膣から不正出血がある

もしも愛犬の膣から不正出血があったら~子宮内膜炎や可移植性性器肉腫などの疑いアリ~

「うちの子の下腹部から生理でもないのに出血があるのよね」と感じたら、要注意です!
もしも愛犬の膣から不正出血がある場合、下記の疾患が疑われます。

子宮内膜炎

犬の子宮内膜炎とは、子宮の内部などに細菌が侵入してしまい、子宮の内部を覆っている子宮内膜(しきゅうないまく)と呼ばれる部分に炎症が発生した状態のことです。

発情が止まっている時期における子宮は、内外の子宮口をぴったりくっつけて子宮頚管(しきゅうけいかん)を閉ざし、外部との交流をシャットアウトしています。
しかし発情前期から発情期にかけての時期だけは子宮頸管を部分的に開きます。
この時期になると、オスを受け入れて受精しやすくするため、子宮頚管を部分的に開いて精子が通りやすくします。
すると、待ってましたとばかりに膣内にいた病原菌がこの管を通って上行し、子宮内膜に取りついて繁殖を始めます。
このようにして内膜に炎症が起こった状態が「子宮内膜炎」です。
なお、子宮内膜炎が長引き、子宮内に膿(うみ)がたまってしまった状態は子宮蓄膿症と呼ばれます。

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可移植性性器肉腫

犬の可移植性性器肉腫(CTVT)とは、交尾によって伝染するガンの一種で、1906年にスティッカー氏が癌細胞の移植に成功したことから「スティッカー肉腫」とも呼ばれています。
世界で2つしかない自然発生した伝染性のガンのうちの一つであり、もう一つはタスマニアデビル顔面腫(DFTD, Tasmanian devil facial tumor disease)です。

通常のガンとの大きな違いは、個体の体内で突然変異した細胞が増殖したものではなく、感染個体とは全く異なる染色体を持っているという点です。
イヌの染色体が78本であるのに対し、肉腫のそれは57~59本程度と言われています。

起源に関しては、7,800~78,000年前、オオカミの体内でマクロファージが変異して誕生したと考えられていますが、定かなことは分かっていません。
症例は熱帯地方に集中しており、日本においてはまず見られない病気です。

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