足が動かない(下半身が動かない)

もしも愛犬の足が動かない(下半身が動かない)場合~心筋症や馬尾症候群などの疑いアリ~

「うちの愛犬の足が動かなくなってしまったな」、「うちの子の下半身が思うように動かせないみたいだわ」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬の足(下半身)が動かない場合、下記の疾患が疑われます。

低血糖症

犬の低血糖症とは、血液中の糖分濃度(血糖値)が低下してしまうことにより細胞への栄養補給が不完全になった状態を言います。

血液中のグルコース濃度(血糖値)は、体内における複数の器官によって一定に保たれています。
具体的には脳の視床下部(血糖値のモニター)、膵臓(グルカゴンの分泌)、肝臓(糖新生)、副腎(アドレナリンの分泌)などです。
このうちのどれか一つに致命的な欠陥が生じると、濃度調整機能が破綻し、低血糖を招いてしまいます。
脳は血液中の糖分をエネルギー源としているため、血糖値が著しく低下するとその影響を受け様々な症状を引き起こします。
また、たとえ血糖値をコントロールする能力は正常でも、グルコースの元となる食事の量が少なかったり、グルコースを消費する運動の量が多い場合にも発症します。

治療法や症状の詳細はこちら

心筋症

犬の心筋症(しんきんしょう)とは、心臓の筋肉である心筋(しんきん)になんらかの異常が起こり、心臓の働きが弱くなった状態を指す広い意味での呼称です。
心筋症はその原因により数種類(肥大型・拡張型・拘束型)に分類されますが、いずれも発症理由はよく分かっていません。
心臓を構成している4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)のうち、左心室で多く発症することがわかっています。

心筋症は、無症状であることもありますが、たとえ症状がなくても進行していくことが多いですので、心筋症だと分かった時点から無症状でも治療をしていく事が大事です。

治療法や症状の詳細はこちら

椎間板ヘルニア

犬の椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)とは、背骨の間に挟まって背骨同士をつないでいる椎間板と呼ばれるクッションがつぶれ、変形してしまった状態のことです。

椎間板は、クッションの外側に相当する繊維輪(せんいりん)と、クッションの中身に相当する髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状の組織から構成されます。
外傷や肥満、老化などにより椎間板が破れてしまうと、中の髄核が外に飛び出し、近くにある神経や脊髄を圧迫してしまうことがあります。
これが「椎間板ヘルニア」です。中の髄核が完全に飛び出したものを「ハンセンI型」(髄核脱出型)、髄核が繊維輪の中にとどまっているものの椎間板が後方に膨らんだものを「ハンセンII型」(繊維輪突出型)として分けることもあります。
I型の場合は、それまで元気だった犬が急に動かなくなりますが、II型の場合は病変を抱えたまま普通に生活していることも少なくありません。
椎間板は首から腰にいたる全ての背骨に挟まっていますので、基本的にどの部位でも発生します。
しかし犬の場合は、背中から腰にかけて発症するパターンが全体の85%を占め、さらにそのうち第11胸椎から第3腰椎にかけて発症するパターンが75%を占めています。

治療法や症状の詳細はこちら

脊椎奇形

背骨を構成している椎骨(ついこつ)の一部が正常に形成されていない状態のことです。
いくつかのパターンがあります。

治療法や症状の詳細はこちら

馬尾症候群

脊髄の下端からしっぽに向かって伸びている「馬尾」(ばび)と呼ばれる神経の束に異常が生じた状態のことです。
この症候群は先天性あるいは後天性があります。

犬の背骨の中を走っている脊髄は、腰の骨を構成している腰椎の内、上から5番目に当たる第五腰椎くらいで終わっています。
そこから下に向かってしっぽの先まで伸びている神経の束が「馬尾神経」と呼ばれています。
ちょうど、馬のしっぽのように見えることから名づけられました。
この馬尾は、膀胱、肛門、後足の神経などと所々で連結しているため、一部で生じた異常が、他の様々な神経にまで波及してしまうことがよくあります。
このようにして発症するのが「馬尾症候群」です。

馬尾は「尾骨神経」、「骨盤神経」、「下腹神経」、「陰部神経」、「坐骨神経」といった末梢神経と複雑に連結していますので、主にこれらの神経に関連した障害が現れます。

治療法や症状の詳細はこちら

ボツリヌス中毒

犬のボツリヌス中毒とは、クロストリジウム属の細菌である「クロストリジウムボツリヌス」(Clostridium botulinum)が産生する神経毒素によって神経が障害を受けた事によって発症する中毒です。
ボツリヌス菌はA~Gまでの7種類に分類されており、人間の中毒症状を引き起こすタイプとしては「A・B・E・F」の4型、犬の中毒症状引き起こすタイプとしては「C型」が確認されています。
主に腐った食品に含まれるボツリヌス神経毒を摂取すると、神経筋接合部におけるアセチルコリンの放出が抑制され、筋肉の収縮障害と自律神経障害が引き起こされます。

ボツリヌス中毒の主な症状は以下です。早ければ毒素の摂取から2~3時間、遅くとも6日以内に現れます。

治療法や症状の詳細はこちら