られる自然な反応の一部ですが、通常よりも多量のよだれや急な変化がある場合、それは健康上の問題を示唆する場合があります。

このページでは、よだれの異常な分泌を引き起こす可能性のある疾患や要因について詳しく解説します。
愛犬の健康を最優先に考え、異常な症状が現れた際は、適切な対応や獣医師との相談を行うことが大切です。


  • イヌヘルペス感染症
  • 口内炎
  • 食道炎
  • 胃捻転
  • 有毒物質による中毒
  • 筋ジストロフィー
  • てんかん
  • ボツリヌス中毒
  • 咽頭炎
  • 気管虚脱
  • 肺気腫
  • 肺水腫
  • 気胸

イヌヘルペス感染症

イヌヘルペス感染症は、特に子犬に重篤な疾患を引き起こす可能性があるウイルス感染症です。
このウイルスは、感染した犬が発する鼻や口の分泌物、特に唾液を介して他の犬に感染します。

異常なよだれはイヌヘルペス感染症の一つの兆候であり、他の症状と組み合わせることで感染が疑われる場合があります。
他の症状には、発熱、咳、鼻水、食欲不振や消化器系の問題などが挙げられます。
特に子犬の場合、急激な体温低下や青紫色の腹部などの重篤な症状を示すことがあります。

もし愛犬にこれらの症状が現れた場合、速やかに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
早期発見・早期治療が重要で、感染拡大を防ぐための適切な対応が求められます。

発症するのは生後1~3週間の子犬がほとんどです。

治療法や症状の詳細はこちら

口内炎

口内炎は、犬の口の内側、特に唇、頬、歯茎、舌に炎症が発生する病気です。この炎症は、さまざまな原因によって発生することがあります。

異常なよだれの原因として口内炎が考えられる場合、犬が口や舌をこすりつける、食事の際に痛がる、口臭が強くなるなどの症状が同時に見られることが多いです。
また、口を開けて確認すると、赤みや腫れ、潰瘍などの異常が確認できることがあります。

口内炎の原因は多岐にわたり、歯石や歯周病、外傷、感染症、自己免疫疾患、食物や薬へのアレルギーなどが考えられます。
早期の診断と適切な治療が重要であり、症状を発見した場合は獣医師に相談することをおすすめします。

治療法や症状の詳細はこちら

食道炎

食道炎は、犬の食道に炎症が発生する状態を指します。
食道は口から胃に至る管状の臓器で、食物や水を胃へと運ぶ役割を持っています。

食道炎の主な原因としては、異物の摂取、化学物質や熱い飲食物の摂取、感染症、自己免疫反応などが考えられます。
これらの刺激によって食道の内壁が炎症を起こすと、犬は食事時に痛みを感じるため、食欲が減少することがあるほか、異常なよだれを垂らすことが見られることもあります。

症状としては、飲食の際の嚥下困難や痛み、食物の逆流、咳やむせるなどが挙げられます。
食道炎は、未治療のまま放置すると、食道の損傷が進行し、さらに深刻な状態になる恐れがあるため、症状が確認された場合は速やかに獣医師の診察を受けることが大切です。

治療法や症状の詳細はこちら

胃捻転

胃捻転は、犬の胃が捻れてガスや内容物の排出ができなくなる非常に深刻な状態を指します。
この状態は犬の命に直結する緊急事態となり、迅速な対応が必要です。

犬の胃が拡大し、そのまま回転することで、胃の入口と出口が閉塞します。
これにより胃内のガスや内容物が排出できなくなり、胃の壁が伸び、血流が遮断されて壊死を起こす恐れがあります。
大型犬や胸が深い犬種に多く見られる疾患ですが、どの犬種でも発症の可能性があります。

胃捻転の主な症状としては、異常によだれを垂らす、膨満感、吐き気、無駄に吠える、興奮状態などが挙げられます。
特に、食後すぐの激しい運動は胃捻転のリスクを高めると言われています。

症状が確認された場合、速やかに獣医師の診察を受けることが命を救うための鍵です。
早期の治療が最も有効であり、手術による胃の位置の修正が行われることが多いです。

治療法や症状の詳細はこちら

有毒物質による中毒

有毒物質による中毒は、愛犬が危険な物質を摂取した結果、体に悪影響を及ぼす状態を指します。
家の中や外でのさまざまな物質が中毒の原因となり得ます。

犬は好奇心旺盛で、様々なものを口にする傾向があります。
そのため、家庭内の化学製品、薬、植物、食品などが中毒のリスクを持っています。
例えば、チョコレート、ブドウ、ザクロ、一部の観葉植物、人間用の薬などは犬にとって有害です。

中毒の症状は摂取した物質によって異なりますが、異常によだれを垂らす、嘔吐、下痢、興奮状態、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

中毒の疑いがある場合、速やかに獣医師の診察を受けることが必要です。
そして、可能であれば、犬が摂取したと思われる物質やその容器を獣医師に見せると、迅速な対応が取れることがあります。

治療法や症状の詳細はこちら

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは、犬の筋肉の病的な変性や弱化を引き起こす遺伝的な疾患です。
この疾患は、特定の犬種に特有の遺伝子変異により発症することが知られています。

筋ジストロフィーが進行すると、犬は筋肉の萎縮や弱さを示すようになります。
これにより、歩行困難や運動能力の低下が見られることが多いです。
よだれを異常に垂らす状態も、嚥下困難や口の周りの筋肉の弱化により起こることがあります。

治療方法は限られており、主に症状の管理や運動療法、栄養サポートなどが中心となります。
疑わしい症状が現れたら、速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。

治療法や症状の詳細はこちら

てんかん

てんかんは、犬においてもっとも一般的に見られる神経系の疾患の一つで、反復する発作活動の結果として発症します。
これは、脳の異常な電気活動が原因となる発作を指します。

発作はさまざまな形で現れ、クランチ(全身痙攣)や部分発作などの典型的な症状が現れることがあります。
よだれを異常に垂らすことは、部分発作の一部や発作後の後遺症として現れることがあります。

原因は多岐にわたり、先天的なものや外的要因、脳の疾患や感染症などが考えられます。
しかし、多くの場合、特定の原因は不明とされています。早期の診断と適切な治療が必要です。
日常生活において、犬が突然の変化や異常な行動を示した場合、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。

治療法や症状の詳細はこちら

ボツリヌス中毒

ボツリヌス中毒は、クロストリジウム・ボツリニウムという細菌が産生する神経毒素によって引き起こされる疾患です。
この毒素は、神経伝達を阻害することで筋肉の麻痺を引き起こします。

犬が感染源となる物質を摂取すると、ボツリヌス中毒の症状が現れる可能性があります。
その主な症状としては、筋肉の弱さや麻痺が始まり、重症化すると呼吸困難に至ることもあります。
また、よだれを異常に垂らすことも一つの兆候となり得ます。

早期の診断と治療が重要です。
もし犬が腐敗した食物や不明な物質を摂取した後、異常な症状を示した場合、速やかに獣医師の診察を受けるべきです。
特にボツリヌス中毒の疑いがある場合、迅速な治療が生死を分けることがあります

治療法や症状の詳細はこちら

咽頭炎

咽頭炎は、犬の咽頭の粘膜が炎症を起こす状態を指します。
この炎症は、様々な原因で発生する可能性があり、感染や異物の摂取、アレルギーなどが考えられます。

犬の咽頭炎の主な症状としては、喉の痛みや不快感があります。
これが原因で、異常によだれを垂らす、嚥下障害、、そして食欲不振などが現れることがあります。

咽頭炎が疑われる場合、獣医師の診察を受けることが重要です。
持続的な咳や異常なよだれ、食事への興味喪失などの症状が続く場合、他の深刻な疾患の可能性も考慮する必要があります。

治療法や症状の詳細はこちら

気管虚脱

気管虚脱は、犬の気管が正常な形を保てずに崩れてしまう疾患を指します。
この状態は、気管の軟骨の弱化や変形が原因となり、特に小型犬によく見られる疾患です。

気管虚脱の主な症状として、ゴッホゴホとした特徴的な咳が挙げられます。
この咳は特に興奮時や運動後、首輪での引っ張り時などに発現しやすくなります。
また、呼吸困難や青ざめ、そして異常によだれを垂らすこともあります。

気管虚脱の疑いがある場合、即座に獣医師の診察を受けることが推奨されます。
早期の診断と適切な治療により、愛犬の生活の質を維持することが可能です。

治療法や症状の詳細はこちら

肺気腫

肺気腫は、犬の肺に空気が閉じ込められて膨張し、その結果、正常な呼吸機能が妨げられる疾患を指します。
この状態は、気道の閉塞や外傷、肺の炎症などの原因により発生することがあります。

肺気腫を患った犬は、急激な呼吸困難を示すことが多いです。
また、肺が適切に働かないため、酸素供給が不十分となり、青ざめや倦怠感を示すことがあります。
さらに、呼吸の困難から過度の唾液の生成やよだれの増加が見られる場合もあります。

肺気腫の疑いがある場合、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。
適切な診断と治療を迅速に行うことで、重篤な合併症のリスクを低減することができます。

治療法や症状の詳細はこちら

肺水腫

肺水腫は、犬の肺の組織や気道に液体がたまる状態を指します。
この液体の蓄積は、肺の正常な機能を妨げ、酸素の取り込みを困難にします。

肺水腫の主な原因には、心臓の障害、呼吸器の感染、特定の薬物や有毒物質の摂取などがあります。
これにより、肺への液体の流入が増加したり、液体の排出が困難になったりします。

犬が肺水腫を発症すると、呼吸困難や喘鳴が見られます。
また、肺からの酸素供給が不十分となるため、粘膜の青ざめ意識の低下も見られることがあります。
そして、これらの症状と並行して、よだれの増加や異常な唾液の生成が発生することもあります。

肺水腫は深刻な状態となることがあるため、症状の発現を確認した場合、すぐに獣医師の診察を受けることが必要です。

治療法や症状の詳細はこちら

気胸

気胸は、肺と胸壁の間の胸腔に空気がたまる状態を指します。
この空気の蓄積により、肺が圧迫されて正常に膨らまなくなり、呼吸困難を引き起こすことがあります。

気胸の主な原因には、外傷(交通事故や高所からの落下など)、肺の疾患、または特定の医療処置が挙げられます。
空気が胸腔に流入することで、肺が部分的にまたは完全に崩れることがあるため、この状態を放置すると生命を脅かすことがあります。

気胸を発症した犬は、呼吸困難、胸部の膨張、活動時の弱さなどの症状が現れることが多いです。
また、肺からの酸素供給が不十分となるため、粘膜の青ざめ意識の低下が起こることもあります。
さらに、よだれの増加や、異常な唾液の生成も伴うことがあります。

気胸は重篤な状態となる可能性があるため、症状が見られた場合は直ちに獣医師の診察を受けることが必要です。

治療法や症状の詳細はこちら

まとめ

愛犬が異常に痩せてしまう場合、様々な原因や疾患が考えられます。以下にその主な疾患や原因を列挙します。

  1. 寄生虫症 – 腸内寄生虫や心臓ダニなどが原因で栄養が吸収されにくくなり、体重減少を招くことがあります。

  2. 糖尿病 – インスリンの分泌や作用の異常により、糖が体細胞で利用されず、エネルギーが不足する。

  3. アジソン病 – 副腎皮質ホルモンの不足による代謝異常。

  4. 慢性胃炎 – 胃の炎症により食欲減退や消化不良を引き起こす。

  5. 幽門異常 – 胃の出口部に異常が生じることで、食物の流れが悪くなる。

  6. 胃運動低下症 – 胃の筋肉の動きが弱まり、食物の消化・移動が悪くなる。

  7. 肝性脳症 – 肝臓の機能低下により、アンモニアなどの毒物質が脳に影響を及ぼす。

  8. キー・ガスケル症候群 – 腸の運動異常による消化不良。

  9. ガン – 腫瘍の成長やガン細胞による栄養の吸収の障害。

  10. レッグパーセス病 – 股関節の成長異常。痛みや運動量の減少が体重減少の原因となる場合がある。

これらの疾患や原因は、犬の状態や症状、年齢などによって異なる可能性があります。
愛犬が異常に痩せている、または食欲が低下している場合は、早めに獣医師に相談することをおすすめします。