犬の捻挫(ねんざ)

犬の捻挫~足をあげたりかばうようにして歩いていたり、足をさわると熱かったら~

犬の捻挫とは、関節を何らかの拍子で無理に曲げたことで、関節をつないでいる靭帯(じんたい, ligament)が許容範囲以上に引き伸ばされてしまった状態のことです。
引き伸ばされた靭帯は損傷をし、その部位に炎症細胞が引き寄せられます。
炎症細胞は体にとっていらなくなった損傷部位を掃除するため、様々な化学物質を放出しますが、この物質が周囲にある神経に作用して、いわゆる炎症を引き起こします。
炎症は痛み、腫脹(はれ)、発赤、発熱を4大特徴とする生体反応の一種であり、捻挫した部分には必ずといってよいほど炎症が発生します。
一度捻挫してしまうと癖になって再発しやすい怪我ですので、十分に注意してあげましょう。

ここでは、犬の捻挫の主な原因はもちろん、症状から対処法などをまとめていますので、是非ご参考になさってください。


  • 犬の捻挫の重症度
  • 犬の捻挫の主な症状
  • 犬の捻挫の主な原因
  • 犬の捻挫の主な原因
  • 犬の捻挫の応急処置・主な治療法

犬の捻挫の重症度

重症度は、靭帯がどの程度破壊されたかによって3段階に分けるのが一般的です。

  • 「I度」:軽度捻挫。靭帯の繊維が細かく引き裂かれた状態を指します。
  • 「II度」:部分断裂。靭帯の一部がちぎれた状態を指します。
  • 「III度」:完全断裂。靭帯が真っ二つに切れた状態を指します。

II度からIII度の捻挫においては関節が極端に曲げられるため、脱臼骨折を伴うこともしばしばです。

犬の捻挫の主な症状

主な症状
☆患部が赤くなる(通常は被毛で見えない)
☆患部が腫れる
☆患部が熱くなる
☆患部が痛む(触られるのを嫌がる)
☆足を引きずっている
☆動き方が不自然(左右非対称)

犬の捻挫の主な原因

高い場所からの落下、足場が悪いところでの全力疾走、おもちゃキャッチの失敗、障害物へのつまづき、急な方向転換、交通事故など様々なものが考えられます。
またそり犬、レース犬、アジリティ犬、猟犬など、激しい運動を要求される犬において発症確率が高くなります。

犬の捻挫の応急処置・主な治療法

犬の捻挫は、とにかく安静にするのが大事です。
通常、安静にしていれば、2~3日で回復してきます。
3日以上たっても回復が見られなかったり、患部が腫れているようであれば、病院へ行きましょう。

  • RICE
    捻挫した部位に発生した炎症を抑える処置を施しますが、一般的に炎症に対する応急処置はRICEという言葉で要約されます。
    Rは安静(Rest)で患部を動かさない。
    Iは冷却(Icing)で氷水などで血液の急激な流入を緩和する。
    Cは圧迫(Compression)で患部を圧迫して血液量を減らす。
    EはElevationで挙上(Elevation)で心臓より高いところに持ち上げて血液量を減らす。

  • 動物病院の受診
    無理な運動をしなければ3日程度で回復の兆しを見せるはずですが、なかなか痛みが引かなかったり足を引きずっているようなら、獣医さんの元へ連れて行きましょう。
    加齢や肥満などが原因で膝の中をクロスするように補強している十字靭帯のうち前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)が断裂してしまうケースが多く見受けられます。
    また捻挫よりひどい脱臼骨折の可能性もありますので、適宜レントゲン等を撮ってもらいましょう。

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